「これは画期的!」目から鱗の超絶インパクトを残すも広まらなかったクルマの装備5選

便利だから広まるとは限らない!

 自動車の技術、装備には、インパクト十分に登場したものの、その後、なにかしらの理由で使われなくなったり、ライバルメーカーいっこうに追従しないものがある。

 古くは、スバルのワゴン系に採用されていた、ラゲッジルームの換気扇があった。採用の目的は、魚釣りに出掛けた際、釣った魚をラゲッジルームに積んでも、生臭い臭いが解消できる……と記憶している。が、その後、アウトドア全盛の時代になっても、採用なし。理由は、おそらく、それほど効果がなかったのと、換気扇が発する騒音が受け入れられなかったと推測する。当時、ラゲッジにペットを乗せている愛犬家にも、ペット臭の消臭機能として一瞬、いいと思えたのだが、わが家の初代自称自動車評論犬!? ゴールデンレトリーバーによれば、犬は聴覚に優れているため、やはりノイジーわん!! というダメだしがあった。

画期的だったのに広まらなかったクルマの装備

 ノイズ、という点では、スズキ・スペーシアや、最近では日産ルークスなどに採用されている、後席天井に設置されたサーキュレーターがある。たしかに、容量系軽自動車の車内空間は広すぎるほど広く、インパネのエアコン吹き出し口からの冷風だけでは、車内を均一に冷やせない。後席に幼児を乗せる機会も多い、この種の軽自動車では、子供の熱中症も心配だけに、個人的にはあっていい快適装備に思える。

画期的だったのに広まらなかったクルマの装備

 が、ホンダN-BOXダイハツ・タントには採用されていない。なぜ、追従しないのか。そのひとつの答えが、タントに開発陣から聞いたこの理由だ。

「リヤサーキュレーターの問題点として、やはり騒音があります。それが、頭のすぐ上にあり、お客様からのクレームになりやすいのです」。なるほど、そこで改めて、スペーシアルークスの後席に座り、リヤサーキュレーターをONにしてみた。風量調節は4段階あり、1/2段階目では、停車中でもほぼ気にならないレベル。走行中ならまったく気にならない。が、3/4段階の強風!? にすると、走行中でもウィーン、ブィーンというノイズが耳につくようになる。もっとも、暑さとどっちを取るか? と言われれば涼しいほうがいいに決まっていそうだが、ユーザーのなかにはそれをよしとしない人もいて、タントはあきらめたのだろう。

 かつて、ミニバンに採用されていた消臭天井も今ではみかけない。天井の内張りに消臭効果のある素材を使っていたと記憶するが、これもまた効果が実感しにくい技術、装備だったかもしれない。禁煙ブームの今では、あったとしてもそれほど歓迎されないはずだ。もちろん、コスト的にもそのぶん低減できるのだ。

画期的だったのに広まらなかったクルマの装備

目から鱗のアイディアだけどよく考えると……

 今ではなつかしい、トヨタの名車、マークIIの6代目に用意されたサイドインドウワイパーも、完全に過去に葬り去られた技術、装備だろう。こんなものがあったら雨の日の視界確保に便利かも、という良心の発想で登場したはずだが、なにしろ見映えが悪い、カッコ悪い。撥水剤などを使えばほぼ解消できることもあって、姿を消したのだろう。

画期的だったのに広まらなかったクルマの装備

 今でもごく一部の車種にある装備で、これまた、他車が採用しないそうびとしてあるのが、スズキ・ワゴンRや、歴代ホンダN-WGNが採用する傘の収納。ワゴンRはリヤドアに(水抜け穴あり)、N-WGNは後席下(水抜け穴なし。2代目は脱着式)にあるのだが、N-WGNの場合は傘だけでなく、靴や小物も置けるから、収納のひとつとして便利であることは間違いないが、傘専用スペースまではいらない……と考えるユーザーが多いのだろう。普及しない便利装備!? のひとつである。

画期的だったのに広まらなかったクルマの装備

 最後に紹介するのは、先進性はバッチリながら、採用が拡大しない機能装備の、レクサスESに用意されたデジタルアウターミラーだ。これは2018年10月に発売された当時、量産車世界初の技術であり、まさにドアミラー革命!! と思われた。

 その技術は、従来のドアミラーに相当する部分はあくまでカメラ。その後方画像を、左右Aピラー部に設置されたモニターに映し出すというもの。ドアミラーに相当する部分がコンパクトなため、それによる死角が低減、同時にドアミラーによる風切り音の騒音低減、見え方の自由度(画角、明暗)、雨の日の視界の向上……など、さまざまメリットがある、ように思える。

画期的だったのに広まらなかったクルマの装備

 しかし、先進装備に積極的な輸入車を含め、追従する自動車メーカーは今のところ、見つけにくい。レクサスESではオプションということもあって、装着率にしても決して高くないのである。

 実際、体験してみると、慣れなのか、ドアミラーで確認すべきときに、うっかりカメラ機能しかないドアミラー部分に目が行ってしまいがちだし(後方確認が一瞬遅れる可能性/慣れの問題だが)、老眼の筆者にとっては、ドアミラー画像を映し出すモニターの瞬間的な焦点が合いにくかったりしたのである。また、後続車との距離感をつかむにも慣れが必要に感じられた。愛車として複数台を所有していて、一般的なドアミラーデジタルアウターミラーが混在していれば、後方確認の仕方の切り替えも気になるところ。

画期的だったのに広まらなかったクルマの装備

 こうしたミラー関係では、ルームミラーに後方カメラ映像を映し出すシステム軽自動車にも用意されている時代だ。こちらは、いつものルームミラーと同じ位置、画面であり、ラゲッジルームに荷物を目いっぱい積んで、リヤウインドーからの後方視界が遮られるように場面でも(そもそもそうした荷物の積み方はいけないが)、しっかりと後方視界を確保できるメリットがあるのだが、デジタルアウターミラーには先進性のアピールはあっても、エクストラコストを払うだけのユーザーフレンドリーな魅力、説得力がないということかもしれない。

画期的だったのに広まらなかったクルマの装備

 ただし、年内発売予定のホンダの小型電気自動車Honda eには、アウターカメラインパネ左右端のアウターミラーの代わりになるモニター(「SideCamera Mirror System」)が”標準装備”されるようだが、こちらはドアに小さなカメラユニットの突起(シャークアンテナのような感じ)があるだけ。空気抵抗の向上、風切り音の低減につながるのはもちろん、よりスマートに、さりげなく感じられるし、先進感たっぷりのEVコミューターとの相性はよりいいように思える(見え方は未確認だが)。

画期的だったのに広まらなかったクルマの装備

画期的だったのに広まらなかったクルマの装備

「これは画期的!」目から鱗の超絶インパクトを残すも広まらなかったクルマの装備5選