以前は40㎡強の賃貸住宅に住んでいたKさん夫妻。長男の保育園に通える範囲、というエリア限定で物件探しから依頼し、リノベーション会社「リノベる。」からイチ押しされたのが現在のマンション。
築年数が古く心配したそうですが、担当者が管理状態などを細かくチェックしてフィードバックしてくれた情報を読み込み、ここなら大丈夫と納得して購入。工事費1200万円（税別、設計料込み）をかけ、長年の悩みだった「音」の問題を解消できる快適な住まいを手に入れました。
静かな寝室と音楽室に大満足。共働き世帯にある生活音を解消したリノベ裏テーマは「静かな寝室」。壁にひと工夫をして対策
デザイナーとの打ち合わせでKさん夫妻が真っ先に伝えたのが、「寝室に聞こえてくる音の問題」。というのも、夫の仕事は朝が早く、妻は在宅勤務のためふたりの寝る時間はバラバラ。どちらかが寝ているときは、リビングで大きな音をたてないように気を使って生活していました。
そうした事情をふまえ、デザイナーから提案された寝室の場所は、ベランダに面したリビングの隣。ただし、その間には壁一面の収納を設けるという案。理由は「物を入れれば入れるほど防音効果が高まる」から。
ベランダ側の棚にはCDやDVDを中心に、キッズスペースを緩やかに仕切る棚にはおもちゃなど、最初から入れるものをある程度想定して棚板を設置しました。実際にCDなどをぎっしり詰めておくと、音はほとんど気にならなくなったといいます。
ベランダに面した寝室。3人が一緒に寝る寝室は、「絶対に朝日が入る南向きがいい」とデザイナーにすすめられてこの間取り。「大正解だった」と妻。明るく、風通しもよくて快適に過ごせます。窓際に室内物干しワイヤーも設置。
寝室から見たリビング。課題だった「寝室の音問題」も、壁面収納で解消しました。
収納力あるキッチン。サブウェイタイルをデザインのアクセントに
部屋の真ん中に大梁がかかっていたため、キッチンの位置を手前にずらしました。結果、キッチン全体がゆとりある広さに。
カウンターの腰壁はモルタル風、大梁は白く塗装。キッチンの背面にはもともと持っていた棚を2台並べ、手前上部の可動式オープン棚のみ造作して、家電収納兼パントリーに。無印のゴミ箱や引き出しなどがピッタリ収まっています。
キッチンからリビングダイニングを見たところ。サブウェイタイルの目地は淡いグレーにして、ソフトな印象に。キッチンは大梁を避けるためにL字型を選択しました。
オープンシェルフで緩やかに仕切ったキッズスペース
キッズスペースは仕切りのないオープンな空間。将来は壁と扉をつければ仕切れるようになっています。3畳弱という狭さに最初は戸惑ったそうですが、寝るだけの部屋と考えると「それもアリ」と納得。
キッズスペースに設けたオープンシェルフは、リビングとつながったオープンなキッズスペースを緩やかに仕切る役割も果たします。おもちゃや絵本など、子どもがよく使うものを自由に置いています。
廊下からLDKに続くドアはアメリカ製。写真左手前の扉は、K邸で唯一の扉付き収納で、その先にオープン収納が続いています。
大型のウォークインクロゼットに衣類をまとめて収納
衣類を1か所にまとめて収納できる大型のウォークインクロゼット。
「リノベだからできる収納」とデザイナーから提案があり、ハンガーパイプを3面に取り付けました。梁の高さに合わせてその上部にも棚を設置。無印良品の収納アイテムを使って、ウォークインクロゼット内はすっきりと整えられています。
洗面台下や洗濯機上、トイレのパイプスペースの空き部分にも棚を設け、それぞれのスペースにたっぷりの収納を確保しました。
トイレの壁は板張りに。インテリアは無印良品の店舗を参考にしたそう。
音楽室や玄関にもオープン収納を
夫自慢の音楽室。キーボードの幅に合わせた机の下の引き出しテーブルや楽器類を置く棚は、置くもののサイズをすべて測って造作。有孔ボードの壁も小物類の収納に重宝しています。
玄関の靴収納はオープン棚。カーテンなどをかけて隠すこともできるように、念のため上部にハンガーパイプを設置。棚は入れるものによって高さを自由に調節できる可動棚にしました。
夫のたっての希望が音楽室。無印良品が大好きな「ムジラー」である妻の希望はたっぷりの収納。両方の希望を叶えつつ、楽しく快適な快適な空間となりました。
間取り（リノベーション前後）
設計・施工／リノベる。
撮影／遠藤宏
※情報は「リライフプラス vol.35」掲載時のものです。
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