歯痛のため、薬局で手軽に購入できるイブプロフェンを2錠服用したタイ在住の女性が、薬物アレルギーを起こして死の淵を彷徨った。女性は全身が火傷したような状態に陥り、「身体が内側から燃えるような痛みに襲われた」と明かしている。『The Sun』などが伝えた。

タイ東部チョンブリー県に住むヨシカ・ケーカムさん(Yothika Kaewkham、25)は5月19日、歯の痛みに耐えられず市販の消炎鎮痛剤イブプロフェン」を朝と昼食後に1錠ずつ飲んだ。しかし数時間後、蕁麻疹や発疹、水疱ができ始めて全身が痛み出した。

その後症状は急激に悪化し、ヨシカさんは「身体が内側から燃えるように痛い。もうこれ以上我慢できない」と訴え、夫のソラサックさん(Sorasak)に病院に連れて行ってもらうとそのまま入院。ヨシカさんの皮膚の爛れや水疱は急速に広がり、擦れた皮膚の表面がポロポロと剥がれ落ちてピンク色の部分が露出した。まるで全身を火傷をしたような状態に陥ったヨシカさんは、集中治療室で7日間治療を受け、その後一般病棟で医師の監視下のもとさらに7日間入院した。

退院こそしたものの、医師には「身体が完全に回復するまでにはかなりの時間がかかるでしょう」と告げられ、ヨシカさんは「薬物アレルギーは本当に恐ろしい」と語っている。

タイ食品医薬品局の副局長であるSurachoke Tangwiwat医師は、ヨシカさんの症状について「かなり深刻な薬物アレルギーです」と述べ、こう続けた。

「彼女の場合、命の危険もありました。こうやって回復できたことは幸運としか言いようがありません。イブプロフェンが原因のアレルギーは、解熱鎮痛剤アセトアミノフェンパラセタモール)などと比べると発症例が多く、患者が処方箋なしで薬を服用したことで死亡したケースも少なくないのです。」

なお米食品医薬品局はイブプロフェンアレルギー反応として、蕁麻疹、顔の腫れ、気管支喘息、紅斑、発疹、水ぶくれ、ショック症状などをあげている。ただし薬や感染症などがきっかけで発熱や痛みを伴い、水疱や爛れにより表皮が体表面積の10%以上剥がれると「スティーヴンス・ジョンソン症候群SJS)」に、30%以上になると「中毒性表皮壊死症(TEN)」と診断される。TENは重篤な疾患で、多臓器不全や敗血症などの合併症で死亡する確率は約20%にものぼるという。

ちなみに2016年には、米インディアナ州在住の男性がうつ病治療薬の副作用でスティーヴンス・ジョンソン症候群を発症した。男性は顔や胸まわりの皮膚が剥がれ、両目の失明も心配されたが回復し、壮絶な体験をブログに綴っている。

画像は『The Sun 2020年6月4日付「RARE REACTION Shocking photos shows woman’s horrific reaction to ibuprofen that left her ‘burning from the inside out’」(Credit: Viral Press)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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