毎日の習慣である歯磨き。きちんと磨けていると思っているアナタ、本当にそうでしょうか? よかれと思ってやっている口元ケアが、実は歯にダメージを与えていることもあるんです。一体どんなケアが間違っているの? 表参道矯正歯科の、川崎健一先生に聞いてみました!

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●食後すぐに歯磨きをする

「歯の表面は、エナメル質という硬い組織で出来ていますが、お口の中が酸性になると、エナメル質がもろい状態になってしまいます。なので、炭酸飲料やドレッシングなどを多く取って、お口の中が酸性になっている状態で歯磨きをすると、エナメル質がダメージを受けるリスクが出てきてしまいます」(川崎先生)

食後まっさきに歯を磨いてるという人、結構多いのでは? 歯を磨くのは、食後15~30分程度置いてからが◎。唾液の働きにより口の中が中和され、“再石灰化”という作用によって、エナメル質を再び硬くしてくれるんだそうです。

歯ブラシを濡らしてから歯磨き粉をつける

歯ブラシを濡らしてから歯磨きをすると、ハミガキ粉が素早く泡立つので、短時間で『磨いた気』になり、汚れや細菌が落ちていない場合があります」(川崎先生)

当たり前かのように、水に濡らしてから歯ブラシを使っていました……。効果的に歯を磨くには、乾いた歯ブラシにハミガキ粉をつけて磨くのが正解なのです。

●かたい歯ブラシを使う

歯ブラシの毛先は、細くて柔らかいもののほうが歯と歯の間や歯と歯ぐきの間(歯周ポケット)などの隙間に入りやすく、磨き残しが少なくて効果的です」(川崎先生)

柔らかめだと、イマイチ磨いた気にならないんだよなーという方、気持ちはわかりますが、固い歯ブラシでゴシゴシ磨くと歯が削れてしまったり、歯茎が下がる原因にもなってしまうそうですよ! 注意!

●歯を強く磨く

「毎回強いブラッシングを続けると、歯茎が下がりはじめてしまい、歯と歯茎の境目の象牙質がむき出しになってしまいます。その結果、 知覚過敏を引き起こす可能性があります」(川崎先生)

もしかして、筆者の知覚過敏も、歯の磨きすぎが原因!? 歯ブラシは軽く持ち、ゆっくり丁寧に一本ずつ磨いてくださいね。

電動歯ブラシを過信する

歯磨きの基本は歯に歯ブラシをいかに上手に当てるか、ということに尽きます。毛先を歯にしっかりと当てるこどができなければ、電動歯ブラシも意味を成しません。ですから電動歯ブラシが優れているという問題ではなく、まず普通の歯ブラシを上手に使えるようになることが重要です」(川崎先生)

どんなに性能のいい電動歯ブラシを使っても、きちんと磨けなければ宝の持ち腐れ。歯はもちろん、舌まで正しく磨けて一人前です!

歯磨き後、たっぷりの水で口をゆすぐ

歯磨きの後に口をしっかりゆすいで洗い流してしまうと、歯磨き剤に含まれるフッ素などの有効成分も洗い流してしまうのです。歯磨き後は軽くゆすぐだけにしましょう」(川崎先生)

なんと、うがいをする際は10cc程度の水(小さじ2くらい)で大丈夫なんだそう。余計な水を使うと、せっかくキレイに磨いても、ハミガキ粉の効果が弱まってしまいますよ。

◆便利な歯間ブラシは、サイズに気をつけて

いかがでしたか? 歯磨きに自信があるという方も、心当たりのある項目があったのでは。最後に、口元ケアグッズの代表格である歯間ブラシを使う際の注意点を。歯のすきまより大きすぎる歯間ブラシを使用すると、歯肉を傷つけることがあります。使用する際はサイズを必ずチェックしてくださいね。正しい口元ケアで、美しい歯を目指しましょう!

☆取材協力/川崎健一先生
表参道矯正歯科院長
http://www.omoky.com/

(中村未来/清談社)

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