北朝鮮朝鮮労働党中央委員会統一戦線部の報道官は5日、韓国の脱北者団体が北朝鮮に向けて金正恩体制を非難するビラを飛ばしていることを非難し、報復として南北共同連絡事務所を撤廃すると通告する談話を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。

統一戦線部は、対米・対韓業務を担当する部署だ。今回の談話に先立ち、金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長は4日に発表した談話を通じて、韓国政府がビラ散布を禁じる措置を取らない場合、2018年9月の南北首脳会談で締結した韓国との軍事合意の破棄などで応じる可能性もあると警告した。今回の談話では、金与正氏が対南事業を統括していることを強調している。

談話は、「わが人民は『脱北者』というくずのような連中が働いている反朝鮮ビラ散布行為とそれを黙認している南朝鮮当局の行為にこみ上げる憤怒と嫌悪を覚えている」としながら、脱北者と韓国政府を非難した。

また、「金与正第1副部長は去る4日、談話を発表してくずの連中とそれを放置した南朝鮮当局が事態の重大さと破局的結果を深く悟って、やるべきことをまともにしろという意味深長な警鐘を鳴らした」と述べた。

つづけて、「今回の事態の重大さが民族に約束した歴史的な宣言と合意に対する重大な破棄であり、誰も願わない敵対的感情と緊張だけを激化させる無駄な行為であることを知らなくてする醜態ではないということをわれわれはあまりにもよく知っている」と強調した。

さらに、「対南事業を総括する第1副部長が警告した談話というものを慎重に肝に銘じて内容の一字一句をよく見てものを言うべきである」と金与正氏の役割を強調した。

そのうえで「いずれにせよ、飛ばすもの、壊すものは早くなくしてしまう方がよいというのが、われわれの立場である」と警告した。

金与正氏(青瓦台提供)