お湯を注ぐだけで簡単に作れる「フリーズドライ食品」。料理を作る気力がない日や、あと一品手軽に欲しい時など、活用されている方も多いのではないでしょうか。

 今回紹介するのは、ゆっくり科学tutorさんが投稿した『生活の科学を解説~フリーズドライ~』という動画です。音声読み上げソフトを使用して、同人ゲーム東方Project』の博麗霊夢(はくれい れいむが、フリーズドライ食品がどのようにしてできているのか、また、メリットとデメリットについて紹介していきます。

投稿者メッセージ(動画説明文より)

生活に身近な科学を解説する動画となります。
今回は、フリーズドライについてです。
昇華や蒸気圧曲線 が使われている例としても
科学を身近に感じてもらえれば幸いです。


フリーズドライは凍結したままの状態で乾燥させる方法

 博麗霊夢

霊夢:
 まず、フリーズドライとは何なのか。一言でいえば凍らせる乾燥の方法です。凍らせることがどうして乾燥と関係があるのか。

 その原理は、山頂だと気圧が下がって水の沸騰する温度が100℃よりも低くなることと同じなんだ。気圧というのは、気体が圧している力のことで、イメージとしては低い温度で水が沸騰しないように、気圧が押さえているんだ。

 つまり気圧が低いと押さえている力が少なくなって、より低い温度でも沸騰しやすくなるというイメージだね。

霊夢:
 じゃあ、もっと気圧、つまり圧力を下げていくと、どうなるか。水だと沸騰する温度がどんどん低くなっていくんだ。水の場合だと、温度をマイナス数十度まで下げると、個体の氷から直接気体の水蒸気になる性質があるんだ。

 これはドライアイスと同じ現象で、「昇華」と呼ばれているよ。つまり、「フリーズ」はマイナス数十度にまで凍らせること、そして「ドライ」は水蒸気として、水分を抜いて乾燥させることを表していたんだね。

メリットは「形状が小さいこと」「栄養や香りを維持しやすい」

霊夢:
 でも乾燥させるだけだったら、加熱でもできるよね。実はフリーズドライの凍らせることには、ふたつメリットがあるんだ。ひとつめは、形状の変化が小さいこと。まず、形状の変化が小さいことでどうなるかというと、中に空洞がたくさんいるんだ。食材はたくさん水分を持っているよね。凍らせたときに、小さな氷の粒が食材の中に、たくさんできるんだ。

霊夢:
 そして気圧を下げるとどうなるか。全体から少しずつ氷が水蒸気となって抜けていく「昇華」が起きるんだ。そうすると、元々存在していたたくさんの小さな氷の部分が空洞になるんだ。この空洞が広くたくさんあることで、お湯を注いだ時にこの利用して、お湯が内側までいきやすいんだ。

霊夢:
 そして凍らせるメリットのふたつ目は、栄養や香りを維持しやすいということ。これはどうしてかというと、たとえばお鍋をぐつぐつ煮込んでいると、いい香りがするよね。あれは香りの成分が水蒸気みたいに気体になっていて、少しずつ香りが減っているんだ。

霊夢:
 栄養に関しては飛んでいったりするものはあまりないんだけど、熱に弱いものがある。だから、熱をあまりかけないフリーズドライって、比較的栄養や香りが残りやすいんだ。

デメリットは「劣化しやすい」「値段が高い」

霊夢:
 フリーズドライってメリットしかないの? と思うかもしれないけど、実はデメリットがふたつあるんだ。ひとつめのデメリットは、中に空洞がたくさんあること。これはメリットにもデメリットにもなる。空洞が多いことで、内側も空気と触れやすいので、湿気たり酸化が起きやすく、劣化しやすいんだ。

霊夢:
 作っている会社では、劣化を防ぐために、未開封時に空気に触れにくいように、いろいろな対策をしてくれているんだ。だから、フリーズドライはデメリットを克服した、保存のできる方法として使えているんだね。

 もうひとつのデメリットは、凍らせたりする手間がかかるということ。手間がかかっているから、値段が少し高くなってしまうことは仕方がないといえるね。

霊夢:
 とはいえ、私たちの料理をする手間を大幅に省けて、時間というコストがかからなくなるから、考え方次第ではあるね。

 香りや栄養もキープしたまま、手軽に摂取できるフリーズドライ食品は、まさにテクノロジーの進化の賜物ですね。解説をノーカットで楽しみたい方はぜひ動画をご視聴ください。


▼動画をノーカットで楽しみたい方は
こちらから視聴できます▼

生活の科学を解説~フリーズドライ~

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