新型コロナウイルス感染症COVID-19)の流行と共に起きた、買いだめ。いつも普通に買えるものがお店の棚から一斉に消えてしまうと、焦ってしまいますよね。2020年3月「日経ビジネス『買い占めに走る消費者は「間抜け」なのか?』」でも、メディアと人々の関係による心理変化など、買いだめが発生するメカニズムについて取り上げられています。そこで今回は、人々が買いだめした商品や、買いだめに走るその理由について解説します。

なぜ、買いだめしたくなるの?その背景と心理 

多くの人が買いだめした、その理由とは。背景と心理についての専門家の見解として、

・ メディアが空になった棚などの映像を繰り返し放送することで不安が全国に拡散した

・ 「制限されるほどほしくなる」という、心理学上の「心の反動作用」がはたらいた

といった2点の要因がクローズアップされています。マスクを例にとれば、「各地で売り切れが続いている」「ネットで高値の売買がおこなわれている」という報道が結果としてマスクの希少性を過剰に高めてしまい、人々に「私も買わなければ」と危機感を募らせてしまった、ということです。

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 買いだめしたのはこんな商品

今回の現象、具体的にはどのようなものが買いだめされているのでしょうか。

「やはりマスク。いつ事態が収まるかもわからないので、1枚でも多く手に入れて備えないと不安で仕方ない。我が家には要介護の高齢者もいるので」(NN 49歳)

「手指消毒用のアルコールを、どの店にいっても見つければ買っている。感染予防にはアルコールが有力と聞いているので、ストックしたい」(SK 32歳)

トイレットペーパーやティッシュはマスクと同じ紙製品だから品薄になるとママ友から聞いて買いだめした。後でそれはデマだと知り、反省」(TS 27歳)

レトルト食品。夫も子どもも家にいるため、なんとなく必要かなと思って」(RM 35歳)

ホットケーキの粉。今、品薄だと報道されていたので、つられて自分も買ってしまったが、結局あまり必要ではなかった」(UG 32歳)

「ガーゼ、手ぬぐいなど、手作りマスクの材料になりそうなものを手あたり次第。100均では手芸コーナーで布やゴムひもの争奪戦に近い状態だった」(WA 41歳)

購入した方々は、本当に必要だと判断した方や、ママ友のネットワーク、報道などの情報から判断した方など、さまざまでした。

新しい生活様式、常備しておくとよいものとは?

それでは、現在私たちが安心して暮らしていけるよう、本当に買うべきものは何なのでしょうか。厚生労働省新しい生活様式」の実践例の「一人ひとりの基本的感染対策」によれば、外出時、屋内にいるときや会話をするときは症状がなくてもマスクを着用することや、手洗いは30秒程度かけて水と石けんで丁寧に洗う(手指消毒薬の使用も可)ことの必要性を説いています。したがって、以下のものを適切な量、常備しておくとよいのではないでしょうか。

マスク

終息まで、まだまだ予断を許さない状態です。飛沫感染を防ぐため、公共の交通機関乗車時をはじめ、人との距離が近い場所でのマスク着用は必要です。

せっけん

ウィルス除去の基本、手洗い。水のみではなくせっけんを使ってしっかり30秒程度、汚れを落とすようにしましょう。

手指消毒薬

アルコールジェルやシートなどで手指を消毒するのも、せっけんいよる手洗い同様、ウィルス除去に効果的とされています。手洗い用の水がない外出先でも、持ち歩いていると便利ですね。

情報を冷静に収集して、判断を

現在、私たちは「新型コロナウイルス感染症COVID-19))関連の情報に触れない日はありません。当然、不安にもなれば憤りを感じることもあります。しかし、こんなときだからこそ、情報を冷静に収集し、報道から得る情報と平行して、実際に自分の生活圏にあるスーパーやドラッグストアの状況を見ながら判断していきたいものですね。

「本当に今必要なものを必要なだけ買う」ことは、私たちの日常を守り、家計への余分な負担も減らすことにつながります。


【参照】
日経ビジネス「買い占めに走る消費者は『間抜け』なのか?
厚生労働省新しい生活様式」の実践例