コロナによるマスク不足が人々の創造性を高めた。独創的なアイデアのマスクやフェイスシールドが次々と登場している。
3Dプリンター技術を使用したものや聴覚障碍者を配慮したもの、実用性と同時にデザイン性も重視したものなど多岐にわたる。
だがそのほとんどはプラスチックを使用して作成されている。そこで今回、デザイナー2人が生分解性のマスクを開発。材料はなんと、自宅キッチンで簡単に培養できる微生物だという。『designyoutrust』などが伝えている。
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Xylinum Mask from Garrett Benisch on Vimeo.
微生物で作ったセルロースマスクが開発される
N95マスクは使い捨てマスク同様、人工不識布プラスチック繊維で作られたポリマーベースのフィルターが主要素材となっており、これがPPE(個人用防護具)不足の原因とも言われている。
Sum Studioのデザイナーであるギャレット・ベーニッシュさんとエリザベス・ブリッジズさんは、PPEに対するより持続可能なアプローチを提供。
N95マスクの代替品となるプロトタイプとして、キシリナム(xylinum)マスクと呼ばれるセルロースマスクを開発した。
キシリナムマスクは、アセトバクター属のキシリナム・アセトバクターという一般的な細菌の副産物であるバクテリアセルロースでできており、なんと自宅キッチンで簡単に育成できるという。キシリナム・アセトバクターは、味付けされていないコンブチャ(紅茶キノコ)に含まれている。
必要な材料は、水とお茶、砂糖、コンブチャ(紅茶キノコ)
実際に、家で揃えるのは簡単な材料ばかりだ。水とお茶、砂糖、そしてキシリナム・アセトバクターの少量の微生物サンプルだ。
液体の表面に生息するキシリナム・アセトバクターから作成されるバクテリアセルロースは、増殖するにつれてセルロース繊維を単一の膜に編み込んでいく。
素材はやや透けているが、顕微鏡画像で見ると驚くべきタイトさで編み込まれた繊維質の構成が見えるということだ。
スコービー(菌株)の膜が十分厚くなったら、吊り下げて乾燥させる。
シートは、強力かつ柔軟性があり、何より生分解性なので環境にやさしい。
このシートに防水加工もしくは油を塗ることで、薄い革の柔らかさと強さを同時に実現させることができるそうだ。
持続可能な解決策の提供を目指して
全てのプロセスにかかる時間は約2週間。セルロースフェイスマスクのアイデアの魅力は、材料が容易に手に入り、自宅でもどこでも作成することができるという点だ。
何年も劣化しない石油プラスチックとは異なり、このセルロースマスクは野菜や果物と同じぐらいの速度で分解する。
現時点では、まだこの新しいマスクに対するテストは行われていないが、Sum Studioではこのプロジェクトを進めることにより、多くの現代の問題に対する持続可能な解決策を提供でき、バイオデザインの使用についての可能性が注目されることを望んでいる。
それではここで、コンブチャ・レザーの作り方を紹介しよう。こちらのサイトからPDFでダウンロードできる。
材料
・コンブチャ
・オーガニックのアップルサイダービネガー200ml
・グラニュー糖200g
・紅茶または緑茶のティーバッグ2袋、
・水2L
用意するもの
・ゴム製手袋1組
・消毒液が入ったスプレーボトル
・ダクトテープ
・容器よりも大きいサイズのヒートマット
・密閉性のある容器
・正方形のガーゼ(10cmx10cm)
・革を乾燥させるための木製のボード(まな板など)
・計量カップ
ステップ
1.容器の蓋の真ん中に8cm弱ほどの正方形の穴を開ける。その後、穴を開けた部分にガーゼをダクトテープで貼りつける。2.容器の中を70%アルコールが含まれた消毒液でしっかり消毒し、乾かす。次に、.ヒートマットを容器の下に置く(まだスイッチは入れない)
3.水を鍋で沸騰させ、火を止めて湯の中にティーバッグを15分間入れる。ティーバッグを取り除いたら砂糖を入れて混ぜる。鍋の液体を容器に移す。
4.30度以下の室温で液体を覚ます。サイダービネガーを入れ、次にコンブチャを入れる。
コンブチャの菌株は容器の下に沈んでいく。発酵は48時間~72時間。薄い膜と泡ができてきて、コンブチャも浮き上がってくる。5.容器の蓋を閉めて、ヒートマットのスイッチをオン。
6.消毒した手袋で、容器の中身を週1ペースで確認。汚染されていないかチェック。4週間も経つと、シートに厚みが増してくる。容器から取り出す。
7.台所用洗剤でシートをよく洗う。
ちなみに、色付けをしたい場合は醤油でも可能だそうだ。
How to Grow Leather-Like Material Using Bacteria (Making Kombucha Leather)
実際に作ってみて、つけてみないことには息苦しさとかフィット感とかはわからないかと思うので、科学実験好きな人は試してみてはいかがだろうか?
見た目的にはとても斬新で、シアー感があるし、おしゃれとも言えなくもないが、日焼けして向けた皮っぽくもあるので、これをつけて外出したら必然的に社会的距離は得られるのかもしれない。
written by Scarlet / edited by parumo
全文をカラパイアで読む:http://karapaia.com/archives/52291320.html
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