元サッカー日本代表監督の岡田武史氏 元サッカー日本代表監督の岡田武史氏は2011年6月12日、首相官邸で開かれた「総理・有識者オープン懇談会」に出席。他の有識者らとともに自然エネルギーの本格的な普及について語った。そのなかで岡田氏は菅直人首相に対し、「自然エネルギーは分散型にならざるを得ない」としたうえで「サッカーでも監督がすべてをコントロールしているチームはある程度までいくが、そこから上にはなかなかいかない」と、国民や企業が自然エネルギーを活用できる枠組みの必要性を訴えた。

 懇談会は岡田氏のほか、環境ジャーナリストの枝廣淳子氏やソフトバンク社長の孫正義氏ら5人の有識者が、菅首相に対し風力発電など自然エネルギーの本格的普及に関する要望を出したことを受けたもので、政府の側からは菅首相のほか福山哲郎官房副長官、田坂広志官房参与が出席した。

 懇談会で岡田氏は「自然エネルギーは(地域)分散型にならざるを得ない。そうなると国民ひとりひとりが参加することになるが、組織的にはそちらのほうが絶対強い」とし、生物学者・福岡伸一氏との会話のなかで「人間の身体は古い細胞が死んで新しい細胞が周りの細胞と融合するときにいちいち脳は命令をしない」という話があったことを挙げ「サッカーでも監督がすべてをコントロールするチームはある程度までいくが、そこから上にはなかなかいかない。(強いチームは)選手同士が折り合いを付けていく」と語り、それを踏まえたうえで

「自然エネルギーはそれぞれの国民や企業と折り合いを成していく。現状、夏の電力不足に向けて輪番制にしている業界もあり、土日に稼動して水・木を休みにしている工場もある。(自然エネルギーに関して)いろんなことが動きだすとき、フィードインタリフ(エネルギーの固定価格買い取り制)にしてやるとか枠組みだけは作ってやらないと」

と菅首相に訴えた。この「国は枠組みだけを作るべき」との意見に対しソフトバンク孫社長は「岡田さんはいいことを言う。『すごい』と思った」と賛同した。

(土井大輔)

◇関連サイト
・自然エネルギーに関する「総理・有識者オープン懇談会」について- 公式サイト
http://www.kantei.go.jp/live/20110612.html
・[ニコニコ生放送]岡田氏の提案部分から視聴 - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv52951096?ref=news#1:22:56

元サッカー日本代表監督の岡田武史氏