高齢者の生活を支援するため政府が支給する年金だが、このほどアメリカで祖母が亡くなったことを隠し続け、代わりに年金を受け取っていた孫娘が逮捕された。さらに祖母の遺体を冷凍庫の中に14年間隠し続けていたことが判明し、人々に衝撃を与えている。『The Philadelphia Inquirer』『New York Post』などが伝えた。

ペンシルベニア州在住のシンシアキャロライン・ブラック(Cynthia Carolyn Black、61)は、祖母の遺体を隠して政府からの給付金を不正に受け取っていたとして、今月27日に遺体遺棄と不正受給による窃盗の罪で逮捕された。

警察の調べによると、シンシアは祖母であるグレノーラ・ドライエさん(Glenora Delahay)の遺体を冷凍庫の中に隠し、長年彼女の社会保障小切手を不正に受け取って現金化していた。『New York Post』によると、グレノーラさんは2004年3月に97歳で亡くなったという。

グレノーラさんの死後、シンシアとパートナーのグレン・ブラック・ジュニア(Glenn Black Jr.、55)、そしてシンシアの母親(グレノーラさんの娘)はグレノーラさんの死亡届を出すことなく、そのまま社会保障小切手を受け取って、家のローンや生活費に充てていたようだ。

2007年になるとシンシア達は家を購入したことで、住んでいたアードモアからヨーク郡ディルズバーグへと引越した。その後、シンシアの母親は2011年1月に亡くなり、2018年にはグレンが強制猥褻罪で逮捕され刑務所に拘留されることとなってしまった。

そしてグレンが逮捕された同年、住宅ローン滞納のためにシンシアは家を差し押さえられた。所有権が住宅ローン会社に移されて売りに出されたため、シンシアは家を出て行かざるを得なかったようだ。

家が売りに出された後の昨年2月7日のこと、この家の購入を検討していた2人の女性が家の見学に訪れた。2人は住居の横に建てられた小さな納屋の中にある冷凍庫を見つけて中を確認したところ、ビニール袋に入れられたグレノーラさんの遺体を発見したのだ。

警察の調べにより家の所有者だったシンシアに捜査の目が向けられた。シンシアは自分が冷凍庫の所有者でありグレノーラさんが亡くなった後、その遺体をアードモアの自宅の地下にあった冷凍庫に入れて隠し、ディルズバーグへ引越した時にも冷凍庫を運び込んで保管していたことを自供した。

警察は今月26日に逮捕状を取り、翌日にシンシアを逮捕した。シンシアが不正に受け取った金額は月に1765ドル(約19万円)ほどで、合計で18万6000ドル(約2千万円)以上にものぼることが分かった。なお亡くなったグレノーラさんの死因は分かっていないが、警察では事件性は無いと見ている。

画像は『The Philadelphia Inquirer 2020年5月28日付「Ardmore grandmother whose body was hidden in a freezer was sent $186K in Social Security checks, police say」(YORK COUNTY SHERIFFS OFFICE)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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