国の未来を担う子どもたちが心身ともに健康に成長することは、その国の将来を左右するともいえる。この点、日本では子ども食事や栄養管理に気を配り、子どもたちがバランスの良い食事をとれるように社会全体で気にかけている。特に、小中学校の給食はこの点で大きな貢献をしている。中国メディアの百度はこの日本の給食制度を取り上げ「中国も学ぶ価値がある」と述べている。

 まず記事は、日本の給食制度の歴史を紹介している。給食制度は1889年に山形県のある出来事が発端。山形県鶴岡町では当時昼食時にお弁当を持てない貧しい子供たちが多く、その状況を見かねたある僧侶が善意から、おにぎり、焼き魚、漬物などを生徒たちに提供したのが始まりとのこと。その後日本全国の小中学校で、給食制度が始まるようになり、第二次大戦後の1952年には再開、1954年に法律で正式に規定された。

 1960年以降には給食供給を安定化させるべく各地で「給食センター」がオープン、給食のメニューも大幅に増加していき、子どもたちの発育と健康を意識したメニューが開発されてきた。給食のメニューは保護者にも配られている。このようにすることで、家庭でも栄養バランスの取れた朝食、夕食が準備されるよう、家庭の献立も組み立てることができる。

 さらに、近年では給食の食材を通して、子どもたちを教育する「食育」という観点も給食に導入されるようになってきた。具体的には、食材となる野菜や鶏の飼育に、子どもたちも実際に携わることで、食材がどのように育てられているのかを見ることができる。また、子どもたちが給食の提供に当番制でかかわることで、自分で食事の準備ができるよう子どもたちを教育することができる。

 こうした給食制度は中国にはほとんどまだない。一部の幼稚園には導入されているようだが、それでもまだ限定的だ。全国的でこの給食制度を実施し、給食の機会を通してさらに子供たちを教育する日本の在り方に対し、中国メディアも「中国も学ぶべき」と手放しに称賛している。(編集担当:時田瑞樹)(イメージ写真提供:123RF)

日本の小中学校の「給食制度」から学ぶべき=中国メディア