北朝鮮が、警察庁に相当する人民保安省の名称を「社会安全省」に変更したことが3日、同国メディアの報道を通じて確認された。

同省は、1951年に内務省から独立して発足。当時の名称も社会安全省だった。翌年、内務省に再統合されたが、1962年に再び独立した機関となった。1972年に社会安全部に名称を変更。1983年に社会安全省の名称に戻った。

2000年4月、人民保安省に改称。2010年4月には人民武力部、国家安全保衛部とともに国防委員会の直属となり、名称も人民保安部となったが、2016年には人民保安省に戻った。同年、国防委員会の廃止に伴って国務委員会の直属となり、朝鮮労働党中央軍事委員会にも所属している。

朝鮮中央放送は2日、建設中の平壌総合病院に関するニュースを伝える際、「社会安全省で(病院建設現場の)支援事業を行った」と言及した。これに先立つ5月24日、朝鮮中央通信は党中央軍事委員会拡大会議の開催を伝える記事の中で、人民保安省の名称を用いており、同会議の結果、組織名が変更されたとみられる。

一方、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は2日、平壌在住の消息筋の話として、名称変更とともに「社会安全省の組織改編が進行中で、部署によって組織や人員が拡大したり、縮小したりする見込みだ」と伝えた。

2005年3月、サッカーの国際試合で北朝鮮がイランに敗北を喫した試合で審判の判定に納得できないと保安員と揉める北朝鮮の観客。