テレワークで、上司とのコミュニケーションがチャットという人も多いのでは? でも、チャットに慣れず、既読スルーや返信を一言で済ませるなんてことの多い上司に「うんざり……」しているかも。こんな上司にはどう対処したらいいのでしょうか。

 ビジネスマナーコミュニケーションに詳しいビジネススタイリストでマナーコンサルタントの西出ひろ子さんに、対処法を教えていただきました。

「既読スルーに対しては、上司は読んだであろうことは分かっているので、あなたもスルーして。あくまでも、ビジネスチャットです。要件を相手が読んでいるのであればそれでよいという、シンプルな考え方を身につけると楽になれますよ。マナーは、相手に『こうしなければいけない』と強要するものではないのです。どうしても返答が必要な案件の際には、『誠に恐縮ですが、○○の件はこのまま進めてもよろしいでしょうか』とか『○○の件はいかがでしょうか』などと、上司に問い合わせるコミュニケーションをとってみましょう。既読スルーされても、気にしないことです」

 では、一言しか返してくれないことについてはどうすればよいでしょうか?

「もともと、チャットは一言で簡潔なコミュニケーションをとることが目的のものですので、一言の返信に対してマイナスな感情を持つ必要はありません。もちろん、一言の返信は無味乾燥でそっけなく、マイナスな感情になってしまうことは理解できます。とはいえ、ここはあくまでもビジネスと割り切りましょう。見方によっては、そのように返信してくる上司は、貴女が一言で返信することに違和感を覚えることがありませんから、かえって楽でもあるのです」

 そして、西出さんはまとめとして、次のことをアドバイスします。

「マナーの本質は『相手の立場に立つ』ことです。相手への思いやりの心、優しさを持つことです。仕事をしていると、さまざまな年代の人とコミュニケーションをとらなければなりませんが、自分の感覚や考えと同じ人はいない、と思っているほうが楽になれますよ。そう考えたときに、困った上司にはテレワーク以前からも困っていたのではないでしょうか。まずは、あなた自身がストレスをためずに、心地よくお仕事をするための心得として、『マイナスに感じる人のことは気にしない自分づくり』をオススメします」

 困った上司に対して、全般的に対処できそうなアドバイスですね。何か困ったことが起きたら、ぜひヒントにしましょう。

アサジョ