子猫と犬

一目で子猫たちに恋した犬 image credit:Kendal Benken

 たとえ異種であっても、無償の愛情を注ぎ、我が子のように慈しむ動物の姿はやさしさそのものだ。アメリカのカリフォルニア州に住むラブラドールミックスは、飼い主が仮里親となって預かった3匹の子猫を見た瞬間、保護愛が沸き上がったようだ。

 子猫を我が子のようにかいがいしくお世話をする愛犬の姿を見た飼い主の女性は、犬が小さい時に受けた親切の「恩送り」をしているように感じたと話している。『the dodo』などが伝えた。

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一時的に預かった3匹の子猫が愛おしくてたまらない

 カリフォルニア州コントラコスタ郡ラファイエットに住むケンダル・ベンケンさんは、新型コロナウイルスによるパンデミックロックダウン(封鎖)中、自宅で過ごしていたが、何かできることがないかと探していた。

 ちょうどそんな時、同州サンパブロにある動物救助・保護センター『Jelly’s Place』が、まだ生まれて間もない子猫3匹に24時間体制でミルクをあげることができる仮里親募集をしているのをネットで見つけ、ちょうどいい機会だと思ったケンダルさんは早速申請をした。

 センター側の承認を得て、お世話を任されたケンダルさんが子猫たちを連れて自宅に戻ってくると、飼い犬ラブラドールミックスのトルービー(2歳)が子猫3匹に特別な反応を見せた。

 どうやらトルービーは、小さな子猫たちに一目で恋に落ちてしまったらしい。「私にもお世話をさせて」というような態度をケンダルさんに取ったトルービーは、我が子のように愛情を注いで子猫たちを面倒見始めたという。


トルービーは、子猫が入っているキャリアーのすぐ隣に座って、常に子猫たちを見守り、身綺麗にしてあげています。

私が哺乳瓶に入ったミルクを子猫たちにあげようとすると、トルービーはまるで“誰か”に子猫をとられると思うのか、私を横へ押し出して子猫たちを守る仕草を見せるほどです。

だからミルクをあげなければならない時は、仕方なくトルービーを部屋の外に出して、終わると部屋へ入れますが、トルービーは子猫たちのもとへすぐに駆け付け、問題ないかどうかを確認したりにおいを嗅いだりしています。

子猫をすっかり我が子扱いして、とても真剣に世話する役目を担ってくれているんだと感心しました。


 ケンダルさんは他の犬も数匹飼っているが、トルービーは決して犬たちを子猫に近づけようとしないそうだ。

 犬たちが興味を持って猫のにおいを嗅いだりしようとすると、たちまちトルービーは子猫たちの前に立ちはだかって、警告を発するという。

 ある時から、トルービーは「自分だけ子猫たちを守る」といわんばかりに、他の犬やケンダルさんからも隠し始めたようだ。

私や犬たちの“干渉”にうんざりしたのでしょう。トルービーは、子猫たちをクレートから出して私の寝室にあるドレッサーの後ろに子猫たちを隠すようになりました。(ケンダルさん)


自分がしてもらったことの恩送りをしているのかも


 これほどまでに子猫たちの世話をかいがいしくしているトルービーの姿を見て、ケンダルさんはある考えが頭をよぎった。

 それは、トルービーを引き取ったばかりの頃のことだった。当時、ケンダルさんはテキサス州に住んでおり、生後5週目だったトルービーをシェルターから一時預かりした。

 里親になったケンダルさんは、トルービーがパルボウイルスに感染したり、蛇に噛まれたりした時も、再びトルービーが健康を回復できるように懸命にケアした。

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image credit:Kendal Benken

 結局、その後ケンダルさんはトルービーを飼い犬として引き取ることにしたが、トルービーの子猫へのケアを見ていると、「もしかしたらトルービーは、自分が大切にケアされたことを覚えていて、その恩送りをしているのかもしれない」と思ったという。

とにかく、トルービーは他の救助・保護された動物たちに対して、本当に愛情を惜しみなく注ぎます。

私が里親になって自宅へ連れてくる動物たちに、いつもやさしく接して、すぐに仲良しになります。トルービーは、とても忍耐強いし、強い母親の本能を持っているようです。



3匹の子猫の1匹と特別な絆を育むトルービー


 ケンダルさんによると、今トルービーはエド、プリッシー、ロウイーと名付けられた3匹の子猫の中でも特にエドと特別な絆を育んでいるという。

トルービーにとっても、猫たちにとってもウィンウィンの関係を築いていると思っています。トルービーはママになれることができるし、猫たちはトルービーのようなやさしい犬と過ごして慣れることで、犬を恐れない環境に馴染み、引き取り先の幅も広がります。

トルービーには「子猫たちと別れても、またここに別の動物たちが来るからね」と言い聞かせていますが、3匹と別れる日は、トルービーはきっと悲しむことでしょう。特にエドとはいつも一緒にいるので、離れなければならない時のトルービーの反応が心配です。

でも、なんといってもトルービーはやさしくかわいい子ですから、新たに愛情を必要としている動物たちをまた一生懸命ケアしてあげてほしい。


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image credit:Kendal Benken

 今では48kg近くに成長しているという大きなトルービー。体だけじゃなく、その大きなハートでもって、ケンダルさんが今後また新しく迎え入れる動物たちを、きっとやさしく包みこんであげることだろう。

written by Scarlet / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52291301.html
 

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