飼い主が急逝した後も彼を迎えに約10年間も東京・渋谷駅に通い続けた忠犬ハチ公。飼い主を慕い続けるハチ公の姿に胸を打たれた人は多く、国内はもちろんのことハリウッドでも映画化された。しかしこのようなエピソードは実は海外にも存在している。いくつかの感動実話を紹介しよう。

まずは2014年に「ボリビア忠犬ハチ公」だとラテンアメリカ諸国で大きな話題になったオスの雑種犬だ。この犬は飼い犬ではなかったものの、1人の大学生が世話をしていた。しかしある日、この大学生は事故で急逝してしまう。そのことを知らない犬は、大学生から世話を受けていた場所に5年間とどまり続けた。大学生の家族らがこの犬を引き取ろうとしても、彼は一切動こうとしない。大学生から世話を受けて可愛がられた記憶とその場所との強い結びつきが、移動を拒否する大きな理由となっているものとみられている。

そしてアルゼンチンの“忠犬ハチ公”は、オスのラブラドール・レトリバー「トト」(6歳)だ。2019年にトトの飼い主である男性は病院に搬送され、そのまま亡くなってしまった。それを知らないトトは、大好きな飼い主が出てくるのを病院の出入り口で待ち続けた。写真にはドアの外にダンボールを敷いてもらい、その上で伏せをしてじっとしているトトの姿が。この間トトの世話をしていた近隣住民は「いつか必ず飼い主が帰ってくるとトトは信じているように見えました」と語っていたが、その後トトは見かねた地元の動物保護団体によって保護された。新しい飼い主を探すことになったが、その条件は「トトが病院に戻ってくる可能性があるため、外に逃げ出さないような環境であること」だったという。

トトは1週間ほどで保護されたが、2018年、ブラジルには亡くなった飼い主を病院の外で4か月間も待ち続ける犬がいた。喧嘩の末に刺された59歳のホームレス男性が救急車で運ばれると、その後を追って病院にやってきたこの犬。男性は亡くなってしまったが、飼い犬はそこで男性が現れるのをひたすら待った。お腹が空くと食べ物を探しに行くものの、一日のほとんどを病院の入り口の敷物の上で飼い主を待ちながら過ごした。その後、地元の動物保護施設に引き取られたが、しばらくすると逸走し、約3キロ離れた病院に戻ってくるとまた敷物の上に座り込んだのだ。

飼い主が亡くなったことを知らずに待ち続ける犬たち。犬にとって飼い主の死を理解することは必要なのかもしれない。こんな実例もある。ボーダーコリーダルメシアンシェパードの混血種である「セイディー」(13歳)は、2018年に飼い主を心臓発作で突然亡くしてしまった。セイディーは、飼い主が亡くなってからは10日間、餌を一切受けつけず4.5kgほど痩せてしまった。しかし棺の中の飼い主と対面させると、また餌を食べるようになったのだ。飼い主との最期の別れの際にセイディーは、後ろ足だけで立って棺の中の飼い主の顔を眺めて匂いを嗅ぎ、棺にしばらく寄り添ってから、やがて静かに部屋を出て行ったという。

他にも米ニューヨーク州では2017年、飼い主の墓から離れようとしない犬が人々の涙を誘った。これらの犬たちには、「泣ける」「なんて従順なんだ」「元の飼い主が忘れられないのね。でも新しい飼い主とも幸せになって欲しい」「もちろんペットだって大きな悲しみを抱えていると思う」「こういう姿を見ると、犬ってやっぱり人間の親友なんだなと思う」などの声があがっている。

画像は『El Universo 2014年1月10日付「Hachi, el perro boliviano que espera en una esquina a su amo muerto hace cinco años」(EFE)』『Metro 2019年3月16日付「Loyal labrador waits for owner outside hospital not knowing he is dead」(Picture: CEN/ Twitter)』『Cristine Sardella 2018年2月27日付Facebook「Temos muito o que aprender com os animais.」』『Elements Cremation, Pre-planning&Burial 2018年4月28日付Facebook「Please share this very beautiful story..」』『Metro 2018年1月6日付「Heartbroken dog refuses to leave late owner’s grave」(Picture: Newsflare/ theresamorini)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)

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