「テレフォン人生相談」(ニッポン放送・月~金曜11時~)先週のハイライト。今回ピックアップしたのは7月2日(木)放送の柴田理恵パーソナリティー回。

【画像】大迫恵美子のコメント

 金銭トラブルで離婚の危機にある息子夫婦を心配した父親からの相談だが……。

●借金があることは分かって結婚したくせに……!

 相談者は60歳男性。妻55歳。結婚3年目の長男30歳。その妻32歳。2歳になる孫がいる。

 「息子夫婦がちょっとお金のことで揉めてですね。なんか嫁さんが2、3回出ていったりとかしてですね。『離婚する、離婚する』とか言って、そういう状態なんですけど」

 金銭関係で揉めているという息子夫婦。若い頃に事業をしていた息子はデカい借金を抱えてしまい、その後、今の妻と付き合いだして「借金があるけど結婚したい」ということで夫婦となった。

 「嫁さんの方も仕事してるので、『ふたりで返していこう』という約束で結婚したんですけど、子どもができて育児休暇は取ったけど、仕事でなんかイヤなことがあったのか知らないけど『辞める』と言って……」

 息子の方は仕事を辞めてほしくなかったようで、それをきっかけに関係が悪くなってしまったという。

 「その借金っていくらぐらい?」

 「まあ、200万弱ですね」

 「奥さんとしては、仕事を辞めて子育てに専念したいってことなんですか?」

 「うんうんうん、1年くらいは子育てしたいということで。息子の方は(借金返済の)不安があるもんで『働いて欲しい』と何回か言ったんだけど、それで夫婦げんかになっちゃって。うちの息子は言葉が悪くて……」

 実家に帰ってしまった妻は「(息子の言葉の暴力が)怖かった」と語っており、離婚する方向に気持ちが傾いているようだ。

 しかし相談者の口ぶりからは「最初から借金があることは分かって結婚したのに」という思いがにじみ出ている。

 「それでも結婚したわけですから。でも、それをチクチクチクチク、嫁さんが、ウチの息子に『けんかした時にいろいろ言う』とは言ってましたけど」

 さらに、借金200万円の中には夫婦ふたりで使った金も含まれていると主張。

 「200万っていうのは、結婚式のをプールして今200万なんですよね」(「プール」は普通、「蓄える」というような意味合いで使われるが、この相談者は「合算」的な意味で使っていると思われる)

 「てことは息子さんが事業で失敗したお金と……」

 「結婚したお金がプールして、もうだいぶ払ってるんですけどね。それまではもっと金額が多かったみたいですけどね」

 息子夫婦は、ただでさえ借金があるのに、結婚式や新婚旅行のためにローンを組んで、さらに借金を増やしてしまったのだ。

●多くの夫って夫婦のことを何にも考えていない

 この日の回答者は弁護士の大迫恵美子。

 まず、相談者の息子自身が、今の自分たちの状況について、何が問題だと考えているのかを確認した。相談者の回答はこうだ。

 「言葉の暴力のことでそういう風になったのかなあ、と思うし。どうなのかちょっと……」

 「……という風に言ってるんですか?」

 「嫁さんの方がですね」

 なぜか息子の見解ではなく、相談者の妻づてに聞いた、息子の妻の見解を答える相談者。

 「私が伺っているのはね、アナタの息子さんが今回のトラブルの原因について、どんな風にアナタに説明してますかってことです」

 「今言ったように、言葉できつく言ったっちゅうことは言ってましたよ、本人も」

 「それは反省してるっていうこと?」

 「『それは反省してる』って言いました。自分も悪かったけど、共働きしながら返していこうよって言ったのが、なかなか妻が聞いてくれないってね、ぼやきよったのは聞いてますし」「うちの息子としちゃあそんなん、どこの家庭でもね、借金があったら共働きしながらでも生活していったらいいんじゃないのということでね。だから僕もそう思うし。それで、うちの息子もちょっとイラついたというか、納得できないっちゅうか……」

 息子の側に肩入れしすぎている相談者を、大迫が突き放す。

 「夫婦関係がなぜ悪くなっているのかね、アナタの話があまりにも間接的ですし、どうしてこんなことになっているのかをアナタの息子さんが正確に理解しているのかどうかもよく分かりません」

 大迫の弁護士としての経験によると、妻が実家に帰ってしまったなどのトラブルが起こった際、夫の方に「なぜアナタの奥さんは今、実家に帰っているの?」と聞くと、ほとんど理由が分かっていないという。逆に妻の側に話を聞くと、事情がよく理解できるのだ。

 「結婚生活に対しての考え方がおそらくね、夫と妻では違うんだなっていう風に、私は納得してますけど」「だから、息子さんのお父さんであるアナタがね、問題点はこの辺だろうっておっしゃってることが正しいかどうか分からないので、夫婦が仲良くするにはどうしたらいいですよってアドバイスも非常に難しいです」

 その上で、状況は結構深刻に思えると指摘した。

 「男の人はね、ある程度機能不全になった夫婦の間でもやっていけるんですよ」「奥さんの方は、それは耐えられないので、先に行動を起こしちゃうっていうことが、この年代ではありがちなんですよ」

 そんな状況でも夫は「仲はあまり今、うまくいってないけど、そこまでひどくはないよ」くらいに思っているケースが多いという。

 「ああ……。じゃあこのままそっと、ふたりで……」

 「あのね、『そっと』ってすぐおっしゃるけど、そっと以外のこと、どういうことができると思ってます?」

 「まあ……ないですよね」

 「ないでしょ。少なくとも親には何もできませんよ」

 できることは、「お前に悪いところがあるんだったら、心から謝って二度とするな」と厳しく言ってやることくらいだという。

 「ああー、じゃあ夫婦げんかしても、暴言は吐かないということを約束させた方がいいってことですか?」

 「それはだって……やっちゃダメでしょ。そこのところの価値観を共有してますか? アナタ自身がね、『腹が立ったらしょうがないよ』って思っていませんか?」

 「うーん、多少はありますね。ええ」

 「今時、そんなことは通用しませんよ。ちょっと気持ちが高ぶった時に、暴言がちょっと出ましたみたいなことでは納得してもらえないですよ」

 旧態依然とした夫婦観を持つ相談者の発言が大迫恵美子のスイッチを入れてしまったのか、ボンクラ息子と“世の夫”に対するキツイ批判が飛び出した。

 「多くの夫って何にも考えてないんですよ、夫婦のこと。そうじゃなくて、この2年間のね、子育てしている間のお嫁さんの、ものすごいストレスもあったと思うんですよ。そういうホントに大変だった時に『借金のために働いてくれ』なんて言われてね。『じゃあその間、アナタ家事手伝ってくれてんのか』みたいな」「子どもを産んで身体もヘロヘロなのに。朝から晩までものすごいストレスがかかってね、必死で子ども育ててるのに、なんか脳天気に『俺のご飯は?』みたいな人がね、もうひとり家にいるってことでさえもイライラするくらいの感じです」

 柴田理恵が引き取る。

 「借金だらけで、しかも結婚式の借金までしてるって変な話だから、そういうことに気が付いたんじゃないですかね、奥さんの方は。こんなの変だなって。だから放っておくのが一番だと思います」

 夫は夫婦関係に問題が起こっていても大体気付いていないという大迫恵美子の指摘は耳が痛い。子育てや家事で妻がボロボロになっているのに、夫の方は「仕事をしている、していない」で判断してしまう。こういうケース、世の中にいっぱいありそうだ。

 とにかく、夫婦関係の問題が見えていないボンクラな息子の悩みに、ボンクラなオヤジが出てきても役に立つことはないというのが今回の教訓だろう。妻に関する悩み相談は、母親にした方がまだマシかもしれない。

ねとらぼGirlSide/北村ヂン

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