ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:釘丸和也)は、ジャンクと呼ばれるDNA領域から作られるRNA※2の一つについて、以下の3点を明らかにしました。
※1 情報伝達物質などを介して細胞同士が影響しあうこと ※2 ノンコーディングRNA

 本研究で着目したRNAは、ジャンク領域から作られるため、タンパク質に翻訳されず特に役割を持たないと考えられていましたが、皮膚にとってたいへん重要な働きを持っていたことが分かりました。今回の発見を活用することで、これから生まれる細胞や、周辺組織の活性までも向上できると考えられます。この知見は今後、ポーラ・オルビスグループの商品やサービスに活用します。

  • がらくた領域から見つけた「宝物」 (補足資料1)
 ポーラ化成工業は近年、「がらくた」と考えられていたDNA領域(ジャンクDNA領域)から作られるRNAのなかに、皮膚の線維芽細胞において重要な役割を果たすものを探索をしてきました。その結果、「LINC00942」と呼ばれるRNAが、実は細胞が老化してしまうのを抑制しており、そのRNAは年齢とともに減少してしまうことを見出しました※3。このRNAについて研究を進めたところ、今回、他にも重要な働きを担うことや、その影響が他の細胞にまでさまざまに波及していることが分かってきました。
※3 2016年、第29回国際化粧品技術者会連盟にて発表。ポスタートップ10に選出。
http://www.pola-rm.co.jp/research/research2-1ifscc29.html
  • 線維芽細胞への影響は新たに生まれる細胞にまで波及
 まず、線維芽細胞でこのRNAの発現量を一時的に増加させると、細胞活性の指標となるエネルギー産生が1.4倍にまで増加していました(図1上)。さらに、その細胞から分裂し新たに生まれた細胞では、このRNAの発現を高めていないにも関わらず、エネルギー産生が1.2倍に促進されていることが判明しました(図1下)。
 このことから、このRNAは、細胞の世代を超えて影響を及ぼす、重要な因子であると考えられます。
  • 影響は細胞間ネットワークにも
 次に、このRNAの発現量を変化させておいた線維芽細胞を他の細胞と一緒に培養することで、周囲へ及ぼす影響も検証しました(補足資料2)。他の線維芽細胞、血管内皮細胞、脂肪細胞への影響を調べたところ、このRNAの発現量が多い線維芽細胞と一緒に培養した場合は、それぞれの細胞の機能が高いことが分かりました。このことから、このRNAは、周囲の細胞の活性にまで影響を与えることで、肌全体の状態を制御できると期待されます
  • RNA「LINC00942」の発現量を増やすエキスを発見
 このRNAの発現量を高めるエキスを探索したところ、センニンコク種子エキスとセージエキスを組み合わせたものに効果を見出しました(補足資料3)。これらのエキスにより、現在も未来も、肌全体をいきいきと維持することができると期待できます。


<詳細は下記よりダウンロードの上、ご確認ください>
https://prtimes.jp/a/?f=d36737-20200702-6617.pdf

配信元企業:株式会社ポーラ

企業プレスリリース詳細へ

PR TIMESトップへ