日本に観光に来て日本の商品を買いあさる「爆買い中国人」が話題になりずいぶん経つ。その後、中国でもネットで日本の商品を買いやすくなり、また新型コロナウイルスにより渡航が難しくなったこともあり、現在のところ「爆買い中国人」の姿はあまり見かけなくなった。おそらく、渡航禁止が解除されたあとには再び多くの中国人が日本に押し寄せるものと思われるが、中国メディアはこの状況に対して疑問を投げかけている。それは「日本人が中国で爆買いしないのはなぜか」という点。物価から見ても日本より商品が安い中国でたくさんの買い物をする日本人がいてもおかしくはないが、そういった様子はさほど見かけない。中国メディアの百度がこの点を分析している。

 中国メディアはまず、多くの中国人が日本で爆買いする理由について分析している。まず、一つ目は日本の商品は質が高いからというもの。さらに、二つ目の理由として、中国人には「日本の商品は質が高い」という先入観があるからだ、と述べている。一例として、中国人が日本で買い求めている「シャワー付き便座」や「炊飯器」などの商品の多くは「中国製」であることを人々は忘れている、と指摘している。つまり、中国で買えないから日本で買うのではなく、日本のモノはいいという考えにとらわれているのだろう、と分析している。

 さらに、日本人が中国でそれほど大量に買い物をしない理由を分析し、三つの理由を挙げている。一つ目の理由は、中国で買えるものはたいてい日本でも買えるから、というもの。二つ目は、日本人は日本製を好む傾向がある、という点。そして三つ目は日本人の所得は全体に高いため、すこし安いだけものに対してはそれほどこだわりがない、と分析している。つまり結論として「中国で売られている商品は日本人にとってそれほど魅力がなく、むしろ中国での観光には関心はあっても中国で買い物をしたいというニーズはあまりない」と結論付けている。

 日本のものが引き続き、アジアで、世界で売れ続けるためには、魅力があり、模倣されにくい独創性のあるものを開発し続ける必要がある。経済的に急速に豊かになり続ける中国人が、これからも日本のものを買いたいと感じる魅力ある商品があるのかどうかが、今後の日本経済の将来を左右すると言えるだろう。(編集担当:時田瑞樹)(イメージ写真提供:123RF)

中国人は日本で爆買い、でも日本人は中国で爆買いしないのはなぜか=中国メディア