21年秋から女子プロサッカーリーグとなる「.WEリーグ」の発足が決定

 日本サッカー協会JFA)は3日、日本初の女子プロサッカーリーグとなる「.WEリーグ」を2021年秋に開幕することを発表した。オンライン記者会見には田嶋幸三会長、佐々木則夫女子新リーグ設立準備室長、なでしこジャパン(日本女子代表)の高倉麻子監督、今井純子女子委員長が出席。新リーグは秋春制を採用して、1年目は6~10チームスタートする。参入クラブは今秋に決定する予定となっている。

 女子サッカー界への大きな期待が込められた会見となった。JFAは日本初となる女子プロの新リーグ、「.WE リーグ(Women Empowerment League)」を設立することを発表。なでしこリーグ日本女子サッカーリーグ)の上位に位置する日本女子サッカー最高峰のリーグで、参入クラブ6~10チームは今秋に決定する見通しとなった。世界を物差しにした新しいチャレンジの秋春制を採用し、最低年俸も設定されることとなった。

 東京五輪が予定されていた今年は、スポーツ界にとって大きな変革を迎えるはずだった。だが、新型コロナウイルスの影響を受けて変革は思わぬ方向へと進んでいった。当初から予定されていた21年の女子プロ発足。この状況下では延期となっても仕方がなかった。それでも、会見では田嶋会長や佐々木室長らが「今」にこだわる理由を丁寧に説明した。

日本サッカー協会は昨年来、女子のプロ化に関して多くの時間をかけて議論してきた。5年間10億円投資することを議論してきた。だけど、今年の3月からコロナの影響もあり多くのことを変更せざるを得なくなった。そのなかで、3月の評議委員会で予算を変更したが、コロナ対策として7億円、女子サッカー3億円という予算を残した。選択と集中をしっかりしながら、投資するものには投資して、我慢するものは我慢する。女子サッカーにはしっかり投資していく。新しいプロリーグを設立していいのか議論があったなかで、今こそ踏み切るべきという結論に至った」

 田嶋会長は女子サッカー界に投資することを改めて明言。現在、我々は緊急事態宣言が発令されるなど、これまでに経験のない自宅待機や”スポーツのない”日常と向き合ってきた。ウェブを通した会見や会議だけではなく、オンライン飲み会など新しいアイデアも多く出てくるなかで、社会は変化の時を迎えている。そんな”今”だからこそ、「サッカーフィールドから社会を変えられないか提案する」(田嶋会長)という。

大きなテーマ「女性の社会進出」に込める思い

 そのなかには、「女性の社会進出」が大きくテーマに掲げられている。今回のビジョンは「世界一の女子サッカーを」「世界一アクティブな女性コミュニティへ」「世界一リーグ価値を」という3つが核。2011年ドイツ女子ワールドカップ(W杯)でなでしこジャパンは頂点に立った。すでに10年近く経とうとしている今でも、当時の衝撃を忘れられない人は多いだろう。日本女子代表を監督として率いていた佐々木室長は「同じものを目指し、その思い、意思を体現したからこそ、認知のない小さな選手たちが日本に思いもよらぬ勇気と感動を届けた。スポーツには力がある。人を元気にすることができる」と振り返った。そんな力を目の当たりにした経験があるからこそ、佐々木室長は同リーグにおいての理念を「女子サッカースポーツを通じて夢や生き方の多様化発展に貢献する」と説明した。

 女性の社会進出において多様化されたライフスタイルを提案していくこと。引退後もサッカーに携わり続ける人もいれば、結婚して子供を産む人もいる。プロという厳しい社会を乗り越えてどのような道に進むのか。以前にどのような”厳しいプロリーグ”になるのか。未知数な部分は多い。だが、新型コロナウイルスの影響を受ける今だからこそ、大きな舵を切った。

「.WEリーグ」のロゴは黒文字というシンプルなものだった。それを佐々木室長は「今後カラーは様々な発展にともなって考慮していこうと思っている。現実には一色固定とは考えていない」と話した。固定観念に縛られず、柔軟にライフスタイルを受け入れる。それが飛躍のきっかけとなる。このプロ化が世界中の女性へ届くメッセージとなれば、一つ成功だったと言えるはずだ。(Football ZONE web編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)

なでしこジャパンの高倉麻子監督【※画像はスクリーンショットです】