はじめに

「稼ぐということの大変さを知ろう」

今週のエッセイは木津つばさ自身の、上京後の実体験を元に話を進めていきます。木津が思う「お金を稼ぐこと」にどんなルーツがあるのかをじっくりと語ってゆこうと思います。

このエッセイを読んでいただいている方々の年齢層を考えると、社会人から学生の方もいるのかな?

今から話すことは全年齢層の皆さんにお伝えできる話だと思うので、ぜひ気楽に読んでいただけたら幸いです。

「以降、彼は何かを失ってしまったのだ」

芸事の世界に入ったのが16歳の冬。もうすぐ17歳になろうとしている彼は、地元で飲食のアルバイトを2つ掛け持ちしていた。

毎月稼げる給料は6万円程度と、高校生にしてはかなりバイト詰めの日々を過ごしていた。

学校に通いながらのバイトだったため、制限はあるものの何不自由なくお金の稼ぎ方を覚えていった。

彼は高校生、もちろん将来のことを考える。

そんな時、彼に転機となる、上京のチャンスが舞い降りた。

そう、東京での芸能オーディション。

彼は夢を追う決意をして夢への切符を掴むことができた。ただここから、彼の人生は180度変わることになった。

高校生にして、単身東京へ。バイトも辞めて稼ぎが0になったのだ。

当たり前のことであり、それでも信じたくない現実と対面することになった。

「以降、彼は何かを失ってしまったのだ」

上京した彼は、身の回りに今まであったものへの喪失感に駆られていた。

改めて人生のスタート地点に立った瞬間、それは、初任給が3000円の時だった。

それでも夢と契約するには代償が大きいもの。この時、お金の大切さ、社会の厳しさを知ることができた。

もし今後、皆さんが彼と同じ境地に立った時は、思い出してください。

何かを失うことで、見える世界が広がるということを。

以上が、木津が初めてお金を稼いだ話でした。

勘違いされてはいけないので念のため、まだ木津は夢の途中ですよ、とだけ伝えておきます。文章から察してみてください。

おわりに

今日は特別に、自分自身に好きなものを一つだけ買ってみようと思います。もちろん「特別に」ですよ?

(文:木津つばさ、撮影:Yuto Fukada

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