東京ー名古屋間を40分で結ぶため、2027年の開業を目指しているリニア中央新幹線計画。営業速度は時速500キロとなる予定だ。一方の中国では、さらに速いリニアの建設計画があるようだ。中国メディアの網易は21日、中国が研究開発している新たなリニアモーターカーは速度が「日本の約2倍」だと張り合う記事を掲載した。

 今や高速鉄道は中国にとって重要な産業であり、なくてはならない交通手段になっている。記事は、中国で高速鉄道飛行機と並ぶ人気の移動手段になっていると誇らしげに紹介。そして、今後はリニア建設に力を入れるのだという。

 記事は、「現在開発中のリニアは最高速度が時速1000キロになる」と紹介。これだけの速度のリニアモーターカーが実用化できるかは不明だが、日本のリニア中央新幹線の時速500キロと比べると、およそ「2倍」の速度だと胸を張っている。中国はなにかにつけて世界一を好む傾向にあり、高速鉄道でも日本の新幹線と速度で張り合う姿勢を見せてきたため、仮に実用化できなくても速度が日本のリニア中央新幹線新幹線より速ければそれで十分満足なのかもしれない。

 さらに記事は、中国のリニアがいかに優れているかを自画自賛。安価な液体窒素を使いコストを削れる高温超電導リニアを開発するため、中国の科学者は骨身を削ってきたと紹介した。

 実際のところ、中国国産の高速リニアの研究・開発プロジェクトが始まったのは比較的最近のことであり、最高時速600キロのリニア実験車が青島市で完成し披露されているが、走行したという話はまだ出ておらず、どこまで開発が進んでいるのか不透明だ。実験で時速600キロ以上を出してすでに建設が始まっている日本と比べると、まだまだ遅れていると言わざるを得ないだろう。

 また記事は、リニア建設は国民からも絶大な支持と応援を受けていると主張しているが、否定的な見方も多いと言われる。新型コロナで疲弊し、生活に困っている大勢の国民にとってリニア建設は遠い話であり、もっと身近な救済策に金を使ってほしいというのは切実な願いだろう。リニアで他国と速さを競うのは、国民感情とは乖離しているとも言えそうだ。もっとも、国民感情とは関係なく、中国のリニア開発はやはり進められていくことだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

我が国もリニア開発だ! 日本のリニア中央新幹線を「ライバル視」=中国報道