新型コロナウイルスに注目が集まる中、中国が尖閣諸島の領海に侵入し、日本の船を追うなどの行動を繰り返している。

・【映像】尖閣諸島に中国公船 コロナ禍でなぜ過激に? 日本の背後に"米中対立"

 5日には中国の艦船が沖縄県尖閣諸島周辺海域に接近。海上保安庁巡視船が警告を発した。尖閣諸島周辺で中国船が活動するのは53日連続となっており、河野防衛大臣は「非常に強く危惧するものである」と述べている。

 同日の『ABEMA Prime』に出演した戦略科学者で「月刊中国ニュース」編集長の中川コージ氏は「我々からするとエスカレートしているように見えるが、中国としては“ルール変更“はなく、日米がどういう反応を示すか、という情報集めでやっているに過ぎない」と話す。

 「中国は常にアメリカを見ていて、アメリカが引くとそこにスポット的に入ってくるようなことをずっとやってきた。新型コロナの影響でアメリカの空母や原潜が引いたところに入る、あるいはWHOから引くことになった途端に拠出金を出すというようなこと言う。逆に言えば、アメリカが引いたにも関わらず中国が動かない、つまり“ルール変更”があった場合が怖いということだ。また、5Gしかり、香港の人権問題しかり、アメリカの制裁に対して同じ報復をするという、等価報復の原則でやってきている。あくまでも“戦いません勝つまでは”だ。軍事力、文化、経済力、あらゆる面で上に立った時に、上から目線で“手を組んでやるよ”と行くの損失が最も少ない。しかし、今はその時ではないし、戦うなんて全く意味がないと思っている。その意味では、米国の尻尾を踏むことになる尖閣にそこまで注力するとは思えなない」。

 その上で、日本の対応については「今後、アメリカが本当に一国主義に戻っていくのかどうかはわからないが、どっちに転がったとしても、固有領土である尖閣は守らなければいけないという立場には立たないといけない」とした。

 一方、国会では、日本の漁船が中国の公船に追跡された映像の公開をめぐる議論もなされている。中川氏は「理解して出していないのかどうかはわからないが、結果論から言えば、日本側が公開しないからこそ上手くいってるのだと思う。中国にとっては面子が大事だ。そこで日本側が映像を公開すればどうなるだろうか。問題の解決を考えれば、彼らの面子が保たれるようにしつつ、水面下でディールするためのツールにするということだ。外交上のルートで言ったとしても、それは軍には響かない」と指摘、習近平氏の国賓来日があるとすれば、それが「非常にいいディールのタイミングだ」との見方を示す。

 「彼がなぜ国賓待遇で来たいかといえば、やはり江沢民、胡錦濤に続く、“第5文書”という日中コンセンサスを作りたいということだ。中国共産党の正統性、もっというと習近平政権の正統性を示すためには、国賓待遇は外せない。そこで“軍に指示を出して、尖閣には来ないように言って”というディールをするということだ」。

 中川氏の言う“第5文書”とは、日中が合意した過去4つの文書、すなわち1972年の「日中共同声明」、1978年の「日中平和友好条約」、1998年の「日中共同宣言」、2008年の「日中共同声明」に続くものだ。中川氏は「国賓待遇というのは、10年に一度のタイミングだ。逆に言えば、これを逃せば、向こうが頭を下げて、ということはなくなってくる。中国というのは、実は外交文書から逸脱するような行為はやっていないし、これから大国化を目指し、米国を超えていくためにも、その傾向は強まっていくと思う」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
 

▶映像:尖閣諸島に中国公船 コロナ禍でなぜ過激に? 日本の背後に"米中対立"

尖閣諸島周辺で相次ぐ領海侵入、解決には「習近平主席の“国賓来日”でのディールを」中川コージ氏