中村倫也の人気と勢いが止まらない。

【写真を見る】寝顔もキュート!さまざまな顔でファンを魅了する中村倫也

2020年6月現在のTwitterのフォロワーは125万人超。そこで始めた手書きイラストをつないだ動画「○○を飼ったらやりたいこと」シリーズや、所属事務所YouTubeで配信されている「中村さんちの自宅から」(シリーズ32まで!)が人気で、中村が自宅からカメラに向かって話し掛ける姿には「彼氏感がたまらない!」とファンの心をキュンキュンさせている。

役者としても、連続テレビ小説「半分、青い。」(2018年NHK総合ほか)や「凪のお暇」(2019年TBS系)の“ゆるふわ男子”から、「初めて恋をした日に読む話」(2019年TBS系)のツンデレ元ヤン教師、さらには「美食探偵 明智五郎」(日本テレビ系)での変わり者探偵まで幅広い役柄を演じており、女子の心をわしづかみにしている。

そして、公開延期となっていた主演映画「水曜日が消えた」が6月19日(金)に公開することも決まった。同作では、曜日ごとに異なる一人7人格という難役に挑戦した中村。そこには、彼がこれまでに演じてきた役のエッセンスもたっぷりだ。そこで、彼の出演作品を“7つ”に分類し、彼の魅力も探ってみようと思う。

■ その1:“ゆるふわ系”モテ男子/「半分、青い。」「凪のお暇」

中村倫也という俳優の名を一躍世に広めたのは「半分、青い。」だろう。演じたのは、ヒロインの鈴愛(永野芽郁)が恋をする“マアくん”こと浅井正人。しかし、このマアくん、女性に優しいが「別れ際はよく切れるナイフでスパッと。これ鉄則」と言い放ってしまうモテ男。そんなマアくんが持つ“悪意のないピュアさ”は、彼が後に演じた「凪のお暇」の“メンヘラ製造機”のゴンにも通じている。ヒロイン・凪(黒木華)も彼の甘い言葉とゆるふわな雰囲気に自分を忘れるぐらいメロメロになってしまうのだから。まあ、彼女がゴンと別れるときに「ゴンさんはちぎりパンのよう(でヤバい)」と評したように、ゴンは口にするごとに違った味わいがあり、それは中村の俳優としての魅力にもつながっているのだけど。

■ その2:“ゆるふわ系”母性本能くすぐる男子/「スーパーサラリーマン佐江内氏」ほか

中村が「スーパーサラリーマン佐江内氏」(2017年日本テレビ系)で演じたのは、ムロツヨシ扮(ふん)する先輩刑事の太鼓持ち存在の若手警察官。ここで見せたムロのアドリブへの対応力はもちろん、おおよそ警察官とは思えない動きや無邪気な反応に「かわいい」という声が殺到。そして、さらに「かわいい」と話題を集めたのが、上野樹里と共演しているダイワハウス「D-room」のCM。現在もシリーズ化して放送されているが、ここで演じている気弱すぎる夫は、中村が演じる“母性本能をくすぐる男子”の代表といえるだろう。

■ その3:“クール系”関わったらヤバい男子/「ホリデイラブ」ほか

その一方で、また別の顔があるのが、中村がカメレオン俳優と呼ばれるゆえん。「半分、青い。」が放送された同じ2018年には、“狂犬”の異名を持つ血気盛んなアウトロー演じた映画「孤狼の血」が公開され、さらに「ホリデイラブ」(テレビ朝日系)ではインテリ系の束縛男を演じていた。そのどちらも対極にあるキャラクターであり、「同じ役者が演じているは思えない」と感じた人が続出したのも当然のことだろう。そして、この“関わったらヤバい男子”の頂点ともいえるのが、「ウシジマくん Season3」(2016年TBS系)で演じたサイコパスな洗脳男・神堂大道。その怪演はとてつもないインパクトを残した。

■ その4:“クール系”ツンデレ男子/「初めて恋をした日に読む話」ほか

クール系の中でも、“ツンデレ男子“というのも中村が演じてきた役柄の魅力のひとつ。その代表格といえるのが、「初めて恋をした日に読む話」で演じた元ヤンの高校教師。恋のライバルが教え子であったとしても大人な対応を見せ、それでいて好きな相手にはド直球な姿にメロメロになった人も多いはず。そのさらに上をいく“ツンデレキャラとしては、田中圭と兄弟役で共演したSPドラマ不協和音 炎の刑事VS 氷の検事」(2020年テレビ朝日系)もインテリなメガネ姿もあいまって印象的だった。

■ その5:こだわり強すぎの変わり者男子/「美食探偵 明智五郎」

この変わり者男子の代表とされるのが、現在放送中の「美食探偵 明智五郎」。ファッションも古風なら、口ぶりも古風。漫画原作だけに普通にやったら浮いてしまいそうなキャラクターだが、それを絶妙なさじ加減で演じて生身の人間として存在させているのが中村の俳優としての力量。同じ変わり者キャラを演じた映画「屍人荘の殺人」(2019年)でも自称“ホームズ”の学生探偵“明智”役に。こちらでも「美食探偵―」に引けを取らない変人ぶりを発揮している。

■ その6:女装姿も披露した美男子/「お義父と呼ばせて」ほか

CM「Simeji」のママ役や、「お義父と呼ばせて」(2016年フジテレビ系)で女装趣味のある息子を演じていたことに気づいた人はいかほどだったか。映画「影裏」(2020年)でも女性的一面を持った役を演じており、共演者の綾剛は映画の舞台挨拶で「めちゃくちゃかわいかった」と絶賛。演技力はもちろんのこと、そのビジュアルでも男も女も魅了するのが中村倫也なのである。

■ その7:俳優としての全てを集約させた主演映画「水曜日が消えた」

そして、上記のような幅広い役どころを演じてきた彼の“七変化”が一度に見られるのが映画「水曜日が消えた」。基本的にはサスペンスなので、ストーリーの多くを語ることはできないが、中村は物語の中心となる優等生系の最も地味な存在の「火曜日」のほか、バンドマンで交友関係も広い、派手な生活を送る「月曜日」、さわやかスポーツ男子の「水曜日」、職人気質の「木曜日」、穏やかな植物男子の「金曜日」、陽気でノリのいいオタクの「土曜日」、そして釣りが趣味のアウトドア派な「日曜日」の計7役を演じている。

この7役には“ゆるふわ系”も“クール系”もいて、きっと好みのキャラクターが一人はいるだろう。そんなキャラクターとしての振り幅ももちろんだが、何より驚かされるのは、撮影最終日のわずか1日で、この7役全てを演じわけていたというエピソード。これぞカメレオン俳優だからこそなせる技というべきか…。

■ 人たらし…でも、つかませない本当の素顔

かつて「ザテレビジョン」本誌のインタビューで「これまで演じてきた役柄のどれもが自分の中にある要素」と話していたが、この男には一体どれだけの数の顔があるというのか。

そういえば、「初めて恋をした日に読む話」でインタビューしたとき、初恋に関する質問の回答が、その場で妄想した「コインランドリーで出会った外国人女性との恋」。また別の取材のときは、現場スタッフ似顔絵を描いて披露してくれたりもした。「美食探偵―」で共演している小池栄子も彼を「人たらし」と表現していたが、いつも思いがけない角度からの返球で、現場の空気が和み、自然と笑いが生まれる。一方で、インタビュー中でも“カメレオン”ぶりを発揮し、いくつもの顔を見せる末恐ろしさ。だからこそ、目が離せない。それが俳優・中村倫也という男の魅力である。(ザテレビジョン・文=馬場英美)

中村倫也主演の映画「水曜日が消えた」が6月19日(金)より公開