天気が悪かったり、その他の事情で外出がままならなかったりすることがあると思います。そんなときこそ、「愛犬とのおうち時間を楽しむチャンス」です。

今回は、ペット食育協会ペット食育士で『愛犬のしつけ+15のトレーニング』の著者マルヤマミエコさんが、犬の老化予防としても役立つ、おうちで楽しめる知育遊びについて、ドッグトレーナー遠藤ゆかりさんに聞きました。

愛犬が喜ぶ「室内で宝探し」。トレーナーが教える知育遊びで老化防止も

犬の遊びには2種類ある

小型犬

photo by marieke koenders

―犬にとって遊びは、飼い主さんとの関係性を深めるうえでも大切なものですが、犬の遊びにはどのようなものがあるのでしょうか?

「犬の遊びには、2種類あります。1つ目はストレス発散系で、おもちゃを投げて犬に持って来させたり、おもちゃの引っ張りっこをしたりする遊びです。2つ目は、知育系と呼ばれる遊びです。知育系の遊びは、犬の知能アップや犬の老化予防としてもオススメです!」(遠藤さん

―ストレス発散系の遊びと比べて、犬が脳を働かせる知育系の遊びは難しそうな気がしますが…。

「知育と聞くと、難しそうに思われるかもしれませんが、そんなことはありません。知育系の遊びは犬の老化を緩やかにすると言われていて、認知症予防にとして注目されています。

ストレス発散系の遊びとは違って、考えることに重点を置いた遊びは犬にとっても新鮮だと思います。今回は、飼い主と愛犬とのコミュニケーション作りにも役立つ、知育系の遊びを3つご紹介しますので、やってみてください」(遠藤さん

遠藤さんにご紹介いただいたのは、おうちの中にあるものを使ってできる遊びばかりです。今日からさっそく、チャレンジしてみましょう!

1「宝探し」大好きなおやつの隠し場所を探そう

「宝探し」をして遊ぶ

「宝探し」をして遊ぶ犬

準備するもの

愛犬の好きなおやつ、紙コップや紙皿など

遊び方

  1. 犬を部屋の外に連れて行く
  2. おやつを紙コップや紙皿などに乗せて室内に隠す
  3. 犬を室内に入れる
  4. 「探せ」と指示を出して、犬におやつを探させる
  5. 犬がおやつを見つけたら、ごほうびとしておやつを与える

ポイント

はじめは犬の意欲が湧くように、探しやすい場所に一つ隠します。慣れてきたら、分わかりにくい場所に隠すか、隠し場所を増やしましょう。鼻が効きにくくなくなっている老犬の場合は、ニオイの強いおやつで試してみるのがオススメです。

犬によっては紙コップを誤飲や破壊する場合があるので、十分に気をつけてください。

※撮影には紙コップ以外の入れ物を使用していますが、ドッグトレーナーの指導の下、十分に配慮して行っています。

2.「かくれんぼ」ニオイと気配で飼い主さんを探してみよう!

「かくれんぼ」をして遊ぶ犬

準備するもの

愛犬が好きなおやつ、おもちゃ

遊び方

  1. 家族に協力してもらい、犬を別の部屋に連れて行く
  2. 飼い主は、おやつかおもちゃを持って物陰に隠れる
  3. 犬を飼い主が隠れている部屋に入れる
  4. 「パパを探して」など犬にコマンドを出して探させる
  5. 飼い主さんを見つけることが出来たらおやつを与えるか、おもちゃで遊ぶなどする

ポイント

犬が飼い主を探したくなるように、おもちゃやおやつを手に持っているところを見せてから隠れましょう。

飼い主の居場所がわからなくて犬が迷っている場合は、おもちゃの音を鳴らす、もしくは小さく声を出すなどすると良いヒントになります。

3.「どっちに入っているかな?」おやつが入っている手を当てよう

「どっちに入っているかな?」で遊ぶ犬

準備するもの

おやつ

遊び方

  1. 愛犬に見えないようにして、飼い主はどちらかの手でおやつを握る
  2. 両手を犬の前に出し、どちらにおやつが入っているかを当てさせる
  3. 犬が手のニオイを嗅いで、おやつが入っている方の手を鼻や前脚で示したら、ほめておやつを与える

ポイント

比較的簡単にできる遊びです。二択では簡単過ぎる場合は他の家族も参加して、チャレンジしてみましょう。

遊びの前は「マテ」、始めるときは「ヨシ」と指示をすることで、犬が行儀良く待つ練習にもなります

おもちゃ遊びは誤飲に注意!

おもちゃで遊ぶ犬

知育系の遊びは今回ご紹介した3つ以外にも、いくつか用意した箱の中のひとつにおやつを入れてどの箱に入っているかを探させたり、四方を結んだ布の中におやつを入れて結び目をどうすれば解けるかを犬に考えさせたりするなど、飼い主オリジナルの遊びを愛犬と楽しむのも良いそうです。

「嗅覚と思考力は脳の働きを良くする役目もあるのでオリジナルの遊びのほかに、市販の犬用知育玩具で遊ばせるのもOKです。ただし、おもちゃは破損や誤飲の恐れがあります。愛犬が遊んでいる最中は、絶対に目を離さないでくださいね」と遠藤さん

五感を刺激する遊びを行うことで考える力が身に付き、犬にも徐々に変化が生まれてくるそうです。
脳を使う、考える遊びを取り入れて、元気な老犬を目指しましょう!

<取材協力>
ドッグトレーナー 遠藤ゆかりさん(PLUS WAN)

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