急速に拡大を見せるリモート市場の代名詞といえるリモートワークシンガポールバリ島に拠点を置きながら働くIT批評家の尾原和啓氏にリモートワークについて話を聞いた。

「最大のメリットは、仕事の生産性が上がること。通勤や取引先への移動時間が節約でき、満員電車ストレスからも解放されるからです。また、リモートワークが当たり前の社会になれば、働くことに距離が関係なくなってくる。地方や海外など、住みたいところに住む生活が実現できますよ」

 生産性が向上することで、危機に晒される仕事もあるという。

「価値のない人材がはっきりするので、生産性がない人に対し『いる意味あるのか?』と評価がシビアになります。さらに追求すれば、距離に縛られず人件費が安いところに仕事を発注できるので、今ある仕事がなくなる可能性も出てくる。アメリカでは、コールセンターの仕事が、人件費の安いインドなどの海外に奪われました。日本語の翻訳技術が進めば、日本でも同じ未来が待っているといえます」

 しかし、日本人リモートワークに向いているとも。

「日本は、直接会うことや書類、ハンコを重視しているため、リモートワークハードルが高かった。ですが、日本人の真面目な気質はリモートワーク向き。他国だと、サボっていないかPC画面を監視する体制を敷くこともあります。その点は他国よりもマッチしているのです」

 今後、リモートワークはどのように定着していくのだろうか。

「週3日は家、週2日は会社、というような働き方が出てくると思われます。雑談などの非目的型のコミュニケーションは、リモートだとカバーしにくいので、出社する日は必要ですが、出社は数日で十分。そうすれば、オフィスの家賃も大幅にコストカットできます」

 コロナショックが終息した時こそ、リモートワークの真価が問われるということだ。

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【IT批評家・尾原和啓氏】
執筆家としても活動。リゾートワーカーとして海外に拠点を置く。著書に『どこでも誰とでも働ける』(ダイヤモンド社)など

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[リモートの限界に挑戦]―