公立福生病院(東京都福生市)の男性(60)が上司からのパワハラ被害を訴え、病院の運営元に約550万円を求めていた裁判で、東京地裁立川支部(吉田尚弘裁判長)は7月1日、病院側に対して約210万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

判決は、パワハラを認定しただけでなく、病院のハラスメント防止責任者が、パワハラ行為の一端を目の当たりにしながら、適切な対応を取らなかったことも、安全配慮義務に反するとした。

7月2日、原告の男性が記者会見を開き、「パワハラを訴えたのに病院の調査が不十分だった。主張が認められたので、まずは謝罪していただきたい。被害を受けたのは私だけではない。調査してほしい」などと語った。

録音された「馬鹿」「嘘つき」などの暴言

判決などによると、パワハラが始まったのは2016年秋ごろから。男性は精神疾患にかかり、2017年4〜7月まで休職している。

男性は上司の発言を録音しており、裁判では会議など7つのシーンでの発言に絞って問題視した。その一部は次のようなものだった。

・最低だね。人としてね
・生きてる価値なんかない
嘘つきと言い訳の塊の人間
・ふざけんなよ、バカヤロー。馬鹿だなおめーも、本当に馬鹿だよ
・俺から見るとぶっ飛ばしてーよ
・誰もお前には期待していない
・わりいけど病気なんかもしれんけど、そういうのはできない子かもしれんけど、迷惑なんだよー

裁判所は、7つのシーンすべてについて、業務上不要か、必要だとしても適正な範囲を超えて精神的苦痛を与えるものと判断した。

また、会議に同席するなど、病院のハラスメント防止責任者がこれらの発言の一端を目の当たりにしていたにもかかわらず、注意や制止をしなかったことや、復職に当たって適切な対応をとらなかったとして、安全配慮義務に反するとした。

病院側は「判決文がまだ届いておらず、確認次第、対応を検討したい」とコメントした。なお、問題となった上司はすでに退職しているという。

「バカヤロー」「ぶっ飛ばしてーよ」上司のパワハラで公立福生病院に賠償命令 東京地裁立川支部