宇佐美貴史×柿谷曜一朗“天才対談”|第7回】遠藤や森島氏ら偉大なレジェンドの背中を追う

 新型コロナウイルスの影響でJリーグが中断するなか、ガンバ大阪FW宇佐美貴史セレッソ大阪FW柿谷曜一朗が、オンラインFootball ZONE webの独占インタビューに応じた。アカデミー出身で、幼少期から“天才”と呼ばれ続けてきた2人。G大阪C大阪という強烈なライバル関係を持つ両クラブエースは、互いのプレーをどのような目で見てきたのか。そしてクラブの「象徴」に向ける思いとは――。

 アカデミー出身で現チームエースクラブに対する愛情も深い。柿谷は、“ミスターセレッソ”ことレジェンドFWで現在は社長を務める森島寛晃氏や、MF香川真司(サラゴサ)らが背負った伝統の背番号8を付ける。その肩にのしかかる重みを知っているからこそ、自身の立場を理解している。

柿谷「ぶっちゃけ言うと、セレッソにヤットさん(G大阪MF遠藤保仁)みたいな(大黒柱)タイプがおらん。それが悔しい……わけじゃないけど、めちゃくちゃ羨ましい。鹿島(アントラーズ)には小笠原(満男)さんがいたり、川崎(フロンターレ)は(中村)憲剛さんがいたり。セレッソには森島さんやアキさん(西澤明訓)が引退してから(大黒柱的な存在が)おらん。俺は、ガンバに対してそれが羨ましい。それで、ヤットさんとは全然やり方は違うけど、次のそういう立場に絶対なって欲しいと思ってるのは、間違いなく貴史。それは間違いない」

 G大阪には現在40歳で2001年から在籍する絶対的な存在、MF遠藤保仁チームを支えている。日本代表としては国際Aマッチ最多となる152試合に出場。プロ23年目を迎えた2月23日横浜F・マリノスとの開幕戦(2-1)に先発出場し、J1最多タイとなる通算631試合出場を達成した。今季、リーグ再開後には新記録達成が確実視されており、鉄人が見せる背中はあまりにも偉大で大きい。柿谷はC大阪で8番を付けるが、G大阪の次期「7番」にかかる重圧は相当なものだろう。

柿谷「そういう(大黒柱のような)存在になった貴史、なっていく貴史を見たい。俺もセレッソで8番を背負っているからこそ、そういう立場にならないといけない。だけど、森島さんとかと同じことをするわけではない。貴史がどう思っているかは分からんけど、クラブのそういう存在に俺らはならなあかんのかな、と思う」

「恐ろしく以下同文」宇佐美の“象徴”としてのビジョンは? 「継いでいかなあかん

宇佐美「恐ろしく以下同文でビックリしたんですけど……。本当に今、(G大阪には)ヤットさんという太い存在がある。でも、いつかはいなくなるわけで、それは継いでいかなあかんものやし、自分のやり方でチームにいい影響を与えていかないとあかん。ヤットさんの真似をするつもりはない。自分が見てきたものとか、やってきたことがヤットさんとは全然違うから。僕なりのやり方でいい影響とか、いい背中は見せられるはずやから。それは(G大阪に去年の夏)帰ってきてから意識し出していますね。自分のやり方でヤットさんの存在に近づいていかないと、いなくなった時、軸がぶれてしまうチームだと良くない。だから、そういう存在でいたいと強く思います」

 森島氏や遠藤の背中を追ってきた2人。未来へ語り継がれるようなクラブの象徴になるためにも、今できることから地道に取り組んでいる。特に、現在は新型コロナウイルスの影響を受けて自宅待機が続く。そうしたなか、2人は公式インスタグラムYouTubeなどSNSを利用して、毎日のように発信を続けている。

宇佐美「やっぱりクラブへの愛情を発信するのもそうやけど、選手も待っているだけじゃ絶対にあかんと思う。応援してもらうことを求めていくだけじゃ絶対あかんと思うし、応援してもらうからには、こっち側から好きになってもらえるようなことを絶対にしないとあかん。(発信は)そういう気持ちの表れでもある。自分が動画で発信するのもそうやし、それで結果注目してもらえて『注目してもらったからには頑張らないと』とプレーが良くなって。プレーを見てもらって、さらに好きになってもらって……というポジティブな感情をどんどん重ねられるように始めている。サッカーで(ファンに対して)何もできない分、いいきっかけにはなっているかな、中断が」

柿谷「久しぶりにサッカーから離れて、毎日サポーターと触れ合ってみて『早くサッカーがしたい』『応援してくれる人たちってこんなにおるんや』と改めて実感できている。いい準備して、応援してくれる人らと優勝したい。けど、今できるのは楽しむことぐらいやから、というふうには考えられるようになったかな」

 クラブの“象徴”として、“大黒柱”として、これからより大きな存在となり支えていくために――。新型コロナウイルスの影響でリーグ再開が先送りとなっている今も、2人は愛するクラブファンのために思考を巡らせている。(Football ZONE web編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)

セレッソ大阪FW柿谷曜一朗とガンバ大阪FW宇佐美貴史【写真:Noriko NAGANO 高橋学】