今はまだ元気な両親も、いつかはこの世を去る日が来ます。その時、葬儀は、お墓は、銀行口座や遺言は、どうすれば良いか家族で話し合っていますか?

親が元気なうちにやっておくべきことについて、生前整理や遺品整理などを手掛ける会社「ココロセイリ」の荻原悠史さんに聞きました。

葬儀、銀行口座、エンディングノート…手遅れになる前に親子で話したいこと

生前に両親と葬儀やお墓の話をしっかりしておく

お葬式

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みなさんは、実家のお墓参りをしていますか? 実家のお墓がどこにあるか知らない、という人はほとんどいないと思いますが、いざ両親がお墓に入るとなった時にどんな段取りを取ればいいのかわからないという人はたくさんいると思います。

また、葬儀についても同じことです。どこで、どのくらいの予算で、誰を呼べばいいのか。具体的に考えてみると、よくわからないことがたくさんあるものです。

生前にご両親とお話できるのなら、葬儀やお墓、できればもっと踏み込んだ話もしておくことをおすすめします。

病院

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病院にもよりますが、亡くなるとだいたい2時間くらいでベッドを空けなければいけない場合が多いです。その間に葬儀業者が来て、言われるがままにいつの間にか葬儀の内容や場所が決まっていた、という話もよく聞きます。

生前に故人が「質素にしてくれ」と言い残していたとしても、親戚から横やりが入って結局出費がかさんでしまう、というケースも多くあります。大まかな予算や声をかけてほしい人のリストなどがあると、遺族は大変助かります。

親の他界後に銀行口座は凍結される!回避するには…

通帳

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銀行口座や資産など、お金まわりの手配もしておきたいものです。というのも、口座名義人が亡くなると銀行口座は凍結されてしまい、親族といえども引き落としができなくなってしまいます。

また、口座名義人が認知症などになってしまった場合も、引き落としができません。「まだ大丈夫」と思っていても、高齢の両親にはいつ何が起こるかわからないのです。

そこでおすすめしたいのが家族信託です。家族信託の契約書を交わしておけば、資産を託された家族が口座のお金を引き出すことができます。家族信託とは、資産を持つ人が自分の資産の管理や処分を信頼できる家族に託すこと。

同じような制度で「成年後見人」というものがありますが、こちらは基本的に親族以外の第三者(司法書士など)が就任します。生前から財産の管理を行うことができるなど、家族信託の方がより柔軟な制度といえます。

エンディングノートをきっかけに

エンディングノート

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また、現在住んでいる家をどうするのかも、話しておくべきです。売却するのか、それともリフォームをして誰かが住むのか、方向性だけでも決めておきましょう。

ですが、元気なうちに墓や葬儀、銀行口座や不動産などについて話を切り出すのはなかなか難しいもの。そういう場合は、エンディングノートをきっかけにするのもひとつの方法です。

市販のエンディングノートは「自分史」的な意味合いも強いので、気楽に勧めやすいタイプのものもあります。もちろん、銀行口座や葬儀の希望など、必要なことはきちんとおさえているので、両親に今後のことを考えてもらう機会としてピッタリです。

本人に聞けなくなってしまってから後悔しても遅いのです。親が元気な今のうちに、ぜひ一度話し合いをしてみてはいかがでしょうか。

エンディングノートは遺言にはなりません

荻原悠史さん

教えてくれた人/ココロセイリ代表取締役・荻原悠史さん。遺品整理士、事件現場特殊清掃士等の資格を持ち「日本一正直な遺品整理業者」として関東エリアメインに遺品整理、生前整理、買取、供養、特殊清掃などのサービスを展開

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