【日経平均株価】テクニカル分析 2019年6月7日

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経済再開への期待から幅広く買われる

2020年6月5日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日より167円99銭高の22,863円73銭となりました。5日続伸です。2月21日以来、およそ3か月半ぶりの高値となりました。

東京都は今月に入り、新型コロナの感染状況が収束してきたとして、段階的に休業要請の解除を始めました。これを受けて経済活動の再開への期待感が広がり、5日には2月26日以来、およそ3か月ぶりに終値ベースで2万2000円台を回復すると、その後も順調に値を伸ばしました。

今週の展開はどうなるでしょうか。国内、海外ともに、投資家の間にリスクテイクの動きが広がり、世界的に株高傾向になっています。

悪材料がないわけではありません。先月、中国が反体制活動を禁じる「香港国家安全法」を採択したことで、米中の対立が悪化するのではないかと懸念されましたが、現状は、ただちに対中追加関税などが行われる様子もなさそうです。

米国では、白人警官による黒人暴行死への抗議デモが各地で広がっていますが、これも株高に大きく影響を与えるほどにはなっていません。

5日には、5月の米雇用統計が発表されました。市場予想では前月比800万人程度の減少が見込まれてましたが、ふたを開けてみると250万人の増加でした。経済活動が一部再開したことから、人材が職場に復帰したものと考えられます。

すると、経済再開が予想以上のスピードで進んでいると見た投資家は強い買いで反応。5日のニューヨーク株式市場でダウ工業株30種平均は大幅続伸し、終値は前日比829ドル高の27,110ドルとなりました。約2か月半ぶりの高値です。

日本株も週初から連れ高になることが期待されます。

9~10日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれます。金融緩和政策に変更はないと考えられますが、パウエル議長の記者会見は注目したいところです。

国内では8日、内閣府の景気ウォッチャー調査 (5月)が発表されます。同調査では、新型コロナウイルスの影響で2か月連続、過去最悪を更新しています。

今月もただちに改善されるとは考えづらいところですが、市場では「アフターコロナ」を見越して買い圧力が高くなっています。投資家の心理を見極めて、チャンスを捉えたいところです。

「急上昇後の一服」の可能性も

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。5月20日ごろまでは、5日移動平均線にローソク足の実体が重なるような形ながら、じりじりと上昇しました。その後、21,000円台を回復したあたりから、陽線が続き、急上昇しました。

 

今後の展開はどうなるでしょうか。まず、心理的節目となる22,000円を簡単に突破したことから力強さを感じさせます。この先、23,000円、24,000円越えが期待されます。ただし、このあたりは過去にもみ合ったところであり、売買も積み上がっているので、突破するには時間がかかりそうです。

足元の急上昇で、これまで下値をサポートされていた25日線よりもかなり上を進むような動きになっています。移動平均線からの乖離率だけでなく、騰落レシオ、RSIといった指標はいずれも「買われすぎ」と過熱感が高いことを示しています。こういった点から、利益確定の売りなども出やすいところです。

しかし、若干の調整があったとしても、25日線あたりまでは、押し目買いの好機と考えていいでしょう。

この先、24,000円付近まではもみ合いになる可能性がありますが、その後の高値といえば、2018年10月2日の24,448円ぐらいです。その上は目立った節もなく、視界が広がっています。さらに上のステージに上がる可能性もあり、楽しみです。