「門デフ」を装備したデゴイチです。

世田谷区東京都)が、区内の世田谷公園で保存・展示している蒸気機関車(SL)の修繕・塗装費用として、1500万円を目標に、2019年8月からふるさと納税を募集しています。2020年6月、さらに多くの人に興味を持ってもらうため、ヘッドマークデザイン応募コースと塗装体験コースが加わりました。

保存・展示されているD51蒸気機関車272号機は、1939(昭和14)年に川崎車輌(当時)兵庫工場で製造されてから1972(昭和47)年に廃車されるまで、およそ33年間、おもに中国・九州地方で貨物牽引(けんいん)に使われました。総走行距離は245万8000kmに及び、これは地球61周分に相当します。国鉄門司鉄道管理局管内の小倉工場が採用した除煙板(デフレクター)、通称「門鉄デフ」「門デフ」を装備しており、炭水車(8-20B)、車掌車(ヨ14740)とともに1973(昭和48)年から世田谷公園で保存・展示されています。

製造から80年が経過し経年劣化も進んでいることから、区はこれらの車両を修繕・再塗装し、往年の雄姿を再現する方針です。色は、国鉄が昭和30年代に定めた「国鉄車両色見本帳」に基づく、いわゆる「国鉄色」の黒が採用されます。

ふるさと納税のコースは、このSLや園内を走るミニSL「ちびくろ号」のヘッドマークデザインを応募できるヘッドマークデザイン応募コース(寄付額1万円~)、ミニSL記念乗車券つきコース(3万円~)、塗装を実際に体験できる世田谷公園SL塗装体験コース(3万円~、先着30人)の3種類。募集は2021年3月31日までです。

世田谷公園で保存・展示されているD51形蒸気機関車272号機(画像:世田谷区)。