ホリエモンのラストメッセージ 今月中にも収監される見通しのホリエモンこと堀江貴文氏は2011年6月11日夜、ニコニコ生放送の番組に出演。番組の終了が近づき、司会の田原総一朗氏から視聴者に向けてのコメントを求められると、堀江氏は、

「常識や慣習などに縛られて鬱屈している人たちが多いが、自分の行動範囲を狭めているのは自分自身。エヴァンゲリオンに出てくるATフィールドというものがあるが、そういう自分でつくった壁を取り壊して。心の壁というのは基本的に自分で作ったものだから」

ラストメッセージを贈った。

ホリエモンラストメッセージ(6) 「刑務所を出たら世界中を旅して回る」
http://news.nicovideo.jp/watch/nw74095

 以下、番組での堀江氏と田原氏のやりとりを全文、書き起こして紹介する。

■「お金でものごとをはかること自体がもう古い」

田原総一朗(以下、田原): 堀江氏のメールマガジンは有料なので、年間1億円儲けている。1億というのは多いと思う人もいるだろうけど、一時は5000億あった。1億とか8000万というスケールの小さいことじゃなくて、やっぱり何千億と儲けていきたいのではないか。

堀江貴文(以下、堀江): まあだから、僕はそういうものには興味がない。僕はやりたいことが出来ればいい。ロケット開発が出来ればいい。

田原: ライブドアでは、それやっていた。

堀江: それは上場してしまったから。11年前の2000年くらい、27歳の時に、何かよくわからず上場してしまった。上場したら株主がいっぱいできたので、この人たちへの責任があるなと思い、一生懸命頑張っていただけ。それは別に本当にやりたかったことでもなんでもなくて、行きがかり上で仕方がないからやっていた。

田原: 僕はやっぱり日本で、堀江氏と(ソフトバンク社長)孫(正義)氏は、なかなか大物だと思う。やっぱり堀江氏がたった1億なんていうと淋しい気がする。もっとスケールの大きいのガーンとやって。

堀江: 宇宙ロケット開発とかで・・・

田原: ロケットはいい。でもロケットで、僕も乗せてもらうんだけど、宇宙観覧車なんてやろうとするとやっぱり何千億ではないか。

堀江: そんなにいらないのではないか。やっぱり無駄が多いと思う。僕は無駄を一切省いて、もっとスケール小さい予算規模で、僕がやりたいことは実現できると思っている。

 それはやっぱりインターネットがこれだけ発達して、ソーシャルメディアが発達して、直接いろんな人たちがやり取りできるようになったということによると思う。従来型の企業だったら、何千人も雇用して、それでまた企業が硬直化しちゃったりとか、指揮命令系統がおかしくなったり、何もやらないのに給料もらっている人がいたりということが、これまではあった。だが、インターネットソーシャルメディアの時代になったら、そういうのはなくなるのではないかと(思う)。

田原: 堀江氏が将来、宇宙ロケット飛ばすときのスケール、お金、人数でいうとどのぐらいのものなのか。

堀江: お金で(ものごとを)はかること自体がもう古いのかもしれない。

田原: 人数はどのくらいか。

堀江: わからない。ただそれは雇用しない。契約なり、ボランティアなり。

田原: ボランティアでは危ないのではないか。責任持てないじゃないか。

堀江: 個々人が責任を持つ。実際、今だって僕らの開発は、大半がボランティア。フルタイムの人は2~3人しかいない。

田原: 堀江氏はロマンとしてのロケットはあるけど、なにかもうひとつ大きな事業をやりそうだ。

堀江: 今の会社みたいな、古いタイプの会社は作りたくない。もう、そんな時代じゃないと思う。

■「ライブドアは普通の会社になってしまった」

堀江: 例えば、資金集めにしても、例えばソーシャルファンディングみたいなやり方がある。ネットで直接こういう事業をやるからファンディングでお金を集めてということで、(事業を)やったりすることがある。そういう仕組みを使ってもいいし、専門家の人たちだって基本的には外注で、プロジェクトベースで人が入ってくるというような風にした方が、組織としても非常に柔軟性があるし、硬直化しないと思う。

 僕がつくったライブドアも結局バラバラに解体されてはしまったが、それぞれの会社は元気でやっている。だけど、やっぱり僕いなくなったことで変わって、普通の会社になっています。最近、新卒採用とかやっている。僕が文句をいっても仕方がないけど、新卒採用とかアホかと思った

田原: 堀江氏はやはり事業が好きな人だと思う。堀江氏が事業をやったら必ず大きくなると思う。やはり数千億、数兆の事業になると思う。

堀江: そこが金額でスケールをみる時代ではないかと(思う)。

田原: それもわかる。やはり堀江氏は類まれなる事業家だと思うから、それを活かして欲しい。ロケットロマン、これはいい。

堀江: この間、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)の中村伊知哉という人と僕が対談していた。そのときにも話していたが、科学技術系の財団みたいなものの研究所をつくろうとは思っている。予算が潤沢にもっていて、研究から出た研究成果を企業化して、それのキャピタルゲインなりインカムゲインで、また研究開発に投資をしていくというようなものをつくりたいと思っている。そういうのが日本の研究機関にはない。

 日本の研究機関とか大学は全くそういうことをやっていない。だから優秀な研究者がどんどん流出していっている。最近ノーベル賞級の研究をやる学者の人は、日本人でもほとんど海外で、本人がすごい戸惑っている。「日本人で受賞」と言われても、本人は日本人ではないつもりになっている。アメリカグリーンカード(永住権)を取っていてというような人たちが多い。

田原: そう。利根川(進)氏もそうだけど、日本人ノーベル賞をもらうような(人)は、向こうで活躍している。

堀江: ああいう優秀な人たちというのは、どんどん海外に行ってしまう。

田原: ということは、堀江氏も海外に行くのか。

堀江: ただ、どうしても日本にいたいという人たちはいる。

田原: 堀江氏に前、どうしてアメリカに行かないのかといったら、アメリカの飯がまずいからと言った。

堀江: そう。だからアメリカには行きたくない。ただ、最近シンガポールとか東南アジア系は、だんだん(食べ物の味が)良くなっている。日本人の結構おいしいレストランとか寿司屋とかも、「日本に愛想つきたからシンガポールとかに行こうと思っている」「堀江氏が(刑務所から)出てくる頃にはもう(日本を出て)行っているのではないか」とか言っている。

田原: 堀江氏がシンガポールに行ったら寂しい。

■「心の壁は自分でつくってるだけ、『ATフィールド』取り壊して」

アシスタント: はい、やはり田原氏が言う通り、そう思う方が多いらしい。群馬県の男性からいただいた。「堀江氏は日本を変えるカリスマになれる存在だとずっと信じている。そのため収監される2年半は、日本にとってマイナスでしかない。悔しい気持ちでいっぱいだと思うが、ずっと待っているので、早く帰ってきてほしい。私はその間、堀江氏が帰ってきて活動しやすくなるように微力ながら日本を少しずつ変えていきたいと思う」と、このようなメールが。

堀江: 署名とかをすると少しは出やすくなるらしい。

田原: 僕は鈴木宗男氏の仮釈放の署名の呼びかけ人になっている。当然、堀江氏の(署名の呼びかけ)も当然やるよ。

堀江: 仮釈放の資格というのは、3分の1の刑期を過ぎてからやっとできるようになるらしい。すみません。それが少しは効くらしいので。

アシスタント: やはりもう皆、田原氏と同じようにこれからの堀江氏を注目していると思う。

田原: 堀江氏、まだ何度もあるかもしれないが、ラストメッセージとして皆さんに何をいいたいか。

堀江: 僕的には、皆、割と色んなものに縛られて生きている(と思う)。そういうのは常識だったり、慣習だったり、周りの目だったりすると思うのだが、それに縛られて抑鬱されて鬱屈している人たちが多い。まずその自分の環境を変えていったほうがいいのかなと。

 僕は不幸にして、閉じ込められてものすごく窮屈な生活を送るのだが、皆は別に半強制的に国家によって自分の行動範囲を狭められているわけではない。自分の行動範囲を狭めているのは自分自身。自分で見えない壁をつくってその見えない壁の中で勝手にそこでいじけて、勝手にそんな小さな世界の中で鬱屈して生活している。僕はそうではなくて、無理矢理国家からそういうところに押し込められているというか閉じ込められているような状況にあるが。

 そうそう、ATフィールドとか(視聴者からのコメントで)出てきている。エヴァンゲリオンに出てくるATフィールドというものがあるが、まあATフィールドのようなもの。そういう自分でつくった壁というのを取り壊して、自分を解放して、あなたは自由なのだからもっと個人ができることというのはあるのではないか(と思う)。心の壁で制限されていることであるのではないかと思う。皆は収監されるわけではないから。

田原: 僕は収監されないのだけども、正直いって収監される堀江氏よりも実は堅苦しい、きつい閉じられた生活をしているのではないかと思う。

堀江: 多くの人はそうだと思う。それは勿体無い

田原: ぶち壊すにはどうしたらいいのか。

堀江: それは1人1人が変わっていくしかない。

田原: 2年数ヶ月そこ(刑務所)にいないといけないのだから、身の上相談やるといい。窮屈な生活をしているが、どうすればいか。

堀江: 本当に身近なところから変えていくしかない。心の壁というのは基本的に自分で作ったものだから。そこを何とかしてあげて下さい。

田原: 頑張って下さい。

堀江: はい。

田原: 堀江氏が帰って来るのをとにかく出迎える。(堀江氏が)あちこち行こうと(言っても)、行かせないで、すごいでっかいロマンティックな事業をしてもらいたいと思う。もちろんロケットも。

堀江: はい。ロケット、帰ってきたころに打ち上っていると思う。

田原: 頑張って。

堀江: ありがとうございました

(了)

(協力・書き起こし.com、編集・丹羽一臣

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