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ロータリー、マツダの印象強いけど

textKentaro Nakagomi(中込健太郎)

今年創立100周年を迎えたマツダ。やはりそのアイデンティティとして、多くの人のこころと記憶に残っている技術と言えばロータリーエンジンではないでしょうか。

フルラインナップでロータリーエンジン車を展開し、ル・マン24時間耐久レースで初めて優勝した日本車787Bロータリーエンジン車でした。

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マツダ787B    マツダ

コンパクトスペースで滑らかに高出力を稼ぎ出すことのできるエンジン。実は研究レベルではかなり多くのメーカーが手掛けていたようですが、実際に完成車に載せたメーカーマツダ以外にも存在します。そんなメーカーをご紹介しましょう。

メルセデス・ベンツ

1969年フランクフルトモーターショーデビューを飾ったC111。これは280psの3ローターロータリーエンジンを搭載したスポーツカー

ガルウイングタイプの未来志向なデザインを纏ったこのクルマは、1954年に登場したW198型300SLの真の後継車と目される存在でした。

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メルセデス・ベンツC111    メルセデス・ベンツ

翌年には改良型C111-IIとして4ローター化、350psまでパワーアップさせたモデルをジュネーブ・モーターショーで発表しています。

しかし、同等排気量のレシプロエンジンに対して燃費が著しく悪いなどの理由でロータリーエンジン車開発はストップします。

C111も12台が製作されたものの、量産には至りませんでした。

後にエンジンをV8に載せ替えられたC111-IVは、レコードブレーカーとして1979年403.978km/hという速度記録を樹立している。

NSU

もともマツダの技術もここから提供されたものでした。フェリクス・ヴァンケルが開発をスタートし、発明した技術こそロータリーエンジンでした。

ちなみに社名は、同社があった、ネッカー川とズルム川が合流する街ネッカーズルム(Neckarsulm)に由来します。

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NSU Ro80    AUTOCAR

もともとはニット編み機メーカーから始まったNSU。1892年には完全にオートバイメーカーになり、のちにホンダに抜かれるまでは世界最大のオートバイメーカーだったといいます。

自動車の製造は1905年からスタート1932年に自動車部門はフィアットに買収されています。

1964年に世界初のロータリーエンジン搭載車「ヴァンケルスパイダーを、1967年にはセダン初のロータリー車「Ro80」を発売しました。

しかし、NSUはローターハウジング内にチャターマークと言われる波状摩耗を起こす致命的トラブルをはじめ、様々なエンジントラブルを克服できず、実際に数多くのクレームが寄せられ、経営に大きな影響を及ぼしました。

これを受けて、Ro80のレシプロエンジン版というべきK70を発表。この発表を目前に控えた1969年にNSUはフォルクスワーゲン傘下となり、ほぼ同時期にフォルクスワーゲン系列になったアウトウニオンに吸収、現在のアウディの原点の一角になりました。

K70はビートルイメージに偏り過ぎたブランドイメージからの脱却を図るためにフォルクスワーゲンブランドで販売されます。

Ro80も1977年まで生産されますが、この生産終了と共にNSUブランドは消滅しました。

シトロエン

ハイドニューマチックサスペンションやFFモノコック構造のボディなど、他に類を見ない技術を、先駆的かつ独創的に取り入れるシトロエンも、ロータリー車を生産していたことがあります。

NSUがロータリーエンジンを発表すると、そんなシトロエンは興味をしめし、1967年にはNSUと業務提携を開始します。

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シトロエンM35    AUTOCAR

その合弁で誕生したコ・モトール社でエンジンを製造し、アミ8をベースユーリエで専用のクーペボディを載せた、「M35」を1969年に発表します。

497.5ccの水冷1ローターエンジンを載せたこのクルマは一般に広く販売されたわけではなく、シトロエンを長年愛用してきたシンパシーのあるユーザーのもとにモニター販売で納められ実用上の問題点、耐久性などのテストを行った、という意味合いが強いようです。

これは結局1971年までの間に267台が生産されたのちに、テスト終了後は、返却しシトロエン車を好条件で購入するか、M35を乗り続けるかを選択させられました。

乗り続ける場合、補修部品の供給は行わないという条件を受け入れさせられた、というエピソードも残っているようです。

市販車としては1973にGSのロータリーエンジンを搭載した「ビロトール」が最初ということになります。

これはM35に搭載していたローターを2つ用いた複式ローターエンジン車で、シトロエン初の横置きエンジン車でもありました。

自動変速機Cマチックと組み合わされ、1年余りの間に847台が生産されました。

この頃シトロエンを傘下に収めたプジョーの意向で、販売されたGSビロトールはメーカーによって回収、相当数はスクラップになっている模様です。

今ではこのエンジンをリビルトできるショップもあるようですが、現存台数は少なく希少な存在となっています。


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