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image credit:Redefine Meat

 本物の動物の肉に”人工肉”は進化をし続けている。2040年には世界の肉の60%が、植物由来や培養肉から作られた代替肉に置き換わるだろうという研究結果も報告された。

 その理由は主に環境保護によるものだ。畜産動物の飼育はCO2排出や、農地改革、河川や海の汚染に影響をもたらすことが、科学的研究で明らかになっている。

 ゆえに各企業は、食肉に置き換わる人工肉の開発に力をいれているのだ。味や食感、色、コストなど全ての面において、いかに本物の肉そっくりにできるかが成功のカギとなっている。

 今回、イスラエルのスタートアップ企業が、独自の3Dプリンターと食用インクを使って植物由来のステーキ肉を開発したそうだ。試食したシェフは、「10人中8人は見分けがつかないだろう」と感想を述べたという。

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2040年、世界の肉の60%が人工肉に置き換わると予測される(米研究)
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3D-printed fake meat: The healthier, greener future of food?

スタートアップ企業が植物ベースのステーキ肉を開発

 イスラエルのスタートアップ企業『Redefined Meat』は、特許申請中の独自の3Dプリンター技術を使用し、植物ベースのステーキ肉「Alt-Steak」を開発した。

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image credit:Redefine Meat

 同社は、肉の専門家やシェフ、食品技術者スイスのフレーバー&フレグランス企業Givaudan(ジボダン社)の協力を得て、外観、食感、そして最も重要な“本物の牛肉に近い”味のステーキを作成することに成功した。

 Alt-Steakは、筋肉、脂肪、血液の模倣において個別の植物ベースを配合させることにより完璧なステーキとなり、調理して更に盛られたそれは実に本物の肉のようだ。

 本物の牛肉との違いは、高たんぱく質で低カロリー、コレステロールゼロというヘルシーステーキであり、何より生産過程において持続可能であることだ。

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image credit: youtube

精密な3Dプリンター技術が生み出す組み合わせがカギ


 Redefined MeatのCEO(最高経営責任者)および共同創設者のエスカー・ベン―シトリット氏は、Alt-Steakについてこのように述べている。

我々は、企業当初から牛肉のステーキに代わる美味しくて手頃な値段の植物ベースの食品を作ることに取り組んできました。

大量生産を可能にし、かつ品質と栄養の両面においてレベルの高い代替肉製品を作るには、これまでにない新たな技術と生産プロセスが必要です。

Alt-Steakは、精密な3Dプリンター技術を使用することで、食感、色、フレーバーおよびこれらの組み合わせを実現することを可能にしました。

タンパク質、脂肪、自然の色合い、味などが牛肉と同等の要素のように機能するよう、正確に配置された“非常に複雑な食品”といえるでしょう。


10人中8人は本物の食肉と思うだろう、とシェフ


 この植物由来肉の宣伝のために、Redefined Meatイスラエルのシェフを招待し、試食を依頼した。

 プロのシェフによると、Alt-Steakの味は牛肉と「ほぼ同じ」であり、「10人に8人はおそらく実際のステーキと見分けがつかないだろう」ということだそうだ。

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 食用インクにおいては、植物由来の成分として豆類や穀物のたんぱく質、植物性脂肪、ナチュラルフレーバーと自然食で作っており、実際の牛ステーキのように赤い血や肉汁が滴るが、それは非常に精巧な模倣といえよう。


3D-Printed Meatless "Steaks" from Redefine Meat

 今後、世界中の肉販売業者に広く宣伝していく目的を持つRedefined Meatは、3Dプリンターと食用インクの両方をプロデュースしており、全てにおいて自信をみなぎらせている。

当社の3Dプリンターは、本質的に各成分を非常に正確に取得する方法を知っているとても複雑なロボットのようなものです。この技術を利用して、代替肉製品を速いスピードで生産できるという利点もあります。(シトリット氏)

 なお、過去にも3Dプリンター技術を使用したNova Meat社が植物由来のステーキを開発済みだが、今後更に別の企業が新たな技術を用いて開発した肉代替製品も出現するかもしれない。


written by Scarlet / edited by parumo

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http://karapaia.com/archives/52292410.html
 

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