◆■湘南ベルマーレ 負傷選手の復帰と戦術理解度の成熟度がチーム力を増している

プラス材料】
 5月の終わりに練習を再開して5週間余り。チームは徹底した感染予防対策の下で段階を踏みながらコンディションを高めてきた。

 開幕前は攻撃に重きを置いてトレーニングを重ねたが、2-3で惜敗した浦和レッズとの開幕戦も念頭にあろう、この中断期間には守備のディテールも併せて見つめ直し、共有を深めている。

 約4カ月に及んだ中断期間を経て、負傷離脱していた選手の多くが復帰した。トレーニングではメンバーシャッフルしながらさまざまな組み合わせが試されており、チーム内の切磋琢磨は活性化。誰が出ても変わらない戦い方が鍛えられている。層の充実に伴うボトムアップは、今後続く連戦を踏まえても好材料に違いない。

マイナス材料】
 プラス材料でも触れたように、コンディション調整やチームとしてやるべきことの共有は、開幕前よりも整理されているように感じられる。

 あえてマイナス材料を探すとすれば、試合勘の部分か。トレーニングを再開して以降、練習試合も毎週行っているが、公式戦はまた別物のはず。リモートマッチや5人交代制という慣れない要素を含め、展開は読みにくい。

 今節迎えるベガルタ仙台との通算対戦成績は14勝9分23敗と分が悪い。ホームでは11勝4分9敗とかろうじて勝ち越しているが、リモートマッチではホームの利は小さいかもしれない。スタンドからの声援こそないものの、画面越しにエールを送るファンサポーターへ、今季リーグ戦初勝利を届けたいところだ。

文=隈元大吾
 

◆■ベガルタ仙台 戦術の浸透と西村の加入はプラスだが、主将のケガはマイナス

プラス材料】
 思わぬ形で中断期間が続いたが、戦術の浸透に使える時間が得られたことは最大のプラス材料だ。今季からチームを率いる木山隆之監督は、キャンプ中に多くの選手が負傷したこともあり、新チームでの戦術構築に時間を要していた。中断期間に新システムの4-3-3でも練習ができたことは大きい。

 キャンプで負傷したFW長沢駿、FWアレクサンドレ・ゲデスらが全体練習に復帰したことも大きい。前線の組み合わせはバリエーションに富んでおり、相手の脅威になるはずだ。

 また、中断期間中にはFW西村拓真が2018年以来の復帰を果たした。同年に行われた湘南とのリーグ戦2試合で3ゴールを挙げた点取り屋の存在は心強い。

マイナス材料】
 最大のマイナス材料は、守備陣の主力選手にケガ人が出たこと。キャプテンのDFシマオ・マテが、練習中の負傷で全治約8週間の診断を受けたことは特に痛手だ。また、GKヤクブ・スウォビィクも全体練習から外れており、代わって出る選手の奮起が必要だ。

 2020年の公式戦でまだ勝てていないことも不安材料。JリーグYBCルヴァンカップは黒星で、リーグ戦は引き分けでスタート。今季は降格がないとはいえ、新体制での戦いで自信をつけるには白星が必要である。

 再開初戦が移動距離の長いアウェイゲームというのも厳しい。再開後のカードは近隣の対戦相手が基本的に組まれているが、仙台はそうではない。平塚までの移動距離は長く、また通常と違ってファンサポーターの後押しも得られない状況。コンディション調整にはかなり気を遣いそうだ。

文=totoONE編集部
    

対戦成績は仙台に分があるが、戦術浸透度の高い湘南も負けてはいない [写真]=J.LEAGUE