
今月1日、台湾の高速道路で、テスラ車が、事故で横転したトラックに激突するという事故があった。
テスラ社の「TESLA モデル3」に乗っていたドライバーは、速度を110kmに設定し、オートパイロット運転中だった。
車の回避機能をあてにしていものの、想定外の状況にとまどったモデル3はそのままトラックに衝突。幸いにも重傷者は出なかったが、見通しのよい道路で起きた車の衝撃的なクラッシュ映像がネットを巡っている。
―あわせて読みたい―
テスラ社の自動運転車がAIロボットをひき殺すという事案(アメリカ)
車の中にいる犬たちの安全を守る!テスラ車に新機能「ドッグモード」が搭載される(アメリカ)
高速道路で居眠り運転をする車を発見!でも大丈夫、自動運転のテスラだからね?
日本で開発された空飛ぶ車がこの後すぐ!?15億円の資金調達を得て、年内に有人飛行試験を目指す(日本)
完全自動運転車はどのようにまわりを見ているのか?その視界をターミネーター感覚で見ることができる動画
國道插爆貨車車廂!特斯拉變穿雲箭畫面曝光...(翻攝畫面)
動かない長方形にとまどってクラッシュ?モデル3が大破
6月1日早朝、台湾の嘉義県付近の高速道路で起きた衝突事故の映像だ。
分離帯にいる人は牽引車を待つトラックの運転手だ。その人はモデル3に気づき合図しているように見えるが…
ブレーキらしい白煙が上がるも結局トラックにクラッシュ!
トラックがずれるほどの衝撃でつっこんでしまった
この衝突は、システムには想定外だった「動かない大きな長方形の物体」の検知に遅れがでたためとみられている。ただブレーキを作動させたのがドライバーかシステムかはまだわかっていない。
よけるでもなく正面からトラックにつっこんだモデル3。横転したトラックは食材を運んでいた保冷車だったという。
— Fred Lambert is never getting his Roadster 🐓 (@jsin86524368) June 1, 2020
幸いなことに重傷者はいなかったが大破した車は廃車に。
All that and not a single airbag in the car appears to have gone off. That should be the bigger story here pic.twitter.com/ssi9339vOO
— Fred Lambert is never getting his Roadster 🐓 (@jsin86524368) June 1, 2020
後方からの映像
— Fred Lambert is never getting his Roadster 🐓 (@jsin86524368) June 1, 2020
盛りすぎで消費者混乱?多数の警告を出しているテスラ
現地ではこのような報道がなされている。
衝突した車のドライバーは黄という名の53歳の男性だった。彼は警察にオートパイロットをオンにしていたと主張している。この車は障害物を検出して減速または停止する機能があったとみられる。しかし車は一定の速度で走行しブレーキが間に合わず事故につながった。
この男性はシステムをオンにして車の速度を時速110kmで走るよう設定したままだった、もし障害物があれば車がよけると思っていたと話しているそうだ。
ただモデル3のオートパイロット機能のマーケティングには混乱を招く部分があり、消費者から盛りすぎという声もあるという。とはいえテスラはドライバーに注意をうながす警告を多数出しているため責任を問われる可能性は低いだろう。
カメラでは厳しい。やっかいな不動物体検知
こうした不具合は以前も発生しており、特に動かない物体に関わる事故が報告されている。
テスラのオートパイロットシステムは主にカメラに頼っており、前に起きた同様の事故では、晴天時の路上で明るい色の動かない大きな物体の判別が困難であることを示していた。
一般に、不動の物体は緊急ブレーキシステムと自律システムにとってやっかいなものだが、カメラの代わりにレーダーを使うと危険な誤検知や想定外の停止が増す傾向があるそうだ。
テスラの車には全方向カメラ機能がある。しかし、こうした大きな不動物体の範囲情報については、かつてイーロンマスクが拒否したことで名高いLiDARシステムのほうが勝っているという。
不完全なシステムをあてにしたドライバーが招いた事故か
今回の衝突もまたシステムの不完全性を示唆するものだった。
また事故の映像を確認したツイッターユーザーによると、今回のモデル3のブレーキはトラックをよける他の車に比べてかなり遅かったという。
front better quality pic.twitter.com/nyLKc4Ysdy
— Fred Lambert is never getting his Roadster 🐓 (@jsin86524368) June 1, 2020
しかしこの事故では人間のドライバーが乗っていた。少しでも注意を払う人がいればただちにブレーキをかけるか、回避行動をとるのが普通でこんな形の事故はまず起きないはずだ。
目の前に危険が迫っているにもかかわらず、先端の自動運転支援システムを過信していたドライバー。真の原因は人間の不注意にあるといえそうだ。
現在売られているオートパイロット車すべてにいえることだが、重要なのは便利であっても完璧じゃない機能への理解だ。こうした車のドライバーは、たとえ機能をオンにしても気をつけなければならないことを肝に銘じなくてはならない。
完全な自律性を備えた自動車は存在しない
現在のところ、一般に利用される車の中に完全に自律的なものは存在しない。
レベル2の自律性でさえドライバーの注意が必須の不十分なもので、横倒しになった大きなトラックのように特定の障害物を確実に回避できる車もない。
この事故に関するテスラからの公式なコメントは出ていない。だが今回は警告があっても車にまかせっきりだったドライバーのほうに責任がありそうだ。
いくらオートパイロット車とはいえドライバーありきの点は普通の車と変わらない。そのへんうっかり間違っちゃうと危険だが、テスラのモデル3の場合は過去にも居眠り運転するドライバーの動画が話題になるなど無茶な運転事例がたびたび報じられている。
てかこっちの希望は車内で寝っ転がってても安全に目的地に着くスマートカーなんだけど、いっそ道路より障害物が少ない空飛ぶ車のほうがアリな気もしたり。でも揺れると寝にくそうだし微妙だな~
References:jalopnik / diggなど /written by D/ edited by parumo
全文をカラパイアで読む:http://karapaia.com/archives/52291507.html
こちらもオススメ!
―サイエンス&テクノロジーについての記事―
米海軍がレーザーでドローンを撃墜する瞬間の映像が公開される(アメリカ)
サイボーグ技術すごい。人間の眼球をしのぐほどの高性能な人工眼球が開発中(香港研究)
夢を見ているとき、脳は夢を守るために外の情報を遮断している(フランス・オーストラリア共同研究)
仕事を選ばないあの犬型ロボット「スポット」が、今度は牧羊犬に!?農場勤務に任命される
人間の細胞を宿したマウス。人と動物の差はますます曖昧に(米研究)
―動画の紹介記事―
猫だって飼い主を慰めたい。悲しんでいる飼い主の気配を察知しそばに寄り励ます猫
フェネックのかわいさ極まれり。飼い主さんの帰宅に大はしゃぎのフェネック
休園中の遊園地ではテディベア軍団がジェットコースターに乗って楽しんでいた件(オランダ)
すごい絵面だけどヒゲメンの夢叶う。ハチドリに囲まれたくてメガネにプチ餌台を装着、作戦成功!(アメリカ)
この子に「お手!」教えちゃっていいの?赤ちゃんの初めての「お手!」に戸惑うマラミュート
カラパイアの公式アプリがついにリリース!サクサク見やすい、使いやすいよ! https://t.co/0PBhJB1jK7 pic.twitter.com/M1QblHgKJ7
— カラパイア (@karapaia) 2017年12月9日

コメント