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これまでの販売台数を追う経営を見直す

予期せぬコロナ禍となったが、そもそも3社は思い切った経営判断に踏み切るはずだったに違いない。

ルノー/日産/三菱3社によるアライアンス(企業連合)は日本時間の2020年5月27日16時、各社拠点があるパリ、横浜、東京をオンラインで結んでの共同会見をおこなった。

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ルノージャンドミニク・スナール会長    ルノー

まず、ルノーのスナール会長が挨拶した。

この数週間、コロナ禍を踏まえて3社で協議を進めてきたが、世界各国での生産は再開し、いまこそ事業立て直しを再構築する時期だ、と強調した。

その上で、これからはビジネスの効率性と、市場での競争力に注力し、これまでのような販売台数を追う経営を見直すと言い切った。

アライアンス全体での販売計画台数などの目標値は示さなかった。

公開された「アライアンスの新ビジネスモデル」を構成する柱は3本ある。

1つは、「車両における、リーダーとフォロワー」

2つめは、「技術における、リーダーとフォロワー」

3つめが、「レファレンス地域(各メーカーが既存事業で得意かつ今後強化する地域)」だ。

そうは言われても、「そもそもアライアンスとはこういうことではないのか?」と思う方が多いはず。

3社のCEOは、既存資産の有効活用を強調するが、具体的にどういうことか?

マザービークルとシスタービークル

車両については、2019年時点でアライアンスで共有するプラットフォームは39%ある。

これを2024年までに倍増し8割程度まで引き上げる。

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リークしたエクストレイルの北米バージョンである新型「ローグ」。三菱アウトランダーと、どちらがマザーになるのだろうか?    AUTOCAR英国編集部

ラットフォームは、製造コストの1/3程度となることから、車両の上屋(うわや)部分までの共通化を考慮する。

要するに、兄弟車が増えるということだ。

母体となるクルマを「マザービークル」と呼び、それをフォローするのが「シスタービークル」だ。

こうした考えはすでに、小型商用車で活用されている。

具体的には、リーダールノーで、モデルは「カングー」、「トラフィック」、「ロガン・ピックアップトラック」。

フォロワーは、日産の「NV250」、「NV300」、「NP200」などだ。

1t級ピックアップトラックでは、リーダーが日産で「ナバラ」。フォロワーがルノーアラスカン」である。

この手法を、乗用車にも取り入れることで、モデルへの投資額を最大で4割程度削減できるという。

こうした考え方を世界に先んじて採用しているのが、軽自動車の企画と商品マネージメントを日産と三菱で協業する、NMKVだ。

今後、世界各地でNMKVを参考にしたような、ルノー日産三菱による効率的なモデルラインアップが生まれることになる。

そうなると、近年中に発売される、日産「エクストレイル」と三菱「アウトランダー」はどちらがマザーになるのだろうか?

EVと軽、日産がリーダーになる

技術におけるリーダーとフォロワーは、ルノークリオと新型日産ジューク、またはNMKVの軽などで実証されている。

さらに、EVでは日産リーフや三菱i-MiEVが世界をリードしてきた。

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日産IMk(アイエムケー)コンセプト。軽サイズのEV。    日産

今後はさらに一歩踏み込んで、リーダーとフォロワーを決める。

各分野でのリーダーは、自動運転技術を使った高度な運転支援システムは日産。eボディ(電子電気アーキテクチャーのコアシステム)はルノー

コネクテッドカーでは、アンドロイドラットフォームがルノー、中国向けプラットフォームが日産。

小型車(A/Bセグメント)の電動パワートレインルノー、Cセグメント以上の電動パワートレインは、日産となる。

そのほか、プラットフォーム(車体)は、A/Bセグメントはルノー、軽とCセグメントは日産、中型EVは日産となる。この中型EVとは「アリア」を指す。

こうした技術のさらなる協業によって、コストは約2割削減できるという。

会見後の記者との質疑応答で、仏マクロ大統領が先ごろ、フランスでのEV需要活性化と国内でのEV生産の強化を表明したが、この件とアライアンスとの関係を聞いた。

それについてスナール会長は「(新しい)アライアンスを前提してのこと」と答えた。

またEV用バッテリーについては、ルノー幹部が「様々な選択肢コスト面などから考慮する」と説明した。

日産は、日本/北米/中国が中核地域

新しいアライアンスにおける3本の柱、3つ目となるレファレンス地域。

要するに、現時点において生産と販売の主体がある地域を示し、そこでの他の2メーカーとの重複するような生産/販売体制を避けるということだ。

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新たなるアライアンスによって生まれ変わろうとしている、ルノー/日産/三菱。    ルノー

3社のレファレンス地域とは、日産が日本、北米、中国。ルノーが欧州、ロシア、中南米、北アフリカ。そして三菱が東南アジアオセアニアとなる。

こうした中、気になったのが各地域における、具体的なアライアンスの活用だ。

例えば、ブラジルでは、4つのプラットフォームがあり、このうち2つがルノーの4モデル分で、残り2つが現在タイでも生産し日本に輸出するマーチキックス

これを将来は1つのプラットフォームで7モデル化するという。

また、欧州・ロシア市場の説明の中で、CセグメントSUVについて「日産がグローバルをリードし、2025年以降のモデル刷新」とある。

記者からは「2025年とは、ずいぶん先の話では」という意見もあったが、これは次の次の「エクストレイル」なのか?

新たなるアライアンスによって生まれ変わろうとしている、ルノー/日産/三菱。

日産の2020年3月期決算、および中期経営計画の発表は5月28日実施の予定だ。


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