視野の広さと類稀なる展開力を備え、中盤、そして最終ラインでもプレーができる田中駿汰。プロ1年目の2020年だったが、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で思わぬスタートとなった。

2019年U-22日本代表だけでなく、A代表としてもプレーし、飛躍の一年となったが、2020年はどんな躍進を見せるのか。新たなパートナーと共に臨むシーズンへ、強い意気込みを語った。

取材・文:菅野剛史
取材協力:ミズノ

◆「この状況を言い訳にしない」

──新型コロナウイルスの影響で長い中断期間がありました。現状のコンディションは?

「一番気にしていたのは体力的な部分だったので、まず全体練習始まってから今までは結構上げて、負荷を高めにやってこれた。結構戻りつつあります。あとは、僕らはまだ練習試合をしていないので、試合の体力がどうなっているかはわからないですけど、徐々にコンディションは上がってきています」

──キャリアを通じてサッカーをしない期間がここまで空く事は無かったと思います。この中断期間中の過ごし方、気を付けていたことは?

「中断期間は、大学の頃からやってもらっているトレーナーの方に、カラダのズレとか呼吸の使い方、体幹とかを中心に、オンライントレーニングを増やしていました」

──試合が続くシーズン中ではなかなかできないことをやられていたんですね

「そうですね。時間が無いと中々できない事なので。いい期間にはなったかと思います」

──プロ1年目のシーズンですが、その中で開幕直後にこういった形になってしまいました。心境はいかがですか?

「想定していた事とは全く違う状況になっていますけど、でもこういう状況をプラスに変えられるように、気持ちの部分ですね。この状況を言い訳にせず、自分のカラダと向き合う期間が増えたということでとらえる事ができれば、その後の再開した時により良いパフォーマンスができるのではないかと思っています」

──実際にピッチに戻ってトレーニングをした時にギャップやコンディションの部分での変化を感じましたか?

「やっぱり中断期間があって、コンサドーレは難しいというか頭を使う練習が多いので、その頭を使う練習を久しぶりにやった時は結構苦戦しました。でも、中断期間前より今はコンビネーションもいいし、コミュニケーションも取れているので、よりいいチームになっているのではないかと思います」

──個人的に何かやっていた事はありますか?

YouTubeでいろんな選手の動画を観たりしました」

──プロになって実際にベンチでチームの試合を観る、試合に関わりました。そこで感じたものはありますか?

サポーターの方がスタジアムに入っての試合というのはしたことがなかったです。あの雰囲気の中でベンチに入ることはできましたけど、実際ピッチに立つことができれば、またもっと違う感情というか気持ちになるのではないかと思います。早くピッチに立ってサポーターの皆さんの目の前で、しっかり自分のプレーというのを表現したいなと思っています」

◆「フィット感が全然違う」

──今回新たに出た『モレリア ネオ Ⅲ ジャパン』ですが、手にした印象は?

「まず、印象は『軽い』です。結構軽いスパイクが好きなので、軽いスパイクフィット感があがっていると思うので
そこが気に入っている部分です」

──スパイクを選ぶ上でこだわりはありますか?

「まずは、革のスパイクが好きなので、一番は革のスパイクを選ぶことと、あとは足にちょっとでもストレスがかからないようなスパイクが好きです。『モレリア ネオ』は何のストレスも足にかからないので、履いていてフィット感も素晴らしいですし、自分のイメージした所通りに蹴れるというか、そこは大事なポイントかなと思います」

──実際に履いてみて、軽さ以外で変わったと感じるポイントは?

「前の『モレリア ネオ Ⅱ』の時は、ローテーションしているので、履く期間が空くとちょっと革が固くなって、久しぶりに履いたらちょっと足が窮屈だなと感じる部分がありました」

「今回は、比較的柔らかいというか、ちょっと期間を置いても、中断期間とか置いていても、履いてみても全然固くならず、常にフィットする状態だったので、そこは自分としてはすごく良いポイントだと思います」

──プレースタイルポジションとして、スパイクを選ぶポイントはありますか?

「やっぱりパスの部分でちょっとでもズレたら後ろは失点に繋がるので、その繊細さという部分では、『モレリア ネオ』に関しては大分補ってくれるというか、そんなにミスが増えないので、その部分ではすごい助かっています」

──他のスパイクも履かれたことはあるかと思いますが、やはりモレリアシリーズ違いますか?

「そうですね。やっぱり全然違います。一番はフィット感が、僕としては全然違うと思っています」

◆「最初の4連戦は絶対に獲らないといけない」

──チームとしてアウェイ4連戦、関東でキャンプが行われますが、違う環境で長い間調整することはどう感じていますか?

「やっぱり北海道チームはそういう宿命というか、最初のキャンプも長めにやっていたので、またキャンプっていう形にはなります。でも、アウェイ4連戦でしっかり勝って、勝ったら勢いに乗れると思います」

「その勢いに乗ってホームに戻って、やっぱり優勝を目指しているので。そこに行くためには最初の4連戦というのは絶対に獲らないといけないと思いますし、チーム全体では理解していると思うので、アウェイ4連戦は心配はしていないですね」

──無観客での試合、サポーターが少ない中で開催されますが、影響はありそうですか?

「やっぱり、モチベーションの部分とかには繋がってくるとは思いますが、普段と変わらずテレビの前とかDAZNの前とかではたくさんの人が見てくれているという思いでやれば、自然に気持ちは上がってきます」

「でも、ゆくゆくは観客も徐々に入っていくという事なので、そこまでしっかり責任感のあるプレーをしてチームに貢献したいなと思っています」

──トレーニングにもサポーターは来れない状況ですが、普段からサポーターの方からパワーをもらっている点では影響を感じていますか?

「そうですね。やっぱり直接声をかけてもらうというのは非常に力になるので、やっぱりそれが無いっていうのは影響ありますね。こういう状況ですけど、練習もそのうち見に来てくれる形にはなると思うので、直接声をかけていただく事が増えればモチベーションに繋がります」

◆「金メダルを目標にやっていきたい」

──2019年U-22とA代表で試合に出られましたが、日本代表に対する思いは大きいですか?

「やっぱり去年初めて代表に選んでいただいてから、コンスタントに選んでもらっていたので、そこはしっかり代表に入って、初めて入ったからとかいうのでは無く、そういうことは関係なくしっかり責任感もってやらなければいけないなっていう場所が代表だと思いました」

「色々な方が観てくれているし、そういう中でやっぱりチーム、僕は大学でやっていたので、その大学でやっていた時とは全く違った感情で試合はしていました」

──U-22とA代表は同じ森保一監督が指揮しています。印象は全く違いますか?

「そうですね。やっぱりオリンピック代表でやる試合ももちろん緊張感のある試合でしたけれど、やっぱりE-1選手権っていうのは、A代表で普段やっている選手と一緒にやれたということで、試合だけでなく練習の中からでも刺激にはなったので、
とてもいい経験にはなったなと思います」

──一方で、東京五輪は1年間延期になりました。どのような心境でしたか?

「やっぱり自国開催なので、こんな事は人生で一度あるか無いかだと思います。それが延期してしまいましたけど、自分の気持ちは変わらずオリンピックに出て自分の評価をしっかり上げるっていうのが目標です」

「延期したことによってその新しい競争もどんどん生まれてくると思うので、その結果、日本の力が底上げになればいい事かなと思います。しっかり全員で争って、来年開催できれば、しっかり選ばれるようにして、金メダルというのを目標にやっていきたいなと思います」

◆「3バックの真ん中がやりやすい」

──今シーズン北海道コンサドーレ札幌で魅せたい、やっていきたいことはありますか?

「自分の特長であるビルドアップの部分はしっかりと出していきたいなと思っていますし、ボランチで出ても後ろで出てもどっちでも行けるっていうのを、森保さんも評価してくれていたと思います。そこは変わらず両方の質を上げて行って、まずはチームでしっかりポジションを掴む事っていうのを今は目標にやっています」

──システム的に五輪代表とペトロヴィッチ監督のやっているものは並びとしては一緒だと思います。クラブでのプレーを活かせそうな部分は感じていますか?

「感覚としてはコンサドーレでやっている時も、代表でやっている時も結構似たような感じでできていたので、コンサドーレでしっかりやっていれば、代表でも3バックっていうのはそつなくできるのではないかと思っています。特にミシャサッカーは結構頭を使うので、それをできれば代表にもプラスになっていくのではないかと思います」

──センターバックボランチでは、どちらがやりやすいとかありますか?

「今は3バックの真ん中が僕としては一番やり易いなと思っています」

──それは守備の面もフィードの面も含めてですか?

「そうですね。コンサドーレの3バックの真ん中はボランチ的な役割もあるので、前にも上がれますし自分から攻撃のスイッチを入れられるポジションなので、そこに最近魅力を感じて頑張っています」

──宮澤裕樹選手と似たような役割になると思います。センターバックボランチとしてプレーしている先輩から学ぶ部分・盗める部分はありますか?

「そうですね。裕樹さんは常に色んなことを考えて試合中やっているので、頭の賢さっていうのはしっかり学ばないといけない部分だなと思いますし、裕樹さんもどっちでもできるので、そこは自分もそういう裕樹さんと似たようなタイプなので、でもやっぱりプラスαで自分の良さ・違いを出していかないといけないなと思います」

ライバルであり代表でチームメイトの2人の印象

──同じ『モレリア ネオ Ⅲ ジャパン』を履き、U-23日本代表でもチームメイトの相馬勇紀選手(名古屋グランパス)の印象は?

「勇紀くんの印象は、まず預けたら大体仕掛けてクロスをしっかり上げてくれるので、そういう部分では勇紀君に渡せばクロスまで行ってくれるという信頼感は持っています」

──敵としてはいかがですか?

「敵としては結構嫌なタイプです。やっぱり真ん中をやっていると、クロス上げられると中々マークにつくのも大変なので。できればクロス上げさせてほしくないですけど、勇紀君だったら結構打開して上げてくると思うので、そこは敵としては嫌だなと思います」

──同じく『モレリア ネオ Ⅲ ジャパン』を履く旗手怜央選手(川崎フロンターレ)はいかがですか?

ボールを持たせたら何かするっていう選手なので、パスもドリブルも両方できるので、どっちか抑えてもパスで崩したり、シュート防いでもいろんな所にラストパス出せます。そういう部分ではやっぱりゴール前でボールを持たせたら結構危ない選手だなと思います」

──それでは、最後に相馬選手への質問をお願いします

サイドの1対1、勇紀君は切替してでもクロスを上げられるので、その1対1の時にディフェンスのどこを見ているのか、どこを見て仕掛けるかを聞きたいです」

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