北朝鮮国営の朝鮮中央通信は4日、日本の自由民主党が「敵基地攻撃能力」に関する議論を始めたことに対して「再侵略の道へ突っ走る危険極まりない振る舞い」と非難する論評を配信した。

安倍政権は北朝鮮弾道ミサイル発射に対する危機感が強まっていた2017年12月、ミサイル防衛の一環としてイージス・アショアの導入を閣議決定したが、先月、河野太郎防衛相が撤回を表明した。一方、安倍晋三首相は導入撤回を踏まえて、安全保障戦略のありようについて「新しい方向性をしっかりと打ち出し、速やかに実行に移していきたい」と表明。これを受けて自民党内で敵基地攻撃能力の保有に関する議論がはじまった。

論評はこうした動きに対して、「日本は軍事大国化へ猛疾走し、攻撃能力保有の野望をしつこく抱いてきたが、それがこんにちのように明白な志向性と現実性を帯びて露骨に推進されたことはかつてなかった」と指摘した。

また、「敵国の汚名もすすげなかった日本がまたもや分別を失い、再侵略の道へ突っ走る危険極まりない振る舞いは、世人の懸念と糾弾をかき立てている」と述べた。

そのうえで、「日本は、自分らの無分別な軍国化策動がみの着て火事場へ入る愚かな自滅行為であることをはっきり認識し、軽挙妄動してはならない」と強調した。

12月28日、朝鮮労働党中央委員会第7期第5回総会で演説する金正恩氏(2019年12月29日付朝鮮中央通信)