やおい」としか読めない字があるとツイッターで話題となっている。

その字が発見されたのは、法務省が公開している「戸籍統一文字情報」。今では常用、人名として使われていない珍しい漢字などを収録したウェブサイトだ。

しかし、やおいにしか見えない字とは......?

それがこちらだ。

画像は法務省 統一文字情報サイトより
画像は法務省 統一文字情報サイトより

文字の上の部分が「や」下の部分が「お」、そして斜めに「い」の字が見える。

確かに「やおい」のように見えるが、読み方は「キ」。情報処理推進機構 (IPA)の文字情報基盤データベースによれば、「幾」の変体仮名だという。

ツイッターでは、

「どう見てもやおいです本当にありがとうございました
やおいにしか見えないw」
「こんなの来年の書き初めで1番人気になっちゃうじゃん」

といった声が寄せられた。

やおい」に見えると話題になったこの字について、Jタウンネット2020年6月4日、戸籍に関する業務をしている法務省民事局民事第一課の担当者を取材した。

字の正体は「変体仮名

さっそく、担当者にこの字について聞くと、

「この字が何に使われているのかは残念ながら分かりません」

と回答が。

そもそも戸籍統一文字とは何か。

一言で言うと、オンラインで戸籍の届け出をするときに使用される文字のこと。

「戸籍には、パソコンでは出ないような古い字や特殊な字が使われている場合があります。そういうときは今まで、紙でやりとりするなどしていましたが、オンライン手続きではそういうわけにもいきません。
そのため、異なるシステム同士でも共有、統一できるようにコードをつけたものが戸籍統一文字になります」(担当者)

とはいえ、すでに法律上はオンラインで戸籍の届け出をすることは可能だが、まだ実際に運用している市区町村はないとのこと。まだ、この戸籍統一文字が戸籍のオンライン手続きで使用されたこともないようだ。

戸籍統一文字に登録される基準は何なのか。今回話題となった変体仮名については、

「戸籍実務六法(日本加除出版)という戸籍に関する実務についての六法がありまして、その中の変体仮名一覧表に掲載されている文字を登録しています。そこにはキだけでも8種類ほどの変体仮名が登録されています」

とのことだった。

なお、変体仮名は、現在人名に使用できないが、1948年1月以前は使用されていたとのことで、担当者は

「戸籍統一文字の中には地名に使われる字も含まれますが、地名に変体仮名が使用されることはあまりないです。そのため、今回話題になっていた字も、48年より前に人名として使われていたのではないか、とは考えられます」

と答えた。

画像は法務省 統一文字情報サイトより