世界中で40万人近い人々が犠牲になった新型コロナウイルス感染症ですが、ある意味ピンチチャンスリモートワークや社内業務のクラウド化は今後、新たな社会や経済の潮流になりそうです。

クラウド リモート
コロナ感染後に買うべき銘柄とは… ※画像はイメージです(以下同じ)
『金融のプロが教える コロナ暴落後の必勝投資術』(扶桑社刊)の著者、金融アナリストの永野良佑さんに、コロナがもたらす働き方の変化やそれによって急上昇が見込めそうな株について解説してもらいました(以下、永野氏の寄稿)。

リモートワークで「会社」に革命が起きる!

 コロナのおかげで大々的に導入が進んだリモートワークを体験された方なら、通勤時間がいかにムダだったかを実感されているでしょう。また、大きな会社に勤めていると1980年代入社の人が、役員にもなれず、かといって年齢的に若い人と同じように現場の仕事ができるわけでもなく、不思議な役職を与えられて、ただ過ごしているケースを目にしているのではないかと思います。

 この人たちは、普段は会社にいることが仕事で、具体的に何かをやっているわけではないので、リモート一般化するとたちまち会社から駆逐されてもおかしくありません。リモートワークが進むと「誰が、どの仕事の、どの部分に責任を持って、何をしているのか」を明確にする必要がありますが、その過程で、文系・オフィス業務における「アルバイト化」が進むでしょう。

 つまり、仕事の内容を「誰にでもできる」パーツに分解して、クラウド経由で外に出してしまえば、総務、人事、経理、営業管理といった間接部門をわざわざ社内で抱えておく必要がありません。会社の人件費は極端に下がり、年功型賃金は崩壊。企業は間接部門を大胆にリストラすることで、収益が向上します

 むろん、そこで打撃を受けるのは「仕事もしていないのにお給料だけもらっている人」だけ。主に40代、50代社員なので、給料分の仕事をしているのであれば、20代の若手社員は安心してもいいでしょう。彼らがリストラされた分、今後は給料が上がる可能性もあるので、そのときは、そのお金を投資に回したほうがいいでしょう。

「メルカリ」が日本一のプラットフォーマーに

メルカリ

 じゃあ、どんな株を買うのか? これはあくまで私の仮説ですが、コロナショックで俄然、魅力が増した中古品交換アプリメルカリマザーズ・4385)が急成長する可能性に注目しています。

 メルカリが運営するフリマでは私たち個人が、買い手だけでなく、売り手にもなれます。これは、アマゾンや楽天などのeコマースとの大きな違いです。売り手になれるということは、私たち自身が「交換の手段を生み出す」ことを意味します。

 働いてもらった給料をモノやサービスと交換することで私たちの生活は成り立っていますが、メルカリで不用品を売ると、売却代金がもらえ、そのおカネを使うことで、別のモノやサービスと交換することができる。そうなると、メルカリの中ですべての生活が成り立つ「経済圏」ができあがります

 メルカリにはメルペイという電子決済サービスもあるので、同経済圏の外側とも、キャッシュレス決済という形でつながります。メルカリにはそれぐらい大きなポテンシャルがあると私は見ています。

経理は不要?会計ソフト経済圏にも注目

 家計簿ソフトサービスを提供する「マネーフォワード」などの会社も興味深いと思います。これらの会社は今のところ、クレジットカードの取引履歴、銀行口座の情報、証券取引の情報、保険の情報などを取り込んで、それを見やすくし、分析しています。

 しかし、金融サービスにうまく進出していけば、家計簿ソフトを使って、簡単に送金や振込、入金(受け取り)が行えるようになります。そうなると、もう銀行が不要になる可能性があります。

 さらに、企業が間接部門を効率化することでさらに伸びそうなのが、クラウド型の会計ソフトを提供している、たとえば「freee(フリー」のような企業です。会社には、売掛金という「将来現金になる権利」と、買掛金という「将来支払わなくてはならない義務」とがあります。

「サービスのアマゾン」のような会社が必要に

マネーフォワード

 簡単に言えば貸し借りなのですが、freeeが提供するようなクラウド型会計システムに、銀行の決済業務のような機能が加われば、「A社はB社に100万円貸しがある」「B社はC社に100万円貸しがある」「C社はA社に100万円貸しがある」という単純なケースを考えると、「いっせっせのせ」で全部を消してしまえるはずです。

 3社がともに同じクラウド型会計を利用していたら、運営会社側で「この3社の貸し借り、適当に処理しておきますね」とすることで、一気に効率的になります。

 クラウドの話とは別に、コロナ後の社会の動向として、仕事が細分化、マニュアル化されると、サービスアマゾン」のような会社も必要になります。現時点では、フリーランスの人のマッチング・サービスを手掛ける新興企業が一番近い業態ですが、やっていることは人材派遣やアルバイト情報の紹介と同じです。そう考えると、リクルートや大手の派遣会社にチャンスがありそうです。

プラットフォーマーを狙えば株価10倍も!

 コロナ終息後は、5G(第5世代通信)やIoT(モノのインターネット化)が本格的に稼働することを考えると、「みんなが使うから、ますますみんなが使う。それによって、他が排斥されてしまう」というプラットホームを提供できる会社は今後、よりいっそう急成長することになるでしょう。

 私はその一番手にメルカリを挙げていますが、その他にもWeWork、Airbnbといった不動産関連、UberやLyftといった広義のモビリティUber Eatsや出前館といったフード・デリバリー関連などは、いずれかの会社がプラットフォーマーとして覇権を握る可能性があり、10倍株を狙えるのです

 むろん、既存のプラットフォーマーといえるアマゾンが、たとえば運送業務でもプラットフォーマーになるかもしれません。世界中の倉庫とトラックは、実はアマゾンのものになる日が来るかもしれないのです。そうなったとき、配車サービスができない理由も、フード・デリバリーをしない理由もないわけです。

アフターコロナで買いたい5銘柄

投資

 世の中で次にどんな変化が起きそうか? それを想像することが株で大きな儲けを得るためには必要なのです。以下に、アフターコロナで買いたい3銘柄を紹介します(※株価は6月19日時点、変動の可能性があります)。

メルカリマザーズ・4385)
【事業内容】月間利用者数1500万人超のフリマアプリを提供。メルペイを使った電子決済サービスも展開
【株価】3,255
【単元株数】100
【最低購入金額】32万5500円

▼マネーフォワードマザーズ・3994)
【事業内容】手間いらずの家計簿ソフトを提供。銀行や証券口座の資産残高も確認できる
【株価】6,180
【単元株数】100
【最低購入金額】61万8000円

freee(マザーズ・4478)
【事業内容】クラウド型の会計ソフト会社。創業時の資金調達など金融や企業コンサルの新規事業を開拓中
【株価】4,785
【単元株数】100
【最低購入金額】47万8500円

 続いて、アフターコロナで注目している2銘柄です。こちらも参考にしてみてください。

リクルートHD(東1・6098)
【事業内容】人材派遣最大手でネットに強いので、リモートワーク普及による業務の細分化・アルバイト化需要に対応できる
【株価】3,800
【単元株数】100
【最低購入金額】38万円

▼出前館(JQ・2484)
【事業内容】ステイホームで、同社の出前事業に注目が集まる。宅配ビジネスにはまだまだ成長余地あり
【株価】1,338
【単元株数】100
【最低購入金額】13万3800円

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 今回、永野さんが書いた著書『金融のプロが教える コロナ暴落後の必勝投資術』では、コロナによって激変する社会の中で急成長する有望株のほかにも、iDeCoやつみたてNISAを使った長期定額積み立て投資、コロナバブルで上がる超優良企業などが詳細に解説されています。

 暴落のあとにはバブルが起こり、さまざまな新興企業の株価が10倍20倍まで跳ね上がることは、これまでも何度も起こりました。老後の資産形成のためにも、そろそろ投資を考えてみる時かも。

TEXT/金融アナリスト 永野良祐>

【永野良佑】

金融アナリスト。一橋大学経済学部卒業。外資系金融機関を中心に、ストラクチャード・ファイナンスクレジット・トレーディング業務に主に従事。著書に『プロが絶対買わない金融商品』(扶桑社)など多数