法廷ものの最高傑作と評される「十二人の怒れる男」が9月11日(金)〜10月4日(日)、東京・Bunkamuraシアターコクーンで11年ぶりに上演。一人の少年の命を懸けた12人の陪審員たちによる緊迫の法廷劇で、堤真一らが陪審員役を演じる。

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1954年にアメリカのテレビドラマとして放送され、1957年にはこの作品に惚れ込んだヘンリー・フォンダが脚本のレジナルド・ローズとの共同製作で映画化した一作。ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞した他、アカデミー賞で作品賞や監督賞、脚色賞にノミネートされた。

2007年にはロシア人監督ニキータ・ミハルコフによって、舞台設定を現代のロシアに置き換えて映画化され、ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞やアカデミー外国語映画賞にノミネート。

日本でも筒井康隆の「12人の浮かれる男」や、三谷幸喜の「12人の優しい日本人」など、インスパイアされた作品が数多く存在している。

シアターコクーンでは、2009年11月に当時の芸術監督・蜷川幸雄の演出で上演。同年5月から日本でも裁判員制度が始まるというタイムリーな作品として話題を呼んだ。

あれから11年。シアターコクーンの演劇シリーズ「DISCOVER WORLD THEATRE」第9弾として、イギリス人演出家のリンゼイ・ポズナーを迎えて上演。ポズナーにとって、初のシアターコクーン登場となる。

映画版でヘンリー・フォンダが演じた、カリスマ性あふれる鋭い知覚を持ち思慮深い陪審員8番を堤真一が演じるほか、さまざまな世代のキャストが登板する。

率直で礼儀正しいが仲間意識を好む陪審員長(陪審員1番)にベンガル。

型にはまった思考を持つ控えめな陪審員2番に堀文明。

騒々しく興奮しやすく息子との関係に問題を抱える陪審員3番に山崎一

雄弁な自信家、冷静沈着で論理的に意見を主張する陪審員4番に石丸幹二。

厳しい労働階級の環境で育ち、自分の考えに自信を持てない陪審員5番に少路勇介。

人情に厚い塗装業者で公平性の持ち主だが自分の鋭い意見はない陪審員6番に梶原善。

シニカルな冗談好きで野球の試合に間に合うことばかり考えている陪審員7番に永山絢斗。

謙虚で公平な分別を持つ一番の年長者陪審員9番に青山達三。

自己中心的で威張り屋、人種差別な側面を持つ陪審員10番に吉見一豊。

教養がある知的な紳士だが気難しさを持つ陪審員11番に三上市朗。

見た目は良いが調子のよい広告マン、裁判にもあまり真剣に取り組む気がない陪審員12番に溝端淳平

お互いの名前も知らないままの激論の果てに、それぞれが虚栄心を引き剥がされ、弱みをさらけ出し、ぶつかり合うことになる男たちによる、緊迫の会話が繰り広げられる。

■ ストーリー

蒸し暑い夏の午後、一人の少年が父親殺しの罪で裁判にかけられる。

無作為に選ばれた12人の陪審員たちが、有罪か無罪かの重大な評決をしなければならず、しかも全員一致の評決でないと判決は下されない。

法廷に提出された証拠や証言は被告である少年に圧倒的に不利なものであり、陪審員の大半は少年の有罪を確信していた。

予備投票の結果は有罪11票、無罪1票。だが、ただ一人無罪票を投じた陪審員8番が発言する。

「もし、我々が間違えていたら…」という彼の言葉に陪審員室の空気は一変。男たちの討論は次第に白熱したものになっていく。(ザテレビジョン

「十二人の怒れる男」が東京・ Bunkamuraシアターコクーンで11年ぶりに上演。1957年の映画版でヘンリー・フォンダが演じた陪審員を堤真一が演じる