旧日本軍731部隊について研究する専門家・楊彦君氏はこのほど、「旧日本軍が人体解剖を行ったことを証明する直接の証拠」を発表した。中国国際放送局が報じた。

  ハルビン市社会科学院731問題国際研究センターの責任者である楊彦君氏は2011年11月、米国会図書館で米国が機密指定を解除・公開した日本細菌戦に関する資料を調査し、ペスト菌報告の「Q報告」を含む3部の報告書を発見したと主張した。

  記事は、「Q報告は731部隊1943年に長春と農安地区のペスト感染者に解剖を行った報告書で、主に心臓、肺、扁桃腺などの器官の感染ルートと感染程度の情報を記録したもの」と報じた。

  楊氏によれば、「Q報告」に記載されている解剖例は計57例で、解剖例の基本データには名前(イニシャル)のほか、年齢、性別、過程日数、病型、感染方式などが含まれているという。

  報道によれば、「Q報告」は1948年7月に米陸軍に提出された文書で全744ページ、4部構成だ。第1部は主に心臓と肺の感染データ、第2部は主に扁桃腺、咽頭、気管支、胃、腸、脾臓などの病変記録と状況、第3部は主にリンパ節の病変過程、腎臓とすい臓の解剖データ、第4部は主に副腎、甲状腺、胸腺、睾丸、脳下垂体などの解剖データが記録されている。

  楊氏は、「731部隊は細菌兵器の研究と実験を行うと同時に、医学的に病理解剖と研究も行った。その目的は侵略戦争のためであり、完全に医学論理と人道主義に背くものだ」との見方を示した。

  さらに楊氏は「Q報告は731部隊が疫病防止を名目に、細菌感染研究を実施した歴史的事実を暴露するもので、731部隊が中国侵略戦争時に人体解剖を実施した直接の証拠だ」と述べた。(編集担当:村山健二)(写真:ハルビンの関東軍防疫給水部本部(通称、731部隊)跡地/撮影:宮城英二)