働く堅実女子のためのビジネスで役立つマナー、今週は野橋本ゆきさん(仮名・メーカー勤務・36歳)からの質問です。

「うちの部署の後輩が、チーム全員に自分で作った手作りマスクを持って来たんです。ひとりひとり、イニシャルまで刺繍して……。手作りが趣味なのは個人的なことなので本当にどうでもいいのですが、“こういうのが作れる女の子っていいよね~”などと男性陣に言われて浮かれている姿を見るとイラっとしてしまいます。私ももらいましたが、耳のゴムも痛いし、フィットしないし……。気持ち的に、つけたくありません。

でも、みんなはしゃいでつけているのに、自分だけつけていないとひがんでるみたいだし、意地の悪い女などとレッテルを貼られるのもイヤ……。 こんなことでジクジク悩んでいる自分も情けないですが、どうしたらいいでしょうか」

マスクではなく、その人のことがイヤなのでは…

使い捨てマスクが品薄で、高値で販売されていたり、そもそもどこにも売っていないといった時期には、手作りの布マスクプレゼントは本当にありがたいものでしたよね。

ただ、今はずいぶん値段も安定し、おしゃれファッションブランドスポーツメーカーなどから、柄がかわいかったり機能性がよかったりするマスクが登場し、ネットでも手に入りやすくなりました。ファッション感覚で複数購入し、毎日どれをつけるか、通勤服とあわせて選んでいる人も多いでしょう。

そんなときに、手作りマスクプレゼントされても困ってしまうというのもわかります。しかも、つけ心地がよくないとなると、なかなか心から喜べないですよね。

でも本当は、マスクそのものではなく、相談者さんはその後輩さんのことがイヤなのではないでしょうか。存在を疎ましく思っていたということはありませんか。

1度でもいいからつけるべき

そうなってくると、キライな人が手作りしたものなんてつけたくない、という気持ちも加わってしまいますよね。でも、職場の良好なコミュニケーションも業績アップの必須条件。ここは大人の対応をしたいところです。相談者さんが危惧している通り、もらったのに1度もつけずに知らんふりをしていたら、後輩さん本人だけでなく、周囲からもわざと意地悪している、嫉妬しているなどと見えてしまうかもしれません。

1度でいいからそのマスクをつけて、本人に見せてあげましょう。そして、その後はつけてもつけなくても、よいと思いますよ。つけたときに、「ありがとう。後になれば思い出になるし、大事にするね」などと言葉を添えるといいでしょう。部署の人たちにつけていないことを指摘された場合には、「せっかくつくってもらったから、汚さずに大事にとっておきたい」などと言えばよいでしょう。

職場には「褒めればおさまる」シチュエーションは多い

マスクは顔につけるものだけに、目を合わせて会話するときだけでなく、デスクワークしているときだって、着ている服よりも目立ちます。意外と、相談者さんが後輩さんの手作りマスクをつけていないことに気づく人は多いと思います。ましてや、男性社員が喜んでいるならばなおさら、みんなつけるでしょうし、刺繍がついていれば、お揃いにも見えますよね。つけていない相談者さんを訝しがり、よけいな詮索をすることも考えられます。

感謝したり、相手を褒めたりするだけで、職場の雰囲気がよくなるシチュエーションは意外と多いです。今回もそのひとつといえるでしょう。相手を褒めたところで、相談者さんにはなんのデメリットも生まれません。それこそがメリットです。あまり深刻な問題とせず、さらりといきましょう。

普通で涼しいマスクがいいんです……。

プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションインストクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部を超えるヒットとなる。 

(株)ヴィタミンMサイトhttp://www.vitaminm.jp/

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