「箸の持ち方」が注目を浴びる回数は少なくない。持ち方をめぐってネットユーザーが対立することもある上に、2020年には2度ツイッターでトレンド入りするなど、話題となる頻度は増えてきている。

「箸の持ち方」は、これまでにネット上で度々話題となってきた。なぜこのワードは注目され、荒れてしまう場面もみられるのか。J-CASTニュースはITジャーナリストの井上トシユキ氏に取材した。

2016年頃から「持ち方」論争が加速

確認できる最初のトレンド入りは2013年11月25日で、次に14年11月11日だ。どちらもテレビ番組で出演者が見せた、箸の持ち方がきっかけとなったようだ。

その後のトレンド入りを見てみよう。16年9月22日にはユーザーツイートがきっかけ。「まともな人間を見抜く方法」として避けるべき人の特徴を挙げる内容で、その中に「箸の持ち方がおかしい人」が含まれていた。これを受けてか、

「箸の持ち方おかしい人は指摘したら開き直る」
「出来てない人は親が教育しなかったんだなって思う」

といったツイートや、反対に

「そもそも正しい持ち方とか考えたの誰だよ!もっと持ちやすい持ち方考えろよ」
「直す気はありませんな!!めんどくさい!」
「箸の持ち方が悪いからって両親の躾が悪い!とか言われるのはちょっと」

といった少々荒れたツイートが多くみられる。この頃から「箸の持ち方」がトレンド入りする度に、持ち方にこだわる人とそうでない人によるツイートがあふれていった。

17年11月29日には「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系)で、俳優の志尊淳さんが「好きな人の箸の持ち方が変だったら 引く?引かない?」を議題に出したことがきっかけとなったようだ。こちらでも「箸の持ち方ってすごい気になるよね」や「『箸の持ち方がおかしい=親の教育がなってない』系のツイートがけっこうあってショック」など意見は分かれている。19年6月14日には、娘が小学校教諭から「お箸の持ち方がおかしい。お嫁にいけんよ」と言われたとの体験談ツイートが議論を呼んだ。

20年2月4日には、小学生ユーチューバーの「ゆたぼん」さんの父親がツイッターに投稿した写真が発端。これを受けてか、米メジャーリーグダルビッシュ有選手が、自身の箸の持ち方を動画で披露しながら、持論をツイートした。そして6月23日には、「箸の持ち方が汚い」と他人を嫌う人の態度についてのツイートが議論を呼び、ダルビッシュさんも「また箸の持ち方がトレンド入りしてる」と反応していた。

ポイントは「拡散しやすさ」と「ストレス発散」

井上トシユキ氏は「箸の持ち方は使いやすい話題」だと指摘し、何度も話題になる原因について、「2つの理由がある」と語る。

「1つは日本人なら誰でもお箸の持ち方について話ができ、簡単に拡散しやすい。みんな親や彼氏・彼女から『変な持ち方と言われた』といった形で、みんな1つの思い出や言いたいことのようなものがある。自分の言いたいことを言える場ができるということもあり、議論としても面白く、皆が参加しやすい」
「もう1つは、お箸の持ち方から入って、『だから育ちが悪いんだ』『だから性格が悪いんだ』などと他人の悪口を広げやすく、そういう形でストレス発散のようなものとして使われやすい」

コメント。また、2000年代からネット掲示板などでも話題となることがあったか、との記者の質問には

「そうなんだと思います。基本的にアイドルが何かを食べるような番組などが話題になると、『箸の持ち方が変だよね』『親のしつけがなっていないからな』といったことを必ず言う人がいた。そうすると、『そうだよね』とか『いや、それぞれの家庭の方針なのだから、外野がとやかく言うことではない』という形で、色んな人がわーっと参入してくるのはよく見られた傾向でした。やはり日本人は『お箸の持ち方から入っていって話をする』というのが基本的に好きなんだと思います」

と答えた。最後に

「『お箸の持ち方ってのはマナーの問題だからちゃんとした方がいいんだ』みたいなことを言う人も居ますけど、一方で『ナイフフォークの使い方』などでここまで話題になるっていうことはないんですよね」

と、箸が日本人の「共通項」であることを強調した。

箸の持ち方、なぜ何度も話題に?(画像はイメージ)