カナダ西部のある街で8月29日朝、大きな音が街中に鳴り響き、住民たちを驚かせるという一件があった。動物が吠えているような、さび付いたドアを開けているような低い音は、今年6月にも現地で発生していたそうで、気になっていた住民の1人がこの日用意していたカメラを回し、音が鳴っている様子を撮影することに成功。最近、欧米各地でもたびたび発生して話題になった、原因不明の“スカイクエイク現象”ではないかとして、今回撮影された動画にも注目が集まっているようだ。

カナダ放送局CBCやニュースサイトのグローバルニュースによると、謎の音が鳴り響いたのは、ブリティッシュコロンビア州テラスという街。8月29日午前7時30分頃、その音で目が覚めた女性住民は、以前にも聞いた音と同じだとすぐに分かり、カメラを取りに走ったという。そして撮影されたのが、8月29日付でYouTubeに投稿された「Strange Sounds in Terrace, BC Canada August 29th 2013 7:30am(Vid#1)」(http://www.youtube.com/watch?v=FHi6LjKuNl4)など3本の動画。通りに生える木々が風にそよぎ、閑静な雰囲気を思わせる辺りの印象とは裏腹に、大きく鳴り響く非常サイレンのような音が、何か嵐の前の静けさを物語っているようで不気味だ。

動画を撮影した女性の話によると、街の近辺では今年6月19日にも同様の音が聞こえたとのこと。その時は音がすぐに止み、「近くで誰かが下手な楽器の演奏してるのかと思った」ものの原因は分からずじまいだったそうだ。そこに、再び大きな不気味な音が辺りに響き、今回は10分ほどとやや長く続いたため、用意していたカメラを回すことができたという。

謎の音だけあって、「空からとも地下からとも分からない」「ヘイゼルトン(テラスの北東にある街)の方から聞こえた」と、直接現場にいた住民たちの間でも音が聞こえた方向はバラバラ。昨年10月のカナダ北西部や今年8月30日アラスカ沖で起きた地震の活動が関係しているのではと推測する人もいるなど、原因不明の音に住民たちは不安を募らせ混乱しているようだ。

しかしCBCの取材にカナダ地質調査所は、今回の音に関連するような「地震活動はない」と明言。撮影された現場周辺には電車も通っておらず、謎の音へ不安を膨らませる住民たちに対し、8月30日午後に自治体側がFacebook上で、音の原因に関する説明を行った。それによると、街の職員が操作していた地ならし機のブレードを調整するのに、地面に接触させていた際に起きた「非常に変な音」が謎の音の正体とし、「私たちの責任」と言及している。

ところが、自治体側の説明に「地ならし機の音ではない」と納得していないという住民たち。一部の人たちは「インターネット上で以前から知っていた」という“スカイクエイク”または“スカイトランペット”と呼ばれる現象を疑っている。

これは2011年頃から欧州や北米を中心とした世界各地で、今回のように原因不明の大きな音が街中を響き渡るもので、インターネット上ではたびたび報告されては話題になっており、原因は未だはっきりしていない。今回投稿された動画にも、新たなスカイクエイク現象を捉えた映像として国内外から注目が集まっており、不安を抱える住民たち以外にもスカイクエイク現象の謎が気になる人は少なくないようだ。