変化の激しいIT業界では、時代を見据えたスキルアップを常に考えていかなければいけません。本記事では、エンジニアとしてキャリアアップしたい方や転職を考えている方に向けて、各プログラミング言語の年収やランキングを紹介するとともに、スキルアップの手段として、独学で学びやすい言語について紹介していきます。
目次
1.プログラミング言語別!年収ランキング
2.人気プログラミング言語のランキング
2.1.人気1位:汎用的で OS に依存しない「Java」
2.2.人気2位:構造化プログラミングに適している「C」
2.3.人気3位:充実したライブラリがある「Python」
2.5.人気5位:活躍の機会の多い言語「C#」
3.プログラミング言語の選び方のポイントは?
3.1.汎用性の高さで考える
3.2.求人数や年収で考える
3.3.やりたいことから選ぶ
3.4.習得難易度で選ぶ
4.独学でオススメの言語トップ6選
4.1.Python
4.2.Javascript
4.3.Ruby
4.4.PHP
4.5.Java
4.6.Swift
5.効率よく学習するためのオススメサービス
5.1.progate
5.2.School
5.3.ドットインストール
6.まとめ
1.プログラミング言語別!年収ランキング
ここでは、気になるエンジニアの年収と、人気プログラミング言語のランキングを見ていきましょう。求人検索エンジン「スタンバイ」の調査によると、2018年のエンジニアの年収は以下のようになっています。
(※年収中央値が同じ場合は最大提示年収が高く、求人数が多いものの順位を上位とする)
【出典】プログラミング言語別年収中央値を発表、求人検索エンジン「スタンバイ」調べ
1位の「Go」はC言語の置き換えとして主に基盤ソフトウェアの開発に採用され、ツール開発やWebサーバーなど、さまざまな分野で活用されています。学習の容易さと実用性の高さによって開発者から急激に人気が上昇し、日本でもインターネット企業を中心に普及しています。
2位の「Scala」はオブジェクト指向型と関数型の特徴を併せ持ち、高い生産性と堅牢性を実現しています。TwitterやLinkedInなどでも使われていることで有名ですが、まだまだ扱える人材が少ないことから年収が高い傾向にあります。
3位の「Python」は、プログラミング言語の中でも比較的取り組みやすい言語で、機械学習やデータ解析などの分野で活用が進んでいます。人工知能(AI)の開発・展開が注目される中、Pythonは人気の言語となっています。
このように言語によって得意な領域が異なるため、それによって需要も異なってきます。需要の低い言語を学習しても、将来役に立つかわかりません。
新しい言語を学ぶ上で「何をしたいのか?」も重要ですが、今後も将来性があり年収が比較的高い言語を選ぶほうが、今後のキャリアアップでも有利になるでしょう。
2.人気プログラミング言語のランキング
TIOBE Softwareによる2020年4月のTIOBE Programming Community Indexにおいて、人気プログラミング言語上位5位は次のような結果になりました。
【出典】TIOBE Index for April 2020
2.1.人気1位:汎用的でOSに依存しない「Java」
Javaは1995年に発表された世界的に最も使用されている言語で、見習いエンジニアからベテランまで幅広い人気を誇る言語です。
Javaが人気のある背景としては、汎用的でOSや開発環境に依存する必要がなく、アプリケーションからWebサービス、規模の大きな業務用システムなど、さまざまな用途で開発できることが挙げられます。
2.2.人気2位:構造化プログラミングに適している「C」
Cはアメリカで1972年に開発された、現在使われている多くの言語の源流ともいえるプログラミング言語です。汎用性に優れており、構造化プログラミングに適しているため、特に教育機関での本格的なプログラミング学習に用いられています。
2.3.人気3位:充実したライブラリがある「Python」
Pythonは1991年に登場した汎用的なプログラミング言語です。OSや開発環境に依存せず、コードがシンプルでわかりやすいように設計されているため、CやJavaに比べても開発効率が高い言語といえます。そのわかりやすい言語仕様と汎用性から、現在世界的に注目されている言語です。
2.4.人気4位:オブジェクト指向の言語「C++」
C++は、Cにオブジェクト指向を追加した言語として1983年に開発されました。様々な拡張機能が追加されたことでCよりも保守性が高くなり、開発効率が良くなっています。
元々はシステムソフトウェアのプログラミング用に設計されましたが、ゲームやデスクトップアプリ、モバイルアプリ、Webアプリなどにも利用されています。
2.5.人気5位:活躍の機会の多い言語「C#」
C#は、マイクロソフト社が2000年に発表したプログラミング言語です。名前からするとCの派生言語のように思えますが、実際はC++とJavaを基につくられています。
C#はゲーム開発エンジン「Unity」によるゲーム開発の場で活用されている他、アプリ開発や業務システム開発など様々な場面で用いられ、活躍の機会が多い言語といえます。
3.プログラミング言語の選び方のポイントは?
プログラミングを習得するには時間がかかるため、どの言語を選ぶかは重要なポイントです。そこで、次にプログラミング言語の選び方のポイントについて解説します。
3.1.汎用性の高さで考える
プログラミング言語は、それぞれに得意な領域が異なります。そのため、汎用性の高い言語を習得することでより幅広いジャンルに対応できるようになります。プログラミングを基礎から学習したい場合やプログラミングで具体的に何をやりたいか定まっていない場合は、汎用性の高い言語を選択すると良いでしょう。
3.2.求人数や年収で考える
プログラミング言語を用いて何を開発するのかによって、求人数や年収は異なります。例えば、人工知能(AI)の需要が高まることでPythonの求人が増える、扱える人材が少ないからGoやScalaの年収が高くなる、といった具合です。エンジニアとしてキャリアアップを目指すなら、なるべく求人数や年収の高い言語を選びましょう。
3.3.やりたいことから選ぶ
将来プログラミングでどのようなことを実現したいのか明確であれば、それにあわせて言語を選びましょう。
プログラミング言語には、「できること」「できないこと」があります。
例えばWebアプリなら動的コンテンツに欠かせないPHPやJavaScriptが必要になりますし、スマホアプリならiOS用のSwift、Android用のJavaを学ぶことが必要です。
3.4.習得難易度で選ぶ
プログラミングは一朝一夕で身につくものではありません。そのため、習得難易度の高い言語を選んでしまうと開発できるレベルに到達する前に挫折してしまうことになりかねません。
特にプログラミング初心者の場合は、プログラミングに慣れるためにも難易度の低い言語を選んだほうが良いでしょう。PythonやPHPなどは文法がわかりやすく学習しやすい言語です。
4.独学でおすすめの言語トップ6選
実際にプログラミングを学習するにあたって、おすすめしたい言語を6つピックアップしました。
4.1.Python
Pythonはシンプルなコードで大規模なシステム開発まで対応できるため、様々な場面で使える言語として重宝されています。機械学習の分野にも強みを持つため、近年の人工知能(AI)の需要の高騰によってより人気を集めています。コードもシンプルであるために学習しやすく、初心者から上級者まで幅広いニーズに対応できます。
Pythonで開発を行うには、公式サイトからPythonをインストールする必要があります。開発は、PyCharmなどの統合開発環境や、メモ帳やプログラミング用のエディタなどを使用して行うことができます。
4.2.JavaScript
JavaScriptは、主にWebサイトに動的な処理を加えるのに用いられる言語です。元々はフロントエンド言語としてサーバーを通すことなくブラウザ上での処理に用いられていましたが、最近ではアプリやゲームなど様々な業界で利用されています。
JavaScriptで開発するにあたって最もシンプルな方法は、HTMLの内部に直接書き込むことです。HTML内にJavaScriptによるコードを埋め込み、そのHTMLをブラウザで読み込むことで簡単にJavaSprictを実行できます。またWeb上にてJavaScriptを実行できるサービスもあるので、初心者でも手軽に学習できるのもポイントです。
4.3.Ruby
Rubyは、主にWebサービスの開発を得意とするスプリクト言語です。ストレスなくプログラミングを楽しむことを目的としており、可読性を重視した構文や少ない記述量で開発を行えることから世界中で根強い人気があります。組み込み系中心で、Webサービスの開発が未経験でもわかりやすい言語仕様のため、苦労せずに習得することが可能な言語といえます。
Rubyで開発を行うには、Webサービス開発のためのフレームワークであるRuby on Railsが主流となっています。Ruby on Railsは生産性の向上やメンテナンス性、品質の向上などの点でも優れたフレームワークであり、人気があります。
4.4.PHP
PHPは主にWebサービスを開発するためのスプリクト言語で、動的なWebページを作成するための機能を多く備えています。大規模なWebシステムの構築から、個人で開発できるようなWebアプリケーションまで、PHPにはさまざまな求人があります。また、PHPでWebサービスを効率的に開発するためのフレームワークも豊富に用意されており、今後も活用範囲の拡大が期待できる言語です。
PHPで開発するには、PHPがインストールされたWebサーバーが必要です。しかし、個人で学習するのであれば、ローカルで環境を構築できるMAMPなどのツールやWEBでの学習サービスもあります。
4.5.Java
Javaはプログラミング言語の中でも汎用性の高い言語で、デバイスやOSの環境を問わず動作します。そのため、現在でも多くのエンジニアの支持を受けながら、教育から開発現場まで幅広く利用されています。技術的な難易度が高く、すべて習得するには時間がかかるため、学習コストも高くなりがちですが、人気のある言語ですので習得しておいて損はないでしょう。
Javaの開発には、JDKのインストールが必要です。その他、Eclipseなどの開発環境がよく利用されています。
4.6.Swift
SwiftはAppleが2014年に発表した言語で、主にmacOSやiOSなどのアプリケーションを作成するために用いられます。Swiftはシンプルな言語仕様で誰でも簡単に開発できることを目的としていますので、エンジニアとして開発経験があるのなら、習得はそれほど難しくないでしょう。
Swiftの開発にはMacの統合開発環境であるXcodeが必要ですが、Macを持ち合わせていない方や、試しにちょっと触ってみたいという方には、ブラウザ上でSwiftを実行できるサービスもあります。
5.効率よく学習するためのおすすめサービス
プログラミングを学習しようとしても、独学ではなかなか継続するのが難しいのが実情です。そこで、効率よくプログラミングを学習するためのおすすめのサービスを紹介します。
5.1.progate
Progateは初心者でも独学できる実践的でわかりやすいレッスンで、イラスト中心のスライドで楽しくプログラミングを学ぶことができます。
実際にブラウザ上でプログラムを書いて、動作を確認できるため、面倒な学習環境構築の手間が省けます。プログラミングの学習を楽しく進められる工夫を凝らしているため、挫折することなく最後まで進められやすいサービスといえます。
5.2.Schoo
Schooはさまざまな言語を学ぶことができるオンラインの動画学習サイトです。各種プログラミング言語の入門編授業も豊富に扱っています。
また、プログラミング以外にもデザインや営業、企業についての動画など幅広く公開されています。
すべての授業を受講するには月額980円のプレミアムプランの登録が必要ですが、プログラミングスクールに通うより少ない費用で済みますので、短期間で言語を習得したい方なら十分元は取れるでしょう。
5.3.ドットインストール
ドットインストールは、3分ほどの短い動画でプログラミングを学ぶことができるプログラミング学習サイトです。
2020年現在では、6,000本以上もの動画が公開されています。全ての動画を受講するにはプレミアム会員の登録が必要ですが、基礎的な内容に関しては無料で受講することが可能です。
1本1本が3分程度で作られているため、忙しい方でも空いた時間を活用しながら進めていく事が可能です。また、登録も簡単なので、興味のある言語については受講してみることをおすすめします。
6.まとめ
ここでは、最新のプログラミング言語別の年収やランキングを紹介し、その中から最も将来性があり、独学におすすめの言語や学習サービスを紹介しました。
今後エンジニアは不足すると言われていますが、時代に合ったキャリアプランを考えていかないと思うように転職できなかったり、需要が少ないため希望の職に付けなかった……などの事態になることも考えられます。そのため、近い将来の需要やトレンドを見据えてキャリアアップを考えていくことをおすすめします。
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