愛車のドレスアップの基本中の基本は「ホイール交換」ということは今も昔も変わりません。最も気軽に愛車を個性的にすることができる「ホイール交換」ですが、ただ純正サイズと同じサイズのホイールに変えるだけでは物足りないと考える方も少なくはないでしょう。
せっかくドレスアップするなら純正サイズよりも大きいサイズにインチアップして、見た目にアクセントを入れたいという方も多いはず。
そんなタイヤホイールのインチアップにも、気をつけなければならない点があるのです。今回は、タイヤのインチアップ(インチダウン)時における注意点を初心者でもわかりやすい形でまとめていきます。
車検に通らない可能性も!?
タイヤサイズを純正サイズから変更する際に気をつけなければいけないのが「車検に通るか通らないかの確認を怠らない」ことです。
その理由は2点。1つは「タイヤの外形を合わせる」こと。もう1つは「タイヤがボディからはみ出さない」ことです。
車検の検査時に「スピードメーターが40km/hの時の実速度との誤差を測る」という項目があり、この計測時にメーターが指す速度と実測値の誤差が大きいと車検に合格しません。
基本的に、車のスピードメーターが指す速度は純正サイズのタイヤの外形(大きさ)をベースに計測するようにプログラミングされています。そのため、純正タイヤよりも外形が小さい場合は実際のメーターが指す速度よりも実測が遅く、逆に大きい場合は実測の方が早いという結果になる可能性があります。
タイヤのサイズを変更する際はタイヤの外形を計算してくれるサイトもありますので、事前に確認をするようにしましょう。(参考:「タイヤ外径計算機」AUTOWAY LOOP)
タイヤのはみ出しについては2017年6月22日に保安基準が多少緩められ、タイヤのラベリング部分については10mm未満の突出した部分は「はみ出しとみなさない」とされました(※1)。しかし基本的にボディからはみ出すことは厳禁です。ボディからタイヤやホイールがはみ出さない範囲で行うことが鉄則です。
タイヤのインチアップやローダウンをして「シャコタン・ツライチ」がかっこいいとよく言われていますが、ショップ等と相談して緻密な計算をするようにしましょう。
ドレスアップ目的でのインチアップをするときに気を付けたいこと
タイヤは店頭だけでなくインターネットでも気軽に買える時代です。だからこそ気をつけたいポイントがあります。
タイヤを購入する際にタイヤの外形を計算したうえで購入をするかと思いますが、意外と気にされていないであろう項目が「LI(ロードインデックス)」です。
タイヤメーカーDUNLOP(ダンロップ)では、「ロードインデックスとは、タイヤ1本で支えることのできる最大負荷能力を示す指数です。タイヤのカテゴリーによって、最大負荷能力に対応する空気圧が異なります。車両の軸重(それぞれの車軸にかかる重さ)に対して、負荷能力が不足するタイヤを装着すると、タイヤの損傷につながります。」(※2)
と、紹介しているように大事な項目なのです。
とくに車重の重たいミニバンなどでインチアップをする際は気をつけたいところ。安価すぎるタイヤなどをチョイスすると、ボディの車重を支えきれない可能性が大いにあります。
ロードインデックスの基準が満たされていないと車検にも通らなくなってしまいますから、しっかりと確認しましょう。
インチダウンはコストダウンにつながるが・・・
最近の車のタイヤは大径化が進んでいて、交換するにも費用がかさむのが悩みの種。こういった場合、標準サイズよりもインチ数を下げることでタイヤの費用を下げることができます。主にスタッドレスタイヤを購入するときに使えるテクニックとしても知られていますが、夏タイヤでも有効な方法です。
インチダウンをする際には、「新たに購入するホイールがブレーキに干渉しないか」をしっかりとチェックすることが大切になります。
インチダウンによってタイヤのゴム部分が増える関係もあり、乗り心地がややマイルドになる反面、ハンドルを切った際の応答性が多少鈍くなることもありますので、一長一短ともいえるでしょう。
まとめ
「おしゃれは足元から」とも言われることもあり、車の足元を変えることで気分も見た目も大きく変わります。
その一方で気をつけなければならないポイントも多くありますので、しっかりとプロに相談しながら決めることをおすすめします。
参考
「タイヤ外径計算機」AUTOWAY LOOP
(※1)「審査事務規程の一部改正について(第 11 次改正)」独立行政法人 自動車技術総合機構
(※2)「ロードインデックス(LI)」ダンロップ
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