箱崎りえさんが作った「豊間のトトロ」と呼ばれる作品 東日本大震災の発生から3ヶ月目となる2011年6月11日メディアジャーナリスト津田大介さんがプロデュースするライブイベントSHARE FUKUSHIMA」が福島県いわき市セブンイレブンいわき豊間店で行われる。

 同店は、夏は海水浴客でにぎわう豊間海岸のすぐ近くにある「海のコンビニ」。海に近いことが災いして、3月11日には津波の直撃を受けた。店舗は大破し、鉄の骨格のみが残る状態。現在は本部から借りた移動販売車を利用してなんとか営業している。

 津田さんがセブンイレブンいわき豊間店を取材で訪れたのは、5月中旬。そのとき、店長の金成伸一(かなり・のぶかづ)さんから聞いた次の一言が胸を打った。

「つらいことはたくさんあるけど、ここで楽しいことをたくさんやって、楽しいことでつらいことを上書きしたいんだ」

「SHARE FUKUSHIMA」会場のセブンイレブンいわき豊間店 コンビニの前には、ゴジラの巨大オブジェが設置され、店を訪れる客の目を楽しませていた。それからしばらく後には、金成店長のいとこにあたる陶芸家、箱崎りえさんが作った「豊間のトトロ」と呼ばれる作品も飾られるようになる。この「トトロ」は、津波で流れ着いたブイにペイントを施した、大きな卵型のオブジェである。

 一方、津田さんは、友人のアーティスト、渋谷慶一郎さんと七尾旅人さんから

「福島の被災地を見て、その場で音楽を奏でたい。でも自己満足でやるのではなく、僕らが向こうで音楽を奏でる必然性を作ってほしい」

という要望を受けていた。

 大きな被害を受けた福島の地で、「楽しいことをやりたい」というコンビニ店主と「福島の人のために音楽がしたい」というアーティスト。その二者を結びつければいいと気づくのに、それほど時間はかからなかった。

「SHARE FUKUSHIMA」会場となるセブンイレブンいわき豊間店の裏側。ライブはこちら側から鑑賞する ライブは、屋根と鉄骨だけの店舗をステージにみたて、14時30分から始まる予定だ。渋谷さんと七尾さんのほか、いわき市在住のアーティスト、YDMさんも参加する。仙台からは、ツイッターでつながった賛同者から、この日のためにグランドピアノも送られてきた。

 イベントの告知サイトに、津田さんは記している。

「今回のイベントコンセプトシンプルです。一流のアーティストたちが共演するパワーを具体的に被災地の復興につなげる。そして、イベントをきっかけとしてセブンイレブンいわき豊間店を『楽しいことが集まる場所』にするということです」

大住有亀松太郎

◇関連サイト
SHARE FUKUSHIMA
http://www.asaho.net/share-fukushima/index.html

箱崎りえさんが作った「豊間のトトロ」と呼ばれる作品