朝鮮人民軍北朝鮮軍)総参謀部の報道官(スポークスマン)は17日、開城工業団地地域と金剛山観光地区に連隊級の部隊を配置し、非武装地帯から撤収していた民警を再展開すると発表した。朝鮮中央通信が伝えた。

韓国の脱北者団体が金正恩体制を非難するビラを北へ向けて飛ばし、文在寅政権がそれを黙認してきたことに対する報復措置の一環。

報道官はまた、「西南海上前線をはじめとする全前線に配置された各砲兵部隊の戦闘当直勤務を増強し、全般的前線で前線警戒勤務級数を第1号戦闘勤務システムに格上げさせ、境界地域付近で正常な各種の軍事訓練を再開」すると表明。また、「わが人民の対南ビラ散布闘争を軍事的に徹底的に保障」するという。

これら一連の措置は、2018年9月の南北首脳会談の際に締結された南北軍事合意を事実上破棄することを意味する。

同通信の報道全文は次のとおり。

朝鮮人民軍総参謀部の代弁人 わが軍隊は党と政府が取る全ての対内外的措置を軍事的に徹底的に保障する

【平壌6月17日発朝鮮中央通信】朝鮮人民軍総参謀部のスポークスマンは17日、次のように発表した。

わが軍隊は、党と政府が取る全ての対内外的措置を軍事的に徹底的に保障するであろう。

朝鮮人民軍総参謀部はすでに去る16日、次の段階の対敵軍事行動計画方向について公開報道した。

17日現在、具体的な軍事行動計画が検討されているのに合わせて、次のようにより明白な立場を明らかにする。

1.わが共和国主権が行使される金剛山観光地区と開城工業地区にこれらの地域の防御任務を遂行する連隊級の各部隊と必要な火力区分隊を展開することになるであろう。

2.北南軍事合意に従って非武装地帯から撤収した民警営所を再び進出展開して前線警戒勤務を鉄桶のごとく強化するであろう。

3.西南海上前線をはじめとする全前線に配置された各砲兵部隊の戦闘当直勤務を増強し、全般的前線で前線警戒勤務級数を第1号戦闘勤務システムに格上げさせ、境界地域付近で正常な各種の軍事訓練を再開することになるであろう。

4.全前線で対南ビラ散布に有利な地域(区域)を開放し、わが人民の対南ビラ散布闘争を軍事的に徹底的に保障し、手落ちのない安全対策を立てるであろう。

朝鮮人民軍総参謀部は、このような対敵軍事行動計画をより細部化して早い時日内に朝鮮労働党中央軍事委員会の批准に提起するであろう。---

朝鮮労働党軍事委員会拡大会議に参加した金正恩氏(2020年5月24日付朝鮮中央通信より)