好調なスタートを切った巨人にとって、喉に刺さった小骨となるのだろうか。菅野智之投手(30)が6月26日神宮球場でのヤクルト戦で6回に突如崩れ、5失点KOを喫したのだ。

「“神宮の呪い”が今季も解けないと、巨人首脳陣は頭を悩ませている。菅野はプロ入り後、神宮で10試合登板し、1勝6敗、防御率5.76とほとんど勝てておらず、今回も不安視されていた」(スポーツ紙記者)

 昨年は4月25日に登板し、4回途中で3本塁打を浴びて7失点と大炎上。以降はホームでのヤクルト戦すら避けることになった。

「本人も神宮でだけ“イップス”に陥っているように見えます」(同前)

 なぜここまで相性が悪いのか。巨人関係者は「菅野は『覚えようとして身に付けられなかった球種はない』と豪語するほど指先の感覚が繊細で、精密機械のような制球力が持ち味。その投球スタイルと、神宮球場の構造がかみ合っていないように見えます」と指摘する。

 神宮はグラウンドが複雑に傾斜しており、ホームベースからは外野手の足元が見えないほど。水はけをよくするために50cmほど下りの傾斜が付いているのだが、「この傾きで、投手の想定よりも打球が伸びやすくなっている」(同前)。

 また、ビジター用ブルペンに問題があるという声も。

「ビジター側はすごくマウンドの傾斜がきつい。一方、試合のマウンドは低くてなだらか。だからブルペンで投球練習をして試合で投げると、傾斜に慣れなくてボールが高めに浮きやすい。加えて足元もどんどん掘れてくる。菅野は低めへの制球力が生命線で、長身から角度をつけて投げ込むため、このマウンドには合わないんですよ」(神宮関係者)

宮での登板から逃げるという決断も?

 26日の登板でも、立ち上がりこそ直球で押す万全の投球だったが、途中から変化球コーナーギリギリを狙って球数がかさみ、最後はスタミナ切れに。

「菅野は完璧主義な性格なので、変化球ボールになると躍起になって投げ込んでいく。もっとざっくり直球勝負をすれば球数も減るのだが、プライドが許さないようです。抱えている腰痛への不安もあるのかもしれません」(前出・記者)

 昨季は春先から腰痛に苦しみ、11勝6敗、防御率3.89と本来の実力は発揮できず。再起を期した今季は、腕から始動する新しいフォームを導入した。

ヤクルト戦はコンディションの回復と、新フォームの効果を試すテストでもあった」と前出の巨人関係者。だが結果は落第といえる。

「今後は神宮での登板から逃げるという決断も必要でしょう」(前出・記者)

 逃げるは恥だが、菅野と巨人の役に立つ?

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年7月9日号)

山田哲に逆転2ランを浴びて肩を落とす菅野 ©共同通信社